マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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新住お仮屋建て

2008年10月29日 06時53分57秒 | 下市町へ
秋祭りの際、トヤの家ではお仮屋を建てて氏神さんを祀る。

奈良の吉野川下流域では集落ごとにお仮屋を建てる風習があったが今では数少なくなった。

五條市では西阿田、南阿田、東阿田の三ヶ所(未取材の原、久留野を加えると五ヶ所)、大淀町佐名伝、下市では各1ヶ所ずつ現在でも続けられている。

なかでも下市の新住(あたらすみ)のお仮屋は巨大で特異な形だ。

早朝、材料などを広げたトヤの庭で地区の氏子が集まってくる。

四方を竹とクリの木で囲った土台を築き大きな青竹を立てる。

その周りには上下にたくさんの檜葉を竹で編んだものに括り付ける。

中心には太い孟宗竹、後ろ側には斜めに水差しの筒がさし込まれている。

ベースの形状ができあがると正面に御簾(みす)が取り付けられる。

一昨日の晩から御簾を編む台を作って試し編みをしてきた氏子さん(野遊び海人)。

名月祭を終えた夜もさらに工夫したといい、前日に先輩から注文を受けていたので朝日が昇るやいなや御簾作りをしたそうだ。

竹籤の節目を波のようにして編んだ御簾の出来映えは達人の域。

檜葉に覆われた下部へは斜めに竹矢来を設えて、さらにその下の檜葉を切り取り、それを矢来間に加える。

地面から数十cmの空間があり宙に浮いたようだ。

檜葉のスカートを履いたような形状になるとほぼできあがり。

中心の竹にご神体となるサカキの木をさし込み、上の竹にぐるりと注連縄を張って完成した。

そろそろ雨が降りそうだと急ぐお仮屋建て。

恵方の方角に鳥居を、右横に木製の燈籠を立てて、杭を打ち込んだ周りには二重の竹囲い。

石を敷き詰め飛び石を配置して苔を置いてできあがった。

みなさんのおかげで立派なお仮屋が無事に完成したと喜び挨拶されたトヤさん。

秋祭りの日まで毎朝、吉野川の清水を汲んで水差しに入れて八幡神社の神霊を拝む。

これからも伝統行事を守っていきたいと話し、来月初めには仮宮祭の営みで九つ膳やシデなどを供えて神事が執り行われる。

(H20. 9.15 Kiss Digtal N撮影)

嫁入り荷だし車

2008年10月28日 05時58分20秒 | 民俗あれこれ
天理市から橿原市までは快適な京奈和道路。

完成してからはしょっちゅう利用している。

天理から入ろうとしたら嫁入り荷だし車が前方を走っていた。

そうだ、今日は大安の日だ。

橿原に着くと信号で待っていた荷だし車。

4台目の荷台はクルマだった。

ナンバープレートから推測するには大阪への嫁入りなのであろう。

目出度い祝いのクルマに遭遇し、34年前のいとこの荷出しのころを思いだし横から祝福したくなった。

(H20. 9.15 SB912SH撮影)

我が家の名月

2008年10月27日 08時19分47秒 | だんらん
前夜は名月の日。

我が家でも玄関にススキを飾りだんごを供えた。

ススキは我が家の庭先に咲いているもの。

数年前から塀のすき間から生えだした。

ここにだんごを供えたらいいねといった家族の会話が綺麗なお供えになった。

(H20. 9.15 Kiss Digtal N撮影)

新住八幡神社名月祭

2008年10月26日 07時46分13秒 | 下市町へ
十五夜の日となった中秋の名月。

各地のお寺では観月祭などが盛大に営まれている。

下市の新住(あたらすみ)に鎮座する八幡神社でも名月祭が行われる。

夕刻、付近の道沿いに生えるススキを手に取る人もいる。

夜、暗くなったら地区の代表者が続々と集まってくる。

神社にほのかな明かりを点けて、総代表さんがお神酒などを三方に盛ってお供えする。

そろそろ始めようかと声がかかると暗がりの境内に広がり神社に向かって一同が拝礼。

祓いの儀もなく祝詞もない、一瞬で終えるそれだけの神事だ。

お神酒とお供えを降ろして拝殿に居る人に配られる。

十分ほどで終えた直会を済ませると家路を急ぐ名月祭の日。

神さんとともに名月を楽しむひとときなのであろう。

(H20. 9.14 Kiss Digtal N撮影)