アラン・ドロン主演の1960年「太陽がいっぱい」というミステリーはよかった。これに味を占めたのか同じアラン・ドロン主演で評判のよくなかった「太陽が知っている」をリメイクがこの映画。
なんで不評の映画のリメイクをするのかよく分からない。この映画は、観光映画と思えばいいかもしれない。それにセックス描写の露骨さでポルノ映画とも言えるかも。
全国的人気のロック歌手で声帯を手術して声が出ないマリアン(ティルダ・スウィントン)と年下の写真家ポール(マティアス・スーナールツ)は、シチリア州トラーバニ県バンテッレリーア島でバカンスを楽しんでいた。
そこへ「サプライズがある」という電話と共に飛行機から降りてきたのが敏腕音楽プロデューサー、ハリー(レイフ・ファインズ)とその娘ベン(ダコタ・ジョンソン)。サプライズと言うのがこのベンのこと。とにかくこのハリーという男、騒々しくて落ち着きがない。
ポールは、あまり歓迎していない様子。というのもマリアンの現役時代の恋人がハリーだったからだ。「一体何の用事があるんだ」というのがポールの率直な気持ち。で、ハリーの真意は、マリアンとよりを戻すことだった。
人間の色恋には限度がないというか、ハリーとマリアンが町へ買い物に行っている間、ポールとベンはハイキングに出かける。遅く帰ってきた二人を見たハリーの嗅覚は鋭く「やったのか?」とポールに詰問。こんな話で退屈し始める頃、やっと事件が起こるという具合。
観光映画として見る場合、地中海にあるこの島で天然泥パックが自由に無料で出来る湖。夕食だけ提供、6月から9月までの季節営業の自然の地形を生かしたまさにワイルドなレストラン。ワイルドと言えば借りている家の屋外テーブルで食事中ヤモリが落ちてきたり、無害な蛇がぞろぞろと散歩したりが当たり前。
それに軽自動車のようなエンジン音の幌つきオープンカー。食べものと言えば新鮮な海産物。大きな魚を塩で固めて蒸し焼きにしたものがあり、イワシやエビも豊富。そして地元特産のチーズ。
さらに初夏の頃吹くシロッコは、砂交じりの強風。そういう風景にマリアンが着るシックな装い。男どもはジーンズによれよれのシャツでなんとも冴えない。
そしてポルノ映画としては、観てもらうしかない。惜しげもなく裸体を見せてくれる二人の女優に触れておこう。
マリアン役のティルダ・スウィントンは、父方の祖先はスコットランドの名家で母親はオーストラリア人。1983年にケンブリッジ大学を卒業(専攻は政治学と社会学)。細身であるがスラリとして着映えがするなあと思っていたら身長180センチもあるそうな。2007年「フィクサー」でアカデミー助演女優賞受賞。
ベン役のダコタ・ジョンソンは、ドン・ジョンソンとメラニー・グリフィスの娘。モデルから出発、まだ27歳これからといえる。
父親のドン・ジョンソンは、1984年からのテレビシリーズ「特捜刑事マイアミバイス」でTシャツにサングラスというワイルドなセクシーさで全米No1のスターの座を獲得。プレイボーイでもある。
母親のメラニー・グリフィスは、1988年「ワーキング・ガール」でアカデミー主演女優賞にノミネート。コカインと飲酒の問題を抱え1988年リハビリ施設に入所。2009年にも処方箋薬中毒の治療のためリハビリ施設に入所と言うちょっと不幸な時間を費やしている。この二人はすでに離婚している。
監督
ルカ・グァダニーノ1971年イタリア、シシリー、パレルモ生まれ。
キャスト
レイフ・ファインズ1962年12月イギリス、サフォーク生まれ。
ダコタ・ジョンソン1989年10月テキサス州オースティン生まれ。
マティアス・スーナールツ1977年12月ベルギー生まれ。
ティルダ・スウィントン1960年11月イギリス、ロンドン生まれ
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