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家も車もついでに妻も失ったが「王様のためのホログラム」2016年制作 劇場公開2017年2月

2017-08-18 18:28:48 | 映画

                  
 ホログラム? なにそれ? ネットで調べた。「ホログラフィーによる干渉縞を記録したもの」とある。これだけではサッパリ分からない。「クレジット・カードや商品券などの偽造防止のために印刷されるほか、近年はイメージセンサーでデジタル画像として記録し、コンピューターでもとの画像を得ることが多い」これでもまだふーんと頭の中で呟く。

 映画の中では実際の説明者が立っている横にコンピューターの画像で別の人間を立たせていた。ようするに3Dホログラムとしてテレビ会議などに有用なのだろう。この技術をサウジアラビアの王様に売りつける仕事を与えられたのがアラン・クレイ(トム・ハンクス)。

 実はアランは大手の自転車メーカーの取締役だった。業績悪化の責任をとらされ、負債の一部にあてるため家や車を処分、ついでに妻にも逃げられた。一人娘の学費のため一介のセールスマンに戻り再起を図ろうとした。

 先着の仲間三人は砂漠の中にある黒い大きなテントで準備中。しかし、空調やWi-Fiが不調で床にねっ転がっているだけ。面会の相手ともなかなか掴まらないし、Wi-Fiも一向に繋がらない。業を煮やしたアランは、強行手段に出る。

 建物の中を歩き回りようやく話の通じる男を見つける。その男に苦情を言い事態は改善に向かった。その男との話の中に中国について、自転車を組みたてるのではなく、レッテルを張り替えるだけのごまかし仕事をやってるようだというアラン。中国への海賊版批判なのだろう。

 そんな折、アランの背中にコブのようなふくらみが見つかる。女医ザーラ・ハキム(サリタ・チョウドリー)は、脂肪腫だと言い切開手術をする。ストレスから起こるという。 が、ネットで調べると今のところ原因は不明らしい。映画は都合よく二人が出会うための方便でしかない。

 アランとガーラは、海中遊泳のあと親密なラブシーンを演じる。すべてを失った男が、再起のよりどころを得たという感じかな。それにしても、もうトム・ハンクスもラブシーンは避けたほうがいい。やっぱりラブシーンは若者に限る。ラブシーンが美しくなるのは若い世代と心得た方がいい。

 しかも、3Dホログラムのテレビ会議システムを半値で中国にさらわれた。ここでも中国が顔を出す。ちゃんとシステム設計が出来るのか。高速鉄道みたいに中途半端になりはしないか。この映画は中国批判みたいに見える。

 ビッグ・ネームのトム・ハンクスを起用しても失敗作に終わったようだ。製作費3500万ドル。興行収入420万ドル。大きな赤字。
   
監督
トム・ティクヴァ1965年5月ドイツ生まれ。

キャスト
トム・ハンクス1956年7月カリフォルニア州コンコード生まれ。1993年「フィラデルフィア」、1994年「フォレスト・ガンフ/一期一会」でアカデミー主演男優賞受賞。他に三作品でアカデミー主演男優賞にノミネート。

アレクサンダー・ブラック1983年9月ニューヨーク生まれ。アランを乗せて回るタクシーの運転手を演じた。

サリタ・チョウドリー1966年8月イギリス、ロンドン生まれ。テレビ映画「ホームランド」で見た女優。

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