声をかけられるまで記憶から抜け落ちていた高校時代の同級生ゴード(ジョエル・エドガートン)から、転居祝いに始まり何かにつけて理由もなく贈り物が玄関に置かれ始める。宅配便でなく本人が置いていく。
シカゴからカリフォルニアに転職で家を探しているサイモン(ジェイソン・ベイトマン)とロビン(レベッカ・ホール)夫妻は、不動産販売員の女性から「ミッドセンチュリーモダンの広々とした間取りです。採光が素晴らしくとても大きな暖炉があるの」の説明通り全面ガラス張りの部屋は、眼下に広がる眺めは言うことなし。
早速、街で家具の購入に出かけて代金を支払っているときにゴードが話しかけてきた。それからというものゴードは、ガラスクリーナーを届けるは、池の鯉も留守中に入れてあるという具合。サイモンの留守中にも訪れてくるから夫妻は気味が悪くなる。度が過ぎるというのはこういうこと。
そして徐々に分かり始めるのは、高校時代いじめっ子がサイモンで、いじめられたのがゴードという図式が表れる。ゴードが怖いと思っていたロビンだが、自分の夫サイモンの実態が明らかになるにつれ「あなたの家には帰りたくない」という始末。
さて、物語の行く末は……観てのお楽しみ。ゴード役を演じたジョエル・エドガートンが監督・脚本・制作を担当、製作費5百万ドル(約5億6千万円)が世界での興行収入を5千8百9十万ドル(約66億5千万円)の実績を上げる。アメリカでの初週の統計では、観客の大半が25歳以上、女性が58%を占めたという。その評価は、平均7,5点、支持率は93%だった。
そしてジョエル・エドガートンは、スペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞している。さらに撮影期間が25日間という早撮り。主にカリフォルニア州ロサンゼルス郡の映画スタジオが林立し、アダルト・スタジオも多くポルノ産業の聖地としても知られるサンフェルナンド・ヴァレーで撮られた。
余談ともいえるお話をすると、ロビンがゴミ捨てに出て隣の奥さんに出会う。その奥さんが「私に家にも来てください。お茶しましょう」という。このお茶しましょうの翻訳が、実は「a Glass of Wine」と聞こえた。
そういえばアメリカのミステリー小説を読んだとき、女性二人が午後白ワインを飲む場面があった。アルコールに強いアメリカ人は、紅茶やコーヒーでなくワインが挨拶代わりの飲み物という訳か。この映画、結構面白かった。
監督
ジョエル・エドガートン1974年6月オーストラリア、メルボルン生まれ。
キャスト
ジェイソン・ベイトマン1969年1月ニューヨーク州生まれ。
レベッカ・ホール1982年5月イギリス、ロンドン生まれ。
ジョエル・エドガートン
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