マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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北白木女座のお渡り

2013年01月22日 09時50分44秒 | 桜井市へ
女座の宴はかれこれ2時間。

心地よい宴を過ごした時間の外は真っ暗。

拝殿には灯りが灯され幕も張られていた。

「ながい間、ごっつあんでした」と太夫が一言挨拶をされて座は仕舞われた。

立ち上がった婦人たちは神社に持ち込んだ高張提灯を手にする。

提灯持ちには男性数人が混じっているが大勢は婦人たち。

目指す家は神さんを一年間祀っていた旧当屋。

ここでおかしいことに気がつく。

新しく神さんを迎えたのは受け当屋。

それがなされたのは10日のオトサシである。

北白木の神さんは男の神さんと女の神さんがいるという。

受け当屋には神さんが遷されたが、以前として旧当屋家には神さんが坐していたのだ。

どちらが男の神さんであるのか判らないという村人。

実にややこしい。

暗闇の道は足元が見えない。

懐中電灯を照らして旧当屋家に向かって歩くこと5分ほど。

それほど遠くはないが時間がかかる行程である。

玄関先に竹を立てて注連縄を張っていた旧当屋に着いた。



屋内で祀っていた御幣を取り出す代理の太夫。



神棚に向かって一礼を済ませて数々のオシメイリされた注連縄を取り外す。

玄関に奉られた注連縄も同じく外す。



同時並行してローソクの火を燈された高張提灯。



揃って出発した提灯行列。

先頭は御幣を持つ太夫と注連縄などを抱える長老。

再び暗闇に包まれた道を戻っていく。

一年間も神さんを祀っていた旧当屋家から神さんを迎える行列である。

戻りの夜のお渡りは提灯の明かりが夜道を照らす。



「ちょーさじゃ ちょーさじゃ」と掛け声を囃しながらお渡りをする。

毎日を塩、米、お酒を供えて神さんを祀っていた旧当屋がほっと肩の荷を下ろした夜である。



階段を登ってあがれば直ちに御幣と注連縄を本殿に納める。



その作法を見守る高張提灯を持つ婦人たち。

座といい、提灯持ちといい女座の夜はこうして幕を閉じた。

(H24.11.12 EOS40D撮影)