マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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亀畑佐紀神社の御膳箱

2016年04月24日 07時50分25秒 | 奈良市へ
隆光大僧正のカラバカを拝見して通りがかった亀畑佐紀神社。

氏子圏は二条町である。

耳を澄ませば境内を箒で掃く音が聞こえた。

おそらく年番さんが清掃をしているのだろうと思って訪れる。

二人の若い男性が小休止していた。

親父さんは年番。

若い男性は息子さん。

親父さんの手伝いに境内を清掃していたという。

そこへ戻ってきた親父さんは年番当役の一人。

年番当役は3人。

6月から9月、10月から1月、2月から5月の期間を分担して月並祭とする神社の清掃にきたと云う。

座小屋の前に置いてあった箱は二つ。

参考までに拝見した箱は「御膳箱」。

神饌を運ぶ用具である。

蓋の裏に墨書で「明治十一年寅(1878)一月日調之 御膳箱 超昇寺村」と書かれてあった。

138年前に調之された御膳箱は今でも現役。

超昇寺村は現在の二条町になる。

亀畑佐紀神社の年中行事は数々ある。

なかでも年に4回はヒトギと呼ぶ神饌を供えている。

ヒトギは生米を砕いて粉にする。

それを水で溶いて形にする。

ヒトギは訛ったようで一般的にいえば「シトギ」。

充てる漢字は「粢」である。

そのシトギはバランの葉に載せて供えるらしい。

亀畑佐紀神社の略歴を参照して書き記しておく。

元禄十三年(1700)の『大和国郷帳』によれば、村高が二十八万石もあった超昇寺村。

寛永十六年(1639)、村を解体し、超昇寺村(現二条町)、山陵村、歌姫村、横領村、門外村、常福寺村、西畑村(古超昇寺村)、山上村(新超昇寺村)の八カ村に村高を分け合ってそれぞれが独立したそうだ。

亀畑の佐紀神社は現二条町の超昇寺村、西畑の佐紀神社は現佐紀西町・西畑の古超昇寺村の鎮守社。

亀畑佐紀神社より分神された西畑佐紀神社の創建は元禄十三年(1700)を想定されている。

なお、超昇寺村は古来より大和郡山藩の所領だった。

明治九年に地租改正。

大和は堺県の管轄になった。

その時代に常福寺村、門外村、山上村(新超昇寺村)、西畑村(古超昇寺村)、超昇寺村が合併されて佐紀村になったとある。

(H27. 6. 7 EOS40D撮影)