
なんともややこしく複雑に入り組んだ映画なんだろうね。ほとんどの人が一度観ただけではよく分からないと言う。確かにその通りだ。
007のボンドのように派手なアクションやボンド・ガールの悩殺もない。1973年頃の英国情報部のサーカスという部署は、冷戦のさなか旧ソ連のKGBと張り合っていた。当然二重スパイも否定できない。
サーカスにソ連のもぐらが潜んでいる言われ、そのもぐらたたきをジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)が担う。画面もストーリー展開も徹底的に地味だ。季節が冬ということもあって暗い画面がいやに現実的に見える。本来のスパイというのは、こういう地味な動きをしているのかもしれない。古いくたびれたカバンの中の色あせた写真を見るように郷愁さえも漂う。
原作者のジョン・ル・カレもMI6(Military Intelligence Section 6)に所属したこともあって臨場感にも不足はない。


監督
トーマス・アルフレッドソン1965年4月スエーデン、ストックホルム生まれ。
キャスト
ゲイリー・オールドマン1958年3月イギリス・ロンドン ニュークロス生まれ。
コリン・ファース1960年9月イギリス、ハンプシャー州生まれ。
トム・ハーディ1977年7月イギリス生まれ。