昨年末の11月、12月は、三重県名張に出かけて刺しさば調査の聞き取り。
出会った井出住民のNさんの話によれば、刺しさばは奈良県。
峠を越えた名張ではサバでなく、トビウオだ、という。
奈良の山添村で聞いた盆はトビウオ。
地域の一つに遅瀬がある。
平成23年9月17日に行われた中南寺の観音講の営み。
集まったご婦人たちが「盆のときはトビウオを食べていた。ドロイモの葉に乗せたトビウオ。それは開きの干物で2尾を重ねていた。下は生の干物で、上に焼いたトビウオを乗せていた。食べるのは子どものころだったが、塩辛い味だったことを覚えている」と、話してくれた。
平成2年11月、奈良県月ヶ瀬村が発刊した『月ケ瀬村史』に、「墓参は8月14日。その日に、両親が揃うてる家はトビウオの干物を食べる。このトビウオは婚家から里方へ中元として贈るもので、焼いて里芋の葉にのせ、両手でいただく」と、あった。
一方、三重県名張市井出に生まれ育ったNさんが、地区の年中行事を整備、纏めた史料に「8月14日、夕方に墓参。両親の揃っている家の子どもたちは、夕食に飛び魚を食べる」と、記録していた。
昭和43年12月、名張民俗研究会が調査、編纂した『名張の民俗』に、興味深い「サバすえ(鯖据え)」記述があった。
「7月上旬、サバすえ(鯖据え)と、いって里方から塩サバに白餅米をそえて貰い方に贈った」とある。
山添村の北野津越、大矢商店のことばもブログに遺していた。
さて、三重県の調査である。
Nさんが、教えてくださった三重県名張市・安部田谷出の永橋商店。
実は、所在地は知っていた。
令和2年11月2日、安部田で行われているイノコモチ行事の調査に伺った際に、見つけていた谷出の永橋商店。
井出住民、Nさんから聞いた塩辛いトビウオを教えていただければ、と・・・
不在だった店主に替わってお話ししてくださった女将さん。
店主は、ほぼ毎日の仕入れに大阪・鶴橋市場に出かける。
店主が運転する商用移動販売車は、近鉄大阪線赤目口駅の指定駐車場入り。
電車一本、乗り換えなく着いた近鉄鶴橋駅。
市場内にある中谷商店が仕入れ先。
戻ってきたら、一部はお店の棚に。

残りは、お店に来るのが難しいご近所の常連さんに販売するいわゆる行商的移動販売に移った。
2、3人の高齢者求めるトビウオを売っていたが、今はその希望もないから、仕入れはやめたそうだ。
なんなら、これまで買ってくれたお客さんに、今年はいかがですかと声をかけてあげようか、といわれてが、そこまではしたくない。
昔は冷蔵庫がなかったから、塩干もののトビウオだった。
塩辛いからメシのお供。
塩漬けの鮭も好む人がいるからヒダラも売っていたが・・・。
2枚で1組のトビウオ。
この付近でいえば、奈良県になるが、榛原から室生路の大野辺りまでトビウオ需要はあったようだが・・。
地区谷出は34軒。
地区以外のお客さんもあるが、注文、購買は増えることのない暮らし。
ここら錦生(にしきう)地域に、魚屋さんは3軒もあった。
当時は、居住者も多かったからトビウオの需要もあったが・・。
塩辛いトビウオは、盆に供えることなく、盆に食べるだけ。
若いもんは、わざわざ買ってまでして食べることはない。
味覚が替わったということだ。
うち以外に、赤目口から赤目の滝に向かって走った左側に西川商店がある。
また、本町にいしかわ魚屋がある。
そこならあるかもしれない、と女将さんが教えてくださったが、そこはどこに・・。
立地はジャスコの近く。
大きな鳥居からすぐ近くにある、蕎麦屋に文房具屋、散髪屋さんらが並ぶ通りに行けばわかるから、と教えてもらって再出発した。
