「アルトン・マイヤー8歳、白人、青い目、茶色の髪、身長142センチ。ロイ・トムリンという男が誘拐犯」テキサス州セントラル地区で起きた事件をテレビは報じている。
それを眺めながらライフルや拳銃で武装したロイ・トムリン(マイケル・シャノン)と元州警察官のルーカス(ジョエル・エドガートン)それにアルトン・マイヤー(ジェイデン・リーバハー)が何食わぬ顔で夜明けのモーテルを出る。観る者はアルトン・マイヤーが誘拐されたという気配がないのに戸惑う。
車で走り去るトムリンたちを眼で追っていたモーテルの女性が、やおら電話機を持ち上げる。一方新興宗教の教祖(サム・シェパード)の説教中、大挙してFBIが乗り込んでくる。FBIから経典の数字の意味を問われ、アルトン・マイヤーの特殊能力の言葉だと答える。FBIは、極秘情報が含まれていると言う。従って、教団もFBIもアルトン・マイヤーを追うことになる。
事件の経過と共にある目的地に急ぐトムリンたちの実態が分かり始める。アルトンの特殊能力やトムリンの妻サラ(キルステン・ダンスト)が見せる養子アルトンへの愛情。しかし、ある時限までにアルトンを届けないと命に係わる。それはアルトンとの永遠の別れを意味する。
この地球外生命体を題材にするとき、いつも思うのは人類の想像力と創造力の乏しさだ。この映画も同様、ピカピカと光りながら姿を現すがこれが巨大な前衛オブジェを思わせる建築物。球形の建造物のほうがまだましか。よく見ると植栽まである。しかも生き物の姿はない。アルトンは人間の形をした謎の物体か。
人間は現実から未来を見つめるから、宇宙の情報が乏しいこともあって不可思議な描き方になるのも致し方ないかも。一番印象に残ったのは、アルトンを演じたジェイデン・リーバハーが実に可愛い男の子。劇中キルステン・ダンストが「ずっと見ていたい」と言ったが、意味が違うかもしれないがそんな気にさせる。前半はなかなか面白かった。
監督
ジェフ・ニコルズ1978年12月アーカンサス州リトルロック生まれ。
キャスト
マイケル・シャノン1974年8月ケンタッキー州キシントン生まれ。
ジョエル・エドガートン1974年6月オーストラリア、メルボルン生まれ。
キルステン・ダンスト1982年4月ニュージャージー州ポイントプレザント生まれ。
ジェイデン・リーバハー ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。
サム・シェパード1943年11月イリノイ州フォートシェリダン生まれ。
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