2000年から2015年まで一年に1シーズンのペースで作られたシリーズ。製作総指揮がヒットメーカーのプロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーとなると目が放せない。期待通りの作品で大いに楽しんでいる。
良いと思って観ていた「グッドワイフ」がちょっと食傷気味になり気分転換でこれを見始めた。きちんと筋道を立ててあるのが気に入っている。
例えば、第9話高度3万フィートの密室殺人。飛行中の旅客機の中で男が殺された。ラスベガス空港でギル・グリッソム(ウィリアム・ピーターセン)をチーフとする科学捜査班が事件解明にあたる。結果は乗客5人による集団暴行殺人と断定された。しかし、保安官は、陪審員裁判では5人の乗客に有利に働くと見て、連邦航空局に事件を任せ立件せず加害者達を釈放した。
チーフを除くメンバー四人には正義を貫いて立件すべきだという意見と5人の立場になれば殺すという意見、殺さないという意見。とにかく意見の一致は見られない。
というのも解明された事実は、殺された男が脳に障害のある病人であること。それを知らない乗客たちは、迷惑行為を繰り返す男が非常扉を開けようとしたので、自分達の命にかかわるとして結果的に集団暴行殺人となった。
これは立つ位置によって判断が分かれる事件だろう。5人の乗客は正当防衛ともいえるし過剰防衛ともいえるという具合。そこでチーフは次のように言う。
「被害者の具合を誰も聞かない。座席を蹴るから嫌な奴だと思った。何度も乗務員を呼び出し、トイレの前でわめき、通路をフラフラするから危険人物と決め付けた。うまく対応すれば危険はない。人は時に誤った判断をする。彼らは判断を誤り一人の男が死んだ」
「それを防ぐにはどうすれば?」の質問。
「1人でも彼の話を聞き冷静に確かめればよかった。病気だと気づけば死ななかった。殺すのは5人だが、救うのは1人でできた」人間の思い込みというのは判断を誤るという教訓がここにある。
起訴して陪審裁判になれば弁護士は言うだろう。
「もし、あなたが5人のうちの一人だったら、非常扉を開けようとした男を許しますか?」また「5人には殺意はなかったし、他の乗客のことも考えたんですよ」こういう情緒的な論法で検察を攻めれば陪審員の傾向は明らかだ。
検事としてはこんな案件はごめんこうむりたいと思うのも無理はない。有罪はかなりしんどい。これを観ていて、教育現場での格好の教材になるのではないかと思った。たまにはテレビ・ドラマでも見せてやればいいかも。私が教師ならそうするね。子供達に議論をさせる。いいことに思えるが。
製作総指揮
ジェリー・ブラッカイマー1945年9月ミシガン州デトロイト生まれ。
キャスト
ウィリアム・ピーターセン1953年2月イリノイ州生まれ。
マージ・ヘルゲンバーガー1958年11月ネブラスカ州フレモント生まれ。
ゲイリー・ドゥーダン1966年12月ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。
ジョージ・イーズ1967年3月テキサス州フォートワース生まれ。
ジョージャ・フォックス1968年7月ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。
ポール・ギルフォイル1949年4月マサチュウセッツ州ボストン生まれ。
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