マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

太田棚機神社タナバタサン

2007年07月30日 08時47分39秒 | 葛城市へ
葛城市太田から南阪奈道路沿いに山手へ上がって行くと左側に「棚機の森」と呼ばれるところがあります。

伝承によると葛木倭文坐天羽雷命神社があったそうで、昔から「タナバタサン」と呼ばれる古い石祠が置かれて織物の神さまである天棚機姫神が祀られている。

この辺りは朝廷に献上する布を織る人たちが暮らしていたという棚機の地。

普段は訪れる人もなくひっそりとしていますが七夕の日には笹竹に子どもらの願いが書かれた短冊飾りが数多く立て掛けられています。

平成4年、地区周辺7人の方々が有志発起人となり保存会を結成されて棚機神社としての祭祀を復活させたそうです。

平成13年に村起こしを願って七夕イベントが催されたときは大勢の参拝者で賑わったというが関心も薄れてそのときだけじゃったわと代表者はおっしゃる。

しかも当日は弁之庄の弁天さんの祭りで花火があがりそっちへ行ってしまうんだと呟く。

それでも続けていきたいと前日には近くの二つの小学校から七夕飾りを奉納してもらう。

[人知れず 花火うらめし 七夕日]と詠んでいたところ、三人の若者が手になにやら持ってやってきた。

用意してきた短冊に願いを込めて七夕の飾り付け。

小学校と高校の同級生だという地元の若者たち。

花火には関心もなく當麻寺や葛城を巡るといい、これからもタナバタサンを大切にしていきたいといい心が温まった日だ。

[幸せの 願いを込めて 飾りつけ]と詠んだ。

(H19. 7. 7 Kiss Digtal N撮影)

タイトルは宮滝の風景

2007年07月29日 07時19分39秒 | 民俗の掲載・著作
暑い夏は河原で水浴び。

吉野川の宮滝に訪れる人が増えているという。

心地よい夏雲が浮かぶ風景が涼しさを呼ぶ。

向かいの知人から夏の風景写真ないかと尋ねられて選んだ一枚。

知人の要望はいつもハイレベルだし風景写真はめったに撮らないので期待に応えるのが難しいが撮っておいてよかったと思った。

掲載誌面を見ていた息子は風景よりもとーさんの顔をだしたほうが誌面に相応しくて、えーでと。

そんなん出したら指名手配になるやんかといえば、横でかーさんがそれもえーなという。

どういうこっちゃ。

(H19. 7.27 V603SH撮影)

針春日神社秋例祭・湯釜祭

2007年07月28日 07時57分30秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
夏神楽を前日に控えた都祁針春日神社のD神主さん宅を訪問する。

数年前、2月の観音寺で営まれる乱声(オコナイ)での華造りでたいへんお世話になった神主さん。

都祁友田の水分神社でのお渡りの際にもたびたびお会いしているが、春日神社の年中行事についてはその後諸事情で失念している。

今日は夏神楽や秋例祭、湯神楽について祭事内容を教えていただいた。

秋例祭宵宮は本来10月17日だが、近年には17日に近い土曜日に行われている。

平成19年は10月20日の土曜日13時から始められる。

その一週間前の土曜日の13日(平成19年)には当家宅でサカキ立て神事が行われる。

その前日12日に御霊を祀ってお仮屋が建てられる。

お仮屋は家型でヒノキ葉で屋根を葺くそうだ。

祀る場所には白土を敷いた30cmぐらいの高台を設え芝を張りその上にお仮屋を建てる。

当家はアニトーヤとオトウトトーヤの2軒でそれぞれお仮屋を建てる。

13日の朝9時、神主がアニトーヤへ参り御霊分霊神事が行われる

これをサカキ立てという。

そのあとオトウトトーヤへ参り同様にサカキ立て神事が行われる。

2軒の当家ではそれぞれ当家稚児が主役となる。

この祭事は榊立当家巡拝と呼ばれる。

その後11時には同神社へ赴き拝殿で榊立報告祭が行われる。

そして一週間後の土曜日の20日(平成19年)に秋例祭宵宮が行われる。

13時、ノボリを先頭に当家稚児(当人児と思われる)、お仮屋担ぎ(私見想定)らが列をなして春日神社までお渡りをする。

到着して神遷しをされるとお仮屋は潰してしまう。

なお翌日の本例祭は14時から。

また後宴祭はその翌日の11時からで当家稚児報寶当家稚児渡りが行われる。

この秋例祭の前々日の18日(平成19年)には同神社拝殿前庭で湯神楽が行われる。

湯神楽は別名湯釜祭とも呼ばれる。

朝8時ころから湯釜の準備を行う。

神事の道具は七束にした笹の葉。

10時に湯神楽が始められる。

神主が米、塩、お神酒を湯釜に入れて混ぜ、笹の葉を用いて四方にしぶきをかける。

いずれも仕事休みになるよう祈りたいものだ。

(H19. 7. 7 V603SH撮影)

歳徳神社夏神楽

2007年07月27日 08時48分34秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
7月に入ると奈良市旧都祁村内の各大字の神社では夏神楽祭が日替わり順に行われます。

友田に鎮座する都祁水分神社の男性神職がそれぞれの大字の神社を訪れて夏神楽を舞います。

鈴を手に持って夏病みを祓う儀式が特徴で、各大字によってはその所作が異なります。

毎年七夕の日の7日に行われる都祁南之庄歳徳神社では、上、中、北、南、東の五垣内の氏子代表組頭や神主、総代長らが集まり神職を迎えます。

歳徳神社は国津神社の末社であるが、今日の祭事は「としとくさんの夏神楽祭じゃ」とおっしゃる氏子ら。

本来は歳徳神社前に神饌を供えて一同が並ぶのだが、生憎の雨天の様相だったことから国津神社の拝殿で執り行われた。

各神社の神殿前には三角錐型の「スズキ」モチと呼ばれるアズキメシがそれぞれ供えられる。

このスズキモチは赤飯であって、以前は神主が氏子らの50数軒分を作り配ったという。

子どものころ「スズキ」をもらっといでやと親に言われて神社に行ったことが懐かしいとおっしゃる。

この「スズキ」モチ、先っちょ食べたら夏病みせんでいいと言われ、飼っていた牛に食べさしたそうです。

現在では飼牛もいないので食べさすこともなくなったが、働いてもらった飼牛に感謝するとともに牛を大切にしていた農耕行事の名残りがスズキモチ御供に残っている。

歳徳神社の夏神楽祭は前庭に神職、神主、氏子らが祓戸神社の前に参列して祓い清めを受けてから始まります。

そのあと拝殿に上り、神職の夏祭り祝詞奏上が朗々と述べられます。

神主の太鼓打ちで夏神楽が始まると、呼出された各垣内代表の組頭が前にでて神職の鈴祓い神楽を賜ります。

暑さに負けずに健康でいられるようにと願いを込めて舞う神楽。

昔は垣内の方らの名前を呼んだ回数分を舞ったが長時間要することなので今は組頭の数になっている。

夏神楽を終えると神職は神主とともに拝礼し、最後に総代長の玉串奉奠で祭典を終える。

(H19. 7. 7 Kiss Digtal N撮影)