マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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山田のカンピョウ干し

2015年01月23日 12時17分12秒 | 民俗あれこれ(干す編)
6月28日に立ち寄った桜井市山田の茶ノ前垣内のF家。

「そろそろ始めなあかん」と云って栽培したカンピョウ原材料のユウガオの実を見せてくれた。

天気予報を伺って「晴れまをみせる」数日間が連続する日にカンピョウ干しをすると云うFさん。

それから数日間は晴れの日が続いていたが、朝6時半のカンピョウ皮剥き。

他所の行事取材が重なっていたことから7月に入ってからと思っていた。

ところが7月になってからは連続した晴れ日もなく曇天続きだった。

台風8号も通り過ぎたこの日に出かけた。



着いたのは8時過ぎ。

早朝に皮向きを終えて竿を高く揚げていた。

白く垂れさがるカンピョウ干しである。

当主の話しによれば、朝6時から栽培していたカンピョウを取ってきて皮を剥いていた。

1時間そこらで2個の皮剥きを終えて、水平棒に一本、一本を垂らしたと云う。



水平棒はバランスを崩してしまうと傾く。

そうなればずずーと外れてしまう。

水平になるように、気をつけながら一本、一本を竿に掛けたと云う。

手持ちのメジャーがないので正確な長さは判らないがが、当主は「6m以上・・8mもあるかな」と云う。

もっと長いカンピョウはくるりと二重巻きにして垂らした。

水平を保って「カッシャ」と呼ぶ機械を徐々に揚げていく。

両端にある支柱は風に煽られてくるくる動かないようにしている支えだそうだ。

数年前にみられた田原本町の多・矢部や天理市の嘉幡・吉田のカッシャのカンピョウ干しは中断した。

「若いもんはそんな面倒なことはしやへん。年寄りの作業はできる限り、続けていきたい」と云う当主は80歳も越えた年齢。

一人でする作業は「いつまで続けられることやら・・・」と云って、皮剥きの道具をみせてくれた。



自作の皮剥き道具は竹製・木製に型を作って刃をタコヒモで括っていた。

中央は窪んでいる。

刃はカマの刃を電動ソーで切って、合うような長さにしたそうだ。

3本の自作皮剥きがあるが、竹製が一番使いやすいと云う。

カンピョウは予め畑から取っておくのであるが、日にちが経過し過ぎると中身がコンニャクのような感じになって剥きにくい。

何時するかはとても判断が難しいと云う。

カンピョウのヘタがある上部は種が少なくて堅い。

下部は種が多いし、柔らかいので、皮は長くしにくい。

一旦、輪切りにしてくるくる回すように皮を剥いていくと話す。



この日はつい先ほどにカンピョウ干しを終えたばかり。

カッシャを揚げて一服されていたときであった。

明日も雨になりそうで、台風9号も発生した。

次回はいつになるか悩ましい今年の天候不順。

達者で続けていくのが難しい年齢。

貴重な映像を撮らせてもらって感謝する。

(H26. 6.28 EOS40D撮影)
(H26. 7.12 EOS40D撮影)