ほんの一握りのごくごく一部の民俗に触れ合えた名張の城下町。
刺し鯖からトビウオ調査に訪れた町内だけでも本町、元町、中町、新町。
蛭子神社が鎮座する鍛冶町の他、木屋町、榊町、豊後町、栄町、丸之内、狭間などの町名からもわかるように、ここは城下町。
慶長十三年(1608)、それまで伊賀国領主であった筒井氏は転封。
代わって伊予国から藤堂高虎が伊勢・伊賀国領主として入封。
転封は寛永十二年(1635)。
以来、明治四年の廃藩置県までの260年間。
十一代に亘り、藤堂家が居を構えた歴史ある地。
武家、商家の暮らしを支える商売に海産物を扱う魚屋があった。
もちろん、米穀商、青果、乾物、味噌醤油、生糸、木炭、肥料、医師、薬、酒、材木、金物、桶、結髪、古物、旅館などもある。
ちょっと、歩くだけでなんらかの民俗が見つかる。
「伊賀上野から言わしたら、名張の城下町より、上野の方が古いねん」、という人もいるらしいが、私はふるさとを争いにするのではなく、それぞれの良さがある。
民俗文化の違いは、あろうが、比較、差異、優劣を見出すような目的は持ち合わせていない。
民俗文化は、暮らしの文化。
それぞれの土地に風土があり、歴史もある。
それが地域の特徴でもある。
さて、今回の目的地はお盆に干し飛魚を売る魚屋さんの調査である。
本町のととやのいしかわは、8月5日に入荷するとわかった。
で、あれば新町の矢の惣総合食品も望みがある。
取材主旨を伝えて売り場を覗かせてもらったそこにあった。
店主のFさんは、塩干物の干し飛魚を「トビ」と、呼んでいた。
たまたま訪れた今日に仕入れてきたばかり、だという。
仕入れ先は、またまた、なんと奈良県中央卸売市場の松本水産。
ここ矢の惣総合食品店も、ご縁が繋がった。
両親が揃っているお家が食べる「トビ」。
そんな風習がある名張。
干した乾物だから、物流によって運ばれた。
陸地の名張にも、その風習が続いてきたが、売れた枚数は徐々に減っている、という。
ここら名張は、三重文化に奈良文化もある。
奈良県山添村などにあってもおかしくないが、今回仕入れのトビウオはひと塩干しのトビウオである。
店主曰く、トロ箱売りのトビウオは、塩辛いっ、と。
干してつくるには吹く風が要る。
風をもってつくる、というが、ここらではつくる人はおらんから、奈良県中央卸売市場まで毎日出かけて鮮魚などいろんなものを仕入れている。
飛魚の漁獲高が多い地方は、日本海側。
島根や長崎が漁場だから、その地でつくっているのでは・・と。
女将さんがいうには、明日葉が自生するあの島もよ、といわれた。
それは、東京都の八丈島。
伊豆諸島・小笠原諸島近海は、飛魚(※ハマトビウオ)の好漁場で知られ、春に八丈島に寄った飛魚は、伊豆諸島沿いを北上し、夏場は三陸から北海道沖に(産卵)生存。
飛魚には、冬から春にかけて再び伊豆諸島に戻るグループと、そのまま通過し、鹿児島の屋久島や種子島付近まで南下するグループがあるそうだ。
(R3. 7.30 SB805SH撮影)
刺し鯖からトビウオ調査に訪れた町内だけでも本町、元町、中町、新町。
蛭子神社が鎮座する鍛冶町の他、木屋町、榊町、豊後町、栄町、丸之内、狭間などの町名からもわかるように、ここは城下町。
慶長十三年(1608)、それまで伊賀国領主であった筒井氏は転封。
代わって伊予国から藤堂高虎が伊勢・伊賀国領主として入封。
転封は寛永十二年(1635)。
以来、明治四年の廃藩置県までの260年間。
十一代に亘り、藤堂家が居を構えた歴史ある地。
武家、商家の暮らしを支える商売に海産物を扱う魚屋があった。
もちろん、米穀商、青果、乾物、味噌醤油、生糸、木炭、肥料、医師、薬、酒、材木、金物、桶、結髪、古物、旅館などもある。
ちょっと、歩くだけでなんらかの民俗が見つかる。
「伊賀上野から言わしたら、名張の城下町より、上野の方が古いねん」、という人もいるらしいが、私はふるさとを争いにするのではなく、それぞれの良さがある。
民俗文化の違いは、あろうが、比較、差異、優劣を見出すような目的は持ち合わせていない。
民俗文化は、暮らしの文化。
それぞれの土地に風土があり、歴史もある。
それが地域の特徴でもある。
さて、今回の目的地はお盆に干し飛魚を売る魚屋さんの調査である。
本町のととやのいしかわは、8月5日に入荷するとわかった。
で、あれば新町の矢の惣総合食品も望みがある。
取材主旨を伝えて売り場を覗かせてもらったそこにあった。
店主のFさんは、塩干物の干し飛魚を「トビ」と、呼んでいた。
たまたま訪れた今日に仕入れてきたばかり、だという。
仕入れ先は、またまた、なんと奈良県中央卸売市場の松本水産。
ここ矢の惣総合食品店も、ご縁が繋がった。
両親が揃っているお家が食べる「トビ」。
そんな風習がある名張。
干した乾物だから、物流によって運ばれた。
陸地の名張にも、その風習が続いてきたが、売れた枚数は徐々に減っている、という。
ここら名張は、三重文化に奈良文化もある。
奈良県山添村などにあってもおかしくないが、今回仕入れのトビウオはひと塩干しのトビウオである。
店主曰く、トロ箱売りのトビウオは、塩辛いっ、と。
干してつくるには吹く風が要る。
風をもってつくる、というが、ここらではつくる人はおらんから、奈良県中央卸売市場まで毎日出かけて鮮魚などいろんなものを仕入れている。
飛魚の漁獲高が多い地方は、日本海側。
島根や長崎が漁場だから、その地でつくっているのでは・・と。
女将さんがいうには、明日葉が自生するあの島もよ、といわれた。
それは、東京都の八丈島。
伊豆諸島・小笠原諸島近海は、飛魚(※ハマトビウオ)の好漁場で知られ、春に八丈島に寄った飛魚は、伊豆諸島沿いを北上し、夏場は三陸から北海道沖に(産卵)生存。
飛魚には、冬から春にかけて再び伊豆諸島に戻るグループと、そのまま通過し、鹿児島の屋久島や種子島付近まで南下するグループがあるそうだ。
(R3. 7.30 SB805SH撮影)