マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大和郡山のわらべ唄から

2013年09月19日 06時51分40秒 | 民俗あれこれ
大和郡山にわらべ唄を存じているなら教えてほしいと電話があった。

大和郡山城ホールの関係者であるTさんからのお願いである。

かつてわらべ唄など矢田の民俗を調査されていたやまちゃん先生。

Tさんもよく存じあげている先生だ。

今月初めに帯解で立ち話した中にわらべ唄があった。

あったと云っても中身は存じていない。

聞き取り、および機械で収録した中村垣内の高齢者が唄っていたわらべ唄は一式すべてを教え子のA子さんにあげたのである。

そんなことでTさんの願いは叶えることができなかった。が、である。

何年か前に調べていた大正四年調の『奈良県風俗志抄』。

1007~1032頁には郡山町、矢田村、片桐村、筒井村、本多村、平端村、安堵村、平和村とあるのは何故か郡山の東隣村の安堵もあった。

それは拝見していないが、郡山市史に興味深いことが書かれてあったことを思い出す。

柳澤文庫にあった史料を拝見したくて立ち寄ったが、この日は調査日で断られた。

そういや郡山図書館にあるのではと思って舞い戻った。

受付でTさんの要件を伝えて拝見した郡山市史。

たしかこの頁にあったと思ってめくってみた。

「民話・その他(1020~1024頁」に収まっていた唄にはわらべ唄はなかったが、数々で唄い続けられてきた地唄がある。

「田植唄、臼挽き唄、カラサブチ唄、水替え唄、枠繰り唄、機織り唄、餅搗き唄、伊勢音頭、伊勢参り、盆踊り唄、住吉踊り、松坂踊り、さえもん踊り(六斎念仏)、ざわざわ踊り、子守唄、手まり唄」である。

なかには悪口唄とか物を数える文句が記載されている。

「くるくる回るは車町 おかゆのけんかは大工町」や「岡町ウラのタニシひろい」もある。

「東椎木の椎の木に白サギ四羽とまって 猟人がひなわてっぽうでねらんだら シガシ(東)へしわしわ飛んでいった」という唄もある。

悪口唄と云うのは隣町に対して揶揄する台詞であったのだろう。

Tさんが生まれ育った筒井に神さんが通る道と云われる砂の道を敷いていた。

家の玄関までである。砂は佐保川まで採取しにいった。

モッコと呼ばれるズタ袋に入れて担いで運んだ。

それを撒いていたと云うのであす。

(H25. 5.18 記)