JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

異形の地平 ligne libre / FM TRIO

2010-01-13 22:49:16 | 聞いてますCDいいと思う


今年になって仕入れたアルバムも後数枚、これはまるで知らない人ですが、トリオの名前は聞いたことがあるみたいな気がします。
スイスのグループだそうで、ヨーロッパのピアノ・トリオとしてある程度予想をするとちょっとそこからは違う景色が見えるアルバムです。
このグループ、ビートをほとんど刻まない、内面の心象を綴っていくように曲が進みます。
1曲目は短いプロローグのようにテーマを弾いて、2曲目は状況と心象を同時に上手く説明されているような、東欧の旧社会主義に迷いこんだ気がします。
ジャケ自体プラカードを持った意思表示をあらわしているのでしょうか。
ただ内省的なだけでなく3曲目など、ラインのはっきりしたフレージングは切れも良く、これが続くと良いのですが、このトリオ評判はあたっているのでしょう。
3曲目がフルート、ほかにも鳴り物などを横においたり、弦を直接触ったりとしますが、曲調は大体似ていて、ゴンゴンと塊のようなベースが少し重たい。
そして、やはり少しなぞめいた状況に戻っていきます。
ちょっと見慣れない地平を見るような感じ、寒いとか、辛いとかとは違うのですが、異次元の地平に入ったようにちょっとさびしい感じ。そう不条理がまだ地位を収めていた時代。
孤独感を乗り越えて音楽を聴くような、5曲目美しいテーマですが、ちょっと聴く側に強さが要求されます。
このアルバム、見える色彩は抑えて変化にきずく程度、ごろごろとある塊の形を良く見る美しい、隠しているのではと思うほど、しっかりとこちらが探さなければいけないのです。
演奏も悪くはありません、が本当にこれを楽しく聞く人多くいるのか、ちょっと疑問におもいます。
ただ最近聞いた、大先生が褒めていたピアニストよりずっと凄いことは間違いなく、これこそ結構聴くほどに良くなるかも知れません。

ligne libre / FM TRIO

Fabian Mueller(p)
Kaspar von Grünigen(b)
Fabian Buergi(ds)

1. Durst
2. Grains and Dots
3. Vue miniature
4. Décandance
5. Ligne libre
6. Das Hotel
7. Speisekammer
8. Empty
9. Hope and Despair
10. Le grand souffleur
11. La modestie
2009年作品
コメント (2)
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