マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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鍋屋町弁財天の宵宮

2015年01月16日 07時23分04秒 | 奈良市へ
昨年、たまたま通りがかって知った奈良市鍋屋町の弁財天祭。

神事は15時と聞いていたが、それより1時間前から降りだした雨。



提灯は気を配ってビニールを被せていたが、お供えはどうすることもできなかった。

御供はびしょ濡れである。

鍋屋町の弁財天社は若宮おん祭に出仕される田楽座が所作をされる初宮神社の奥にある。

この日の弁財天祭は鍋屋町の初宮講の人たちが主催する。

田楽座を迎える講中でもある初宮講だ。

軒数は27、28軒ぐらいになると云う。

雨天でなければ田楽座が作法される同じ場所の境内で祭典をされるのだが、この日はやむを得ず社務所内となった。

初宮講の幕もずぶ濡れになるこの日は、神官・御巫の履物にも気を配ってシートを被せた。

春日大社の神官が伝える取材の注意事項。

「さし障りのないような撮りかたで」と、お願いされての取材である。

神事が執り行われる社務所。

遠慮して外から撮ったものだから私はびしょ濡れだ。



神社のお供えは社務所内。

雨にあたることもないと思っていたが、雨垂れでやはり濡れてしまう。

梅雨入りになってからはそれほど降らなかった今年の梅雨。

弁財天のマツリに雨が降るのは珍しく、10年ぶりだと講中は話す。

弁財天は水の神さん。

「天から水の恵みをもたらしてくれた」と春日大社の神官も話す。

雨は本降り、窓を開放した社務所に風が吹き抜けていく。



天からの恵みに感謝して、講中は揃って春日大社独特の「神拝詞」を唱える。

次に、春日大社の御巫二人が社伝神楽(※陪従神楽は本社神前および舞殿のみで非公開)を舞う。



神楽の舞は「珍(めず)らしな神楽」と「皇神(すめがみ)神楽」の2座。

神官は「笏拍子」を打ち、神楽笛を奏する。

宵宮神事は講中の玉串奉奠で終える。

そして、春日大社謹製のカワラケでお神酒をいただく。

ありがたいことに私も授けてくださったお神酒いただき。

法令順守に従って飲むことは断念し、カタチだけのいただきとさせてもらった。

参拝者には飲んだカワラケと供えた御供菓子が授けられる。

これもまたありがたいことである。

社務所は昭和42年に建てられた。

古くなった社務所は朽ちていたことから建て替えた。

山本さんが子供のころに神社で撮った写真があると云う。

半袖姿だったから夏場のようだと云うから弁財天さんの祭りであったと思われる。

そのころも社殿神楽は境内で行われていたようだと話す。

雨天でなければ、神事を拝見する人も居るらしいが、この日は皆無。



奈良女子大の学生さんは通り過ぎるだけであった。

(H26. 7. 6 EOS40D撮影)