マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

木津川薬師堂祈祷念仏

2009年09月12日 08時28分19秒 | 東吉野村へ
東吉野村の木津川(こつがわ)では、かつて八月十五日に青年団がお寺の施餓鬼、十八日は祈祷念仏踊りのあとで祭文踊りをしていた。

随分前のことだと村人は仰る。

今夜は二百十日の前に五穀豊穣、無病息災、村落の平穏無事を祈る祈祷念仏が行われる。

村人たちは真っ暗な夜道を歩んで薬師堂に集まってきた。

堂内に座して法要が始まる。

円覚寺の住職とともに般若心経を唱える声は小さな堂名内に響き渡る。

そのあとは風呂敷包みで持ってきた当番さん手作りの弁当を広げてささやかな村の直会の場になる。

弁当の中身はオニギリ、ゴボウやコンニャクの煮物、菜っ葉やお豆のゴマ和え、野菜のテンプラ、タマゴ焼きなどの精進料理。

僧侶も一緒になっていただく。

デザートまである村の接待は観覧者もおよばれに授かる。

法要が始まってから1時間半後、いよいよ祈祷念仏が始まる。

堂内に太鼓台を設えると頭に鉢巻きを締めた浴衣姿の男衆が登場する。

太鼓はドン、ドン。

鉦を叩く男に真っ赤な木魚を叩く男。

二人は振り上げては叩き前へ進む。

足を大きくあげる。

ドン、チン、ボクの音が重なって堂内は一挙に盛り上がった。

周りには女性も男性も並んで念仏踊りの詞章を唱える。

男は「ヨォ なーあんぶつ なーあんぶーつな ソレ」。

女性は「なーあんぶつ なーあんぶつ」と掛け合いで唄われる。

後半には男女ともに「ヨォ なーむあみだぁ ハ ハ ハ」を連唄する。

「途中で交替しようや」ともう一組の男性方に替わって再び念仏踊り。

「おい、おい わしの頭を叩くんじゃない」といいながら大笑い。

念仏踊りは陽気な二百十日の前祈祷になった。

(H21. 8.18 Kiss Digtal N撮影)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。