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人は恋に生き、恋に死すのかもしれないと思わせる「昼下がり、ローマの恋 ’11」

2014-01-11 16:00:39 | 映画

                 
 若者の恋、中年の恋、熟年の恋という三つのエピソードが描かれる。

 若者の恋は、弁護士のロベルト(リッカルド・スカマルチョ)がゴルフ場買収の棘のように頑張るトスカーナの農家へ交渉のために出張する。目的は追っ払うこと。

 そこで出会った女優のようなミコル(ラウラ・キャッティ)と恋に落ちる。お互い恋人や夫のある身。不倫の恋は成就しない。きっぱりと別れを告げ恋人のもとへ戻るロベルト。

 弁護士としての報酬のために働いてきたが、この恋はかつての純粋な心も取り戻した。恋人を助手席に乗せてフォルクスワーゲンを農家へ向けた。そのセリフが素晴らしい。

「上司に掛け合いました。5万ユーロ出すと言ってる。僕の意見は契約があろうと誰にも追い出す権利はない。だから居座ってください。あなた次第です。5万ユーロもらうか、ここでがんばるか。伝えましたよ」
           
 中年の恋は、テレビ・キャスター、ファビオ(カルロ・ヴェルドーネ)が精神に欠陥を抱える美女エリアナ(ドナテッラ・フィノッキアーロ)と浮気をしたために妻や娘が去り、テレビ局からも中央アフリカへ飛ばされ怪しげなテロ集団に捕まって命乞いをすると言う笑えないお話。

 映画はコメディだから笑っていいんだけど……なにやらやたらに女の尻を追うなという教訓めいたもにも思える。
           
 さて、これが本命なんだろうか。熟年の恋。ロバート・デ・ニーロが心臓の移植手術を受けた大学教授エイドリアンを演じ、「イタリアの宝石」と言われるトップ・モデル出身のモニカ・ベルッチがその恋人役ビオラを演じる。

 実力と人気を兼ね備えたデ・ニーロの相手役となれば、まあお色気も充分魅力的な彼女を持ってくるしかないだろうなあ。観る方としては、うらやましい気分になるのも確かだ。二人は実年齢の設定だから、デ・ニーロ70歳、モニカ45歳。口説き文句も脚本家の腕のみせどころだろう。

「この年で愛の告白は難しい。もうないと思っていたが、君に出会ってしまった。地の果てに行くのなら、僕も行く。自転車で行くなら、僕も自転車に乗る。僕の新しいハートは、君を愛すると決めたんだ。毎朝、この顔を最初に見ることになってもいい?」とデ・ニーロのエイドリアン。

 ビオラの両腕がエイドリアンの首筋に巻きつけて熱い口づけ。BGMはピアノ曲だから、いい眺めだよ。さらに驚いたことに、子供も生まれるとはねえ。70歳の男で可能なのかなあ。イタリア映画2012年2月劇場公開
      
監督
ジョヴァンニ・ヴェロネージ1962年イタリア、トスカーナ生まれ。

キャスト
若者の恋
リッカルド・スカマルチョ1979年11月イタリア生まれ。
ラウラ・キアッティ1982年7月イタリア生まれ。

中年の恋
カルロ・ヴェルドーネ1950年11月ローマ生まれ。
ドナテッラ・フィノッキアーロ1910年11月イタリア生まれ。

熟年の恋
ロバート・デ・ニーロ1943年8月ニューヨーク生まれ。
モニカ・ベルッチ1968年9月イタリア生まれ。ハリウッドにも進出している。