5月の子供の節句が済んだらコイノボリを降ろす家は圧倒的。
GW期間中に拝見したコイノボリはすっかり姿を消す。
これまで聞取りをした県内各地の人たちは6月の節句の日まで揚げていると話していた。
雛飾りは節句が終われば直ちに仕舞う。
婚期を逃すというようなことであるが、コイノボリはそういうことは聞いたことがない。
雛飾りと同じように仕舞われてしまう。
そう思い込んでいるのかもしれない。
自宅からすぐ近くにある新興住宅地ではこの日も揚げていた。
そよぐ風に向かって泳いでいた。
そこより下って西ノ京辺りに向かう。
県道に出たところである。
西側にふと視線が向いた。
コイノボリがここでも泳いでいた。
先を急ぐのは奈良県美術人協会展。
出展作品を拝見して戻ってきた。
気になるのはコイノボリの支柱だ。
もしかとして木材?と思っていたがそうではなかった金属ポール。
矢車がカラカラと回っていた。
ここら辺りは奈良市西ノ京町と境目の六条町。
垣内でいえば六条東町のようだ。
ここより西、秋篠川を越えれば薬師寺がある。
3年後の2018年を目指して、およそ110年ぶりになる東塔の解体修理工事が行われている。
このころにもコイノボリを揚げておられたら撮ってみたいと思った。
それから一週間後。
写真家のNさんから「ニュースがある」と電話がかかった。
なんと、なんとである。
河合町の山坊(やまのぼう)の集落で杉の葉があるコイノボリの支柱を発見したというのだ。
県内事例の貴重な在り方に驚かれたそうで、木の皮を剥いだ支柱をみるのも始めてだったそうだ。
立てていたお家を訪ねられた。
そのコイノボリは孫誕生の祝いに立てたそうだ。
長男のときも同じように誕生年は杉の葉付きの支柱。
翌年は羽根車に取り換える。
その家は翌日の29日まで。
六月節句までではないようだ。
(H27. 5.20 SB932SH撮影)