午後の光りが挿し込み紅葉が美しい。
この日は高オカミ神社の祭礼のひとつになる女座(おなござ)が行われている。
竹で作った高張提灯台。
手作りの提灯台は味わいがある。
それぞれの家の人が持ち寄る北白木の村集落は15戸。
昨年は16戸だったというから1戸が減ったようだ。
「5月から6月にかけてのことだ。平坦に牛がいた。こっちからは炭をつけて持っていった平坦。換わりにスイカをつけていなかに帰らせた。長谷寺の観音さんとこで待っておれば戻ってきた牛。腰弁当をさげて長谷寺に向かった」と話す長老たち。
平坦の地はどこであったのか聞きそびれたがおそらく田原本町辺りではないだろうか。
50年ほど前にあった牛の貸し借りのことである。
北白木にはかつて左座、右座があった。
家筋の長老が太夫を勤めていたが、村行事となった現在は一老が太夫役だと話す。
現在の長老は一老から六老までの六人衆。
二日前に行われたことと同様にオシゴクを作る。
オシゴクは一升枡ぐらいの木の器にメシを詰め込んで作るオシメシである。
一つは本社に供える四角いメシ。
宵宮座と同じように笹(かつては五枚笹)を敷いた上にゴンボ(ゴボウ)、トーフ、サンショの実を皿に盛って折敷(おしき)に置く。
サンショの皿にはヤキジオ(焼き塩)も盛る。
カシの木で作った太い一膳の箸を添えて本殿に供える。
もう一つは形が異なる三角三辺の形のメシ。
それは末社に供えるメシで3個を作る。
それぞれの神さんに供えるオシメシ。
枡の蓋で押して作るからオシゴク。
漢字を充てれば押し御供であろう。
本殿でのお参りもなく20分後に下げられたオシゴク。
笹の葉をともに持ち帰るのは旧当屋だ。
サンショやゴンボも持ち帰った30分後。
北白木の婦人たちが神社に集まってくる。
これから始まるのが女座である。
オシゴクを供えたときには居なかった婦人たちが勢ぞろい。
座の中央、上座には太夫(たゆう)と呼ばれる長老が座る。
太夫周りを囲むように席に着いたのが婦人たちだ。
下の席には六人衆のほか男性たちも座る。
それぞれの席にはパック詰め料理が配られる。
当番の人たちは炊事場で支度をする。
祝儀受けを伝えられて始まった女座。
12日に行われることから十二日座とも呼ばれる酒宴の場である参籠所に幕を張る。
女性向けの新酒も注がれる。
座のまん中には温められた甘酒もある。
それも器に入れて配膳される。
オトサシの祭典でも登場した甘酒。
北白木の行事は甘酒がつきもの。
神さんであると云われる由縁である甘酒。
収穫した粳米を蒸して麹菌を入れる。
それを沸かして味噌を作るような感じで発酵器に入れる。
2日間そうしておくと柔らかくなる。
炊いてできあがった甘酒はとても甘くて美味しい。
米の粒が残っていて口当たりもいい甘酒である。
お酒がすすんで座の会話も弾んだ1時間後。
温かいトーフ汁や手作りの香物も口にする。
そうして椀に盛られたカシワメシ。
三角のアブラゲやヒネのカシワを入れて炊いたメシにはネギも入っている。
ヒネの親鳥の鶏肉を使っているだけに出汁が濃い。
1升5合も炊いたカシワメシは何杯もおかわりをしてしまうほどに美味い。
カシワメシの味付けはショウユと少々のお酒を入れた。
水は控えめにすればお米がパラっとすると話す当番婦人。
パック料理を口にすることはできないがカシワメシをほうばる。
(H24.11.12 EOS40D撮影)
この日は高オカミ神社の祭礼のひとつになる女座(おなござ)が行われている。
竹で作った高張提灯台。
手作りの提灯台は味わいがある。
それぞれの家の人が持ち寄る北白木の村集落は15戸。
昨年は16戸だったというから1戸が減ったようだ。
「5月から6月にかけてのことだ。平坦に牛がいた。こっちからは炭をつけて持っていった平坦。換わりにスイカをつけていなかに帰らせた。長谷寺の観音さんとこで待っておれば戻ってきた牛。腰弁当をさげて長谷寺に向かった」と話す長老たち。
平坦の地はどこであったのか聞きそびれたがおそらく田原本町辺りではないだろうか。
50年ほど前にあった牛の貸し借りのことである。
北白木にはかつて左座、右座があった。
家筋の長老が太夫を勤めていたが、村行事となった現在は一老が太夫役だと話す。
現在の長老は一老から六老までの六人衆。
二日前に行われたことと同様にオシゴクを作る。
オシゴクは一升枡ぐらいの木の器にメシを詰め込んで作るオシメシである。
一つは本社に供える四角いメシ。
宵宮座と同じように笹(かつては五枚笹)を敷いた上にゴンボ(ゴボウ)、トーフ、サンショの実を皿に盛って折敷(おしき)に置く。
サンショの皿にはヤキジオ(焼き塩)も盛る。
カシの木で作った太い一膳の箸を添えて本殿に供える。
もう一つは形が異なる三角三辺の形のメシ。
それは末社に供えるメシで3個を作る。
それぞれの神さんに供えるオシメシ。
枡の蓋で押して作るからオシゴク。
漢字を充てれば押し御供であろう。
本殿でのお参りもなく20分後に下げられたオシゴク。
笹の葉をともに持ち帰るのは旧当屋だ。
サンショやゴンボも持ち帰った30分後。
北白木の婦人たちが神社に集まってくる。
これから始まるのが女座である。
オシゴクを供えたときには居なかった婦人たちが勢ぞろい。
座の中央、上座には太夫(たゆう)と呼ばれる長老が座る。
太夫周りを囲むように席に着いたのが婦人たちだ。
下の席には六人衆のほか男性たちも座る。
それぞれの席にはパック詰め料理が配られる。
当番の人たちは炊事場で支度をする。
祝儀受けを伝えられて始まった女座。
12日に行われることから十二日座とも呼ばれる酒宴の場である参籠所に幕を張る。
女性向けの新酒も注がれる。
座のまん中には温められた甘酒もある。
それも器に入れて配膳される。
オトサシの祭典でも登場した甘酒。
北白木の行事は甘酒がつきもの。
神さんであると云われる由縁である甘酒。
収穫した粳米を蒸して麹菌を入れる。
それを沸かして味噌を作るような感じで発酵器に入れる。
2日間そうしておくと柔らかくなる。
炊いてできあがった甘酒はとても甘くて美味しい。
米の粒が残っていて口当たりもいい甘酒である。
お酒がすすんで座の会話も弾んだ1時間後。
温かいトーフ汁や手作りの香物も口にする。
そうして椀に盛られたカシワメシ。
三角のアブラゲやヒネのカシワを入れて炊いたメシにはネギも入っている。
ヒネの親鳥の鶏肉を使っているだけに出汁が濃い。
1升5合も炊いたカシワメシは何杯もおかわりをしてしまうほどに美味い。
カシワメシの味付けはショウユと少々のお酒を入れた。
水は控えめにすればお米がパラっとすると話す当番婦人。
パック料理を口にすることはできないがカシワメシをほうばる。
(H24.11.12 EOS40D撮影)