いいなと思っていても、つい忘れてしまう人がいるもので、ですから昨年でていたのに年末近くに気が付いたアルバムです。
この人の前作はとても良かったとおもっていたら次の作品が出ているのに買うのが遅くなってしまいました。
前作の雰囲気をもう一つ推し進めたのでしょうか、フリーとコンテンポラリーの比率がちょっとフリーに振れているようにもおもいます。3曲目、セシル・テイラーを感じながら、モダンなリズムを取り入れているエスクリート、この人のマークは外せません。
そしてこの曲でもというか、コンテンポラリーを支えるクリス・ポッターがテナーソロを存分に吹くのも凄いです。
4曲目、これもフリー系の曲構成になります。このピアニスト、実はこの感じよりか抒情を持っていると思っていたので今度のアルバムはちょっと希望とずれたかと思もいますが、それ以上の実力の音がアルバムにあるのですから素晴らしい。
好みをこえてこのピアニストは評価すべきです。
このような人こそ日本でライヴすべきでしょうね。そういえば来ていたか。
電気ハプシコードとビネーとポッターのユニゾン、で始まってエスクリートのフェンダーのソロ、これが良い、楽器の使い方を時代を経て理解したという感じです。そのあとはポッターのモダンなソロ、だからその混ざり具合が面白いのです。
6曲目、フリー系のピアノが中心でサックスがストラクチュアルに参加する曲。
このグループ凄い演奏をするグループになるでしょうと予感させますが、このまま行くとは思えないので残念です。もう一枚作ってもらいたいというのが希望です。
ビネー、ポッターが思い切ってバップ含みのフレーズを吹いているなか、ピアノはきちんと独自性を作っているところがこのピアニストの評価となるでしょう。
最後の曲はリズムにのったコンテンポラリーな曲、このピアニスト現時点でどちらに行くのははっきりしませんが、私としてはこの最後の曲を押し進めても、時代のトッポ・ポジションに行けると思います。
SABOTAGE AND CELEBRATION / JOHN ESCREET
John Escreet - Piano, Fender Rhodes, Harpsichord
David Binney - Alto Saxophone, Soprano Saxophone (track 7)
Chris Potter - Tenor Saxophone
Matt Brewer - Double Bass
Jim Black - Drums
Adam Rogers - Guitar (tracks 5 and 7)
Louis Cole and Genevieve Artadi, Nina Geiger - Vocals (track 7)
String Section
Fung Chern Hwei - Violin
Annette Homann - Violin
Hannah Levinson - Viola
Mariel Roberts - Cello
Garth Stevenson - Double Bass
Brass section
Shane Endsley - Trumpet
Josh Roseman - Trombone