マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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北白木高オカミ神社の宵宮座

2013年01月13日 06時53分38秒 | 桜井市へ
北白木の宵宮座の神事。

座中は高オカミ神社の拝殿に登る。

神職を勤めるのは瀧倉の宮司。

先代のi氏から継いだ娘の宮司さんである。

祓えの儀、御扉開け、オオーと神さんを呼び出す。

神饌を献じて祝詞を奏上する。

御供は本社およびオイナリサン(稲荷社)、カスガサン(春日社)や山ノ神さん(実際は山のほうであるが遠いことからここに奉る)などのマッシャサン(末社)に供えるがもう一つ。



取材に来ていたSさん曰く陰陽石だとする石にも供える。

次が2本の竹を括りつけた御幣を持って奉幣振り。



左右に振っては後ずさり。

またもや振って下がる。

三度も振られた奉幣振りの神事である。

撤饌をされて御扉を閉じて終えた高オカミ神社。

それぞれの家で作られたセキハンは神さんに供える。

お寺の行事であってもそうしていると話す村人の御供。

そのあとは頼んでいたパック詰め料理をいただいて社務所の参籠直会。

供えたセキハン御供も下げてともに会食。

しばらくの間を過ごす。

残ったのは終身制の六人衆たちである。

年齢順で組織される六人衆の最長老を一老と呼ぶ。

北白木は15戸。

この日に参集した人たちは13人。

撤饌を済ませて御扉閉めで終える。




神事を終えた村の人は家で料理したセキハンを供える。

めいめいの家がこしらえたモチゴメのセキハン。

それは風呂敷に包んで持ってきた。




手を合わせてお供えをする。

参拝を済ませた参拝者は風呂敷に包んで家に戻っていく。



参籠所に残ったのは六人衆と当番の人。

これから作っていくのがオシゴクと呼ばれる御供である。

一升枡に新米のご飯を詰め込んで作るオシゴクには2種類ある。

一つは枡の形そのもので真四角。



それほど多く盛らずに平な形である。

笹の葉を敷いた朱塗りの膳にそれを置く。

周りには2枚の皿がある。

一つはゴンボ(ゴボウ)にトーフを添える。

もう一つはサンショの実だ。

サンショの皿にはヤキジオ(焼き塩)も盛られる。



太い一膳の箸を添えて本殿に供える。

昔は毎年作っていたというカシの木の箸は神さんが食べる箸である。

末社に供えられるオシゴクの形は本社とは異なった三角形である。

同じようにご飯を詰める一升枡。

縁に寄せて蓋で押す。

三辺三方の三角型のオシゴクは特殊な形。



なぜにそのような形にするのか判らない。

神事を終えた後で神さんに供えるあり方。



10分ほど供えたオシゴクの御供を下げられる。

どういうことであろうか。

僅かな時間の御供はどういう意味を持っているのだろうか。

かつては千本杵でゴクを搗いていた。

杵の本数は2本。

太夫と呼ぶ一老が最初に搗いて、そのあとは千本杵搗き。

そんな時代は当屋の家で搗いていたと話す。

(H24.11. 9 EOS40D撮影)