(R3. 7.30 SB805SH撮影)
出会った井出住民のNさんの話によれば、刺しさばは奈良県。
峠を越えた名張ではサバでなく、トビウオだ、という。
奈良の山添村で聞いた盆はトビウオ。
地域の一つに遅瀬がある。
平成23年9月17日に行われた中南寺の観音講の営み。
集まったご婦人たちが「盆のときはトビウオを食べていた。ドロイモの葉に乗せたトビウオ。それは開きの干物で2尾を重ねていた。下は生の干物で、上に焼いたトビウオを乗せていた。食べるのは子どものころだったが、塩辛い味だったことを覚えている」と、話してくれた。
平成2年11月、奈良県月ヶ瀬村が発刊した『月ケ瀬村史』に、「墓参は8月14日。その日に、両親が揃うてる家はトビウオの干物を食べる。このトビウオは婚家から里方へ中元として贈るもので、焼いて里芋の葉にのせ、両手でいただく」と、あった。
一方、三重県名張市井出に生まれ育ったNさんが、地区の年中行事を整備、纏めた史料に「8月14日、夕方に墓参。両親の揃っている家の子どもたちは、夕食に飛び魚を食べる」と、記録していた。
昭和43年12月、名張民俗研究会が調査、編纂した『名張の民俗』に、興味深い「サバすえ(鯖据え)」記述があった。
「7月上旬、サバすえ(鯖据え)と、いって里方から塩サバに白餅米をそえて貰い方に贈った」とある。
山添村の北野津越、大矢商店のことばもブログに遺していた。
さて、三重県の調査である。
Nさんが、教えてくださった三重県名張市・安部田谷出の永橋商店。
実は、所在地は知っていた。
令和2年11月2日、安部田で行われているイノコモチ行事の調査に伺った際に、見つけていた谷出の永橋商店。
井出住民、Nさんから聞いた塩辛いトビウオを教えていただければ、と・・・
不在だった店主に替わってお話ししてくださった女将さん。
店主は、ほぼ毎日の仕入れに大阪・鶴橋市場に出かける。
店主が運転する商用移動販売車は、近鉄大阪線赤目口駅の指定駐車場入り。
電車一本、乗り換えなく着いた近鉄鶴橋駅。
市場内にある中谷商店が仕入れ先。
戻ってきたら、一部はお店の棚に。

残りは、お店に来るのが難しいご近所の常連さんに販売するいわゆる行商的移動販売に移った。
2、3人の高齢者求めるトビウオを売っていたが、今はその希望もないから、仕入れはやめたそうだ。
なんなら、これまで買ってくれたお客さんに、今年はいかがですかと声をかけてあげようか、といわれてが、そこまではしたくない。
昔は冷蔵庫がなかったから、塩干もののトビウオだった。
塩辛いからメシのお供。
塩漬けの鮭も好む人がいるからヒダラも売っていたが・・・。
2枚で1組のトビウオ。
この付近でいえば、奈良県になるが、榛原から室生路の大野辺りまでトビウオ需要はあったようだが・・。
地区谷出は34軒。
地区以外のお客さんもあるが、注文、購買は増えることのない暮らし。
ここら錦生(にしきう)地域に、魚屋さんは3軒もあった。
当時は、居住者も多かったからトビウオの需要もあったが・・。
塩辛いトビウオは、盆に供えることなく、盆に食べるだけ。
若いもんは、わざわざ買ってまでして食べることはない。
味覚が替わったということだ。
うち以外に、赤目口から赤目の滝に向かって走った左側に西川商店がある。
また、本町にいしかわ魚屋がある。
そこならあるかもしれない、と女将さんが教えてくださったが、そこはどこに・・。
立地はジャスコの近く。
大きな鳥居からすぐ近くにある、蕎麦屋に文房具屋、散髪屋さんらが並ぶ通りに行けばわかるから、と教えてもらって再出発した。
(R3. 7.30 SB805SH撮影)