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映画 ニコール・キッドマン、ショーン・ペン「インタープリター(05)」

2006-01-04 11:36:14 | 映画
 美人揃いのハリウッドでも、完璧な美しさが際立つニコール・キッドマンが忘れられなくなる作品。
         
 ニューヨークの国連本部でアフリカの小国マトボ共和国の指導者ズワーニ暗殺の情報を偶然耳にした通訳者のシルヴィア・ブルーム(二コール・キッドマン)。
 米国で生まれアフリカとヨーロッパへ、ヨハネスバーグで音楽を学びソルボンヌ大その他で言語学を修得。母親は英国人、父親は南アフリカの白人。5年前に米国に戻りすんなり国連へ。結婚は?子供は?所属クラブは?支持する政党は?宗教は?いずれも不明、どういう女だ。と言うシークレット・サービスのトビン・ケラー(ショーン・ペン)の疑いの目を浴びながら追われる影に怯える。テンポよく展開しサスペンスを盛り上げ最後はスリリングなエンディングに突入する。
       
 なんといってもニコール・キッドマンの完璧な美しさだ。透き通るような白い肌、ブルーの瞳、ブロンドの髪、上品な口元からこぼれる真っ白な歯並びを見ていると思わず溜息が出る。そしてちゃんと役をこなしている。難があるとすれば身長が高いということか。180センチ以上あるのでは?

 ショーン・ペンも妻を失った直後の虚無的な表情を巧く表現していた。      それとペンの相棒ドット・ウッズ捜査官を演じたキャサリン・キーナーも存在感があってよかった。キャサリン・キーナーは「アダプテーション」ではセリフのない、ただ手をあげるのを遠くから撮るという程度の出演だった。どうしてこんな使い方をしたのか理解できない。同じ2005年作品の「カポーティ」ではLA批評家協会賞助演女優賞を受賞していて、この賞は「ザ・インタープリター」ほか2作品も対照にしているとのこと。ペンへのほのかな恋愛感情を巧く表現していたと思う。
            キャサリン・キーナー
 どうしても唐突な感じが拭えないシーンがある。ペンがキッドマンのアパートに送っていっての帰り際「妻は2週間前に亡くなった」と告白する。話の流れからはこのセリフが出てくるのが理解できない。
 未公開シーンにこんな場面がある。車の中でキッドマンとキーナーの会話。ハンドルを握るドットが「私の相棒の態度はどう?」
 「普通よ」とキッドマン。
 ドットが「彼は今つらいの 奥様を亡くしたのよ」
 「知ってる人?」とキッドマンが聞く。
 「ダンサーだった。バレリーナー。奥様が忘れられないのよ」とドット。
 「彼を愛しているの?」とキッドマン。
 少し間があって「たまにはね」とドットが言う。このシーンどうしてカットしたのだろう、うまくはめ込めばスムーズに話が進むのに…。

 私が観たシドニー・ポラック監督作品は「スイカズラの花のように(80)」「恋の行方(89)」「推定無罪(90)」「ザ・ファーム(93)」「チェンジング・レーン(02)」「コールドマウンテン(03)」など失望させられたものはない。「愛と哀しみの果て(85)」でアカデミー7部門受賞の実力派監督。この映画は私にとって勿論失望はしなかった。