小説家のアレックス(ルーク・ウィルソン)は、書き出しの数文字がどうしても気に入らない。小説は最初の数ページが勝負といわれるから尚更だ。頭の中ではあれこれとイメージが湧いてくるが、文章にするのに苦労する。
そこで思いついた。ドアがノックされた。訪ねてきたのは速記者の若いエマ(ケイト・ハドソン)。 汚いアパートに顔をしかめるが、アレックスの懇請にしぶしぶOKする。
小説は1920年代。ルーク・ウィルソンがアダムとして、ケイト・ハドソンが四役もこなす。
1920年代はお洒落な大人のファッションが隆盛を極めた時代で、 日本で言えば大正から昭和に入る頃になる。男は三つ揃いのスーツとハット、女性のファッションはシャネルの新しいデザインによって、スカート丈が短くなり、より活動的な服装になった。ボブヘアや、ウェーブの入ったショートヘア、メイクはアイシャドウを上下入れて、 極端に細い眉、唇は真っ赤。 へッドドレスと長いイヤリング、ブレスレット、ネックレスなど。 去年公開された「華麗なるギャツビー」を思い起こせばいい。
若くて勇気のある女性は、1920年代のファッションのみを扱うところもあるから試してみてもいいかもしれない。ただし、それを着てどこへ行くのか苦労するだろうが。
フランスの金持ちの家庭教師がアダム。そこの令嬢がポリーナ(ソフィー・マルソー)で、アンナ(ケイト・ハドソン)が絡み三角関係になる。結局、何も成就せずアダムは独りぼっちでおしまい。
小説はそれでいいとして、若い男女が一ヶ月近くも一日の大半を一緒に過ごしているとなるようにしてなるのは確か。そう、深か~~~い仲になった。
ところが現実の世界でもポリーナが現れてエマの逆鱗に触れる。「そんな軽い関係だと思っているのなら、もう終わりにする。付きまとわないで!」
ラブストーリは、最後はハッピーエンドが決まりだからロブ・ライナーはどうするのかな。真面目で真剣な愛の告白しかないが、我々の生きている世界ではそんな生易しいものではない。
こういう局面で恐ろしいのは女だ。一切聞く耳を持たないと思った方がいい。ケイト・ハドソンも悪くはないが、ソフィー・マルソーが後半現代風で出て来るが目のキレイな女優だった。ロブ・ライナーも出版社社長として出て来るが、横幅も広いかなりの大男だ。劇場公開2004年5月
監督
ロブ・ライナー1947年3月ニューヨーク、ブロンクス生まれ。’86「スタンド・バイ・ミー」’90「ミザリー」など。
キャスト
ケイト・ハドソン1979年4月ロサンジェルス生まれ。
ルーク・ウィルソン1971年9月テキサス州ダラス生まれ。
ソフィー・マルソー1966年11月フランス、パリ生まれ。