
アル・パチーノ72歳、クリストファー・ウォーケン69歳、アラン・アーキン78歳のかつての面影は消え失せ、やたらくたびれた風貌が目立つ。どちら様も同じように老けていく。最後の熾き火が燃え上がるように、若き血潮は沸点に達する。うらやましいような悲しいような。
これはギャング達の映画。ヴァル(アル・パチーノ)が刑務所から出てくる。迎えるのはドク(クリストファー・ウォーケン)。この場面、「ブルースブラザーズ」のオープニングを連想させる。
ハグしてヴァルが「気持ち悪いな」するとドクが「くっつきすぎた」このセリフには笑った。これ以外にも結構ニヤリとするセルフがある。
で、早速、娼館に繰る出すヴァル。不首尾のためバイアグラみたいなのを口いっぱいに頬張る。元に戻らないので病院へ。そこでもう一人の友人ハーシュ(アラン・アーキン)の大きくなった娘で看護師のニーナ(ジュリアナ・マルグリーズ)と出会う。そしてハーシュの居所を聞き、その老人ホームから引っ張り出す。
ハーシュはドライバー専門で街の与太者の車を盗みパトカーに追いかけられるが、ハーシュの腕は鈍ってはいなかった。パトカーを撒いてトランクに裸の女がいるのを発見。事情を聞いて与太者に殴りこみ。高齢者が大暴れ。
実はギャングの親玉からヴァル暗殺の命を受けているドクだったがどうしても出来ない。殺されると知っているヴァル。「いつまでだ?」とヴァル。「明日の10時だ」「じゃあ、あと9時間あるな」
この映画、意外に哀愁が漂いギャングの末路を暗示するかのような深みを見せてくれる。アル・パチーノとクリストファー・ウォーケンの演技力にも助けられ、並みのギャング映画と一線を画している。
ヴァルとドクが繰り出した今風の店でオールディズを注文、来店していた若い娘にダンスを申し込む。いい雰囲気のダンス。私の年代ではオールディズが心にしみる。
ヴァルとドクが黒服とサングラス、それに二丁拳銃でギャングの親玉に殴り込みをかける。そのまえにドクの孫娘アレックス(アディソン・ティムリン)に部屋と現金を残す電話をかける。この場面も死を覚悟した男の哀愁が漂っていた。
アル・パチーノとクリストファー・ウォーケンの共演映画で、女優はほんのチョイ役程度だった。ジュリアナ・マルグリースにしても「グッドワイフ」で主役を演じているとはいえ、アル・パチーノ、クリストファー・ウォーケン相手となると格が違うのだろう。
それとテレビ界と映画界の壁のようなものも感じる。ハリウッド映画にテレビ界から出ている人がいるがチョイ役が多い気がする。女優にしても男優にしても存在感のある俳優となれば映画界の方が多いと言える。この映画のラスト・シーンは必見だぞ。






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監督
フィッシャー・スティーヴンス1963年11月イリノイ州シカゴ生まれ。
キャスト
アル・パチーノ1940年4月ニューヨーク市サウス・ブロンクス生まれ。
クリフストファー・ウォーケン1943年3月ニューヨーク市クイーンズ生まれ。
アラン・アーキン1934年3月ニューヨーク市生まれ。
ジュリアナ・マルグリーズ1966年6月ニューヨーク州スプリングヴァレー生まれ。
アディソン・ティムリン1991年6月ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。
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