マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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北京終町京終天神社花切祭の梅の枝花

2016年06月17日 08時54分39秒 | 楽しみにしておこうっと
氷室神社宮司の大宮さんがFBで紹介された花切祭に興味をもった。

祭りごとの場は奈良市北京終町に鎮座する京終天神社。

JR京終駅より北方数百メートルの地にある。

神社も含めて、ここら辺りに駐車場は見当たらない。

花切祭は前日であった。

宮司より「梅ケ枝は本殿左右にお飾りされており、いつでも見える状態にある」と伝えてもらっていた。

どのような形で飾られているのか、大きさはどれぐらいなのだろうか、拝見したく立ち寄った。

梅ケ枝は宮司が伝えたとおりに本殿左右にあった。

一対ものである。

赤色、白色の紙を梅花の形に切り取って花弁とする。

花弁が赤色であれば雌蕊・雄蕊にあたる中心部の色は白色だ。

逆に白色であれば中心部は赤色になっている。



愕の色も同じような考え方であろうか、花びらが赤色なら愕は白色になっていた。

交互に色を組み合わせることで広がり感があり、左右一対の梅花が豪勢に見える。

一本の梅の木に小型の梅花はざっと数えて50枚ぐらい。

一枚だけは大型の梅の花になっている。

梅ケ枝を拝見しているときだ。

一人の男性が寄ってきた。

訪れた主旨を伝えて話しを伺う。

男性は神社役員の一人。

たまたま用事があって神社に来られたようだ。

花切祭を務めたのは当座(当家座)の人たち。

むかしのことだが、と前置きされた座中はかつて百姓、つまり農家組合の方々だという。

組合のなかから一年交替で選ばれた数名が座中を務める。

人数は6、7人ぐらいだそうだ。

話してくださった役員さんの任期は6年間だが、総会で交代者の指名もなく継続していると話す。

氏子は北京終と南京終住民。

特に南京終は新興住宅が増えて町内の戸数は2400戸にもなるという。

氏子数が多いこともあって町内を六つに区分けして、それぞれから役員を選出しているそうだ。

10月第二土曜日はヨイミヤ。

夕方ともなれば参拝住民が行列をするぐらいに並んでお祓いを受ける。

途切れることなく夜9時ころまで続くらしい。

男性が子供の頃の60年前。

当時製作した子供神輿はオーコで担いで町内を練っていた。

今は体力も弱くなり曳行する形式になったそうだ。

それでも50人の子供が曳いてくれるのでとても賑やかになると話す。

鈴の緒に括って垂らしたカラフルな紐がある。

子供の名を書いた紐は奉納寄進者。

毎年新調するという。

役目を終えた一年後は子供神輿の飾り付けに再利用する。

それも役目を終えた翌年の護摩木焚きで焼納するという。

ちなみに切り紙で作った梅ケ枝の心棒は金属製。

広がるように枝を広げて作った枝にテープを巻いている。

なんでも昔は本物の梅の木だったそうだ。

いつしか採取することが難しくなり、今の形態にしたようだ。

(H27.10. 5 EOS40D撮影)