日本では2010年10月から11月にかけてNHKBSで放送された。弁護士が主役の法廷劇。
冒頭からいきなりイリノイ州検事ピーター・フロリック(クリス・ノース)がセックス・スキャンダルで辞任記者会見から始まる。その妻アリシア・フロリック(ジュリアナ・マルグリーズ)が同席する。
この場面は違和感を覚える。不名誉な理由での辞職の席まで妻の同伴が必要なのか。会見場に出て行く後姿には、お互いに手をつないでいる。どんなときにも夫婦は支えあっているという印象をアピールしたいのかな。
これで連想するのは、クリントン元大統領のセックス・スキャンダルだ。あのときのヒラリーも支えていると印象を与えていたっけ。将来を見据えると取り乱してヒステリックになるのはマイナスと心得ているのかも。そしてヒラリーは、現在次期大統領に一番近い位置にいるようだ。
アリシアも世間の重圧に耐え、十代の二人の子供を抱えながら弁護士資格を生かして法律事務所で働き始める。ゴミ案件から重要な案件まで鋭い冴えで突破していく。家庭と仕事の両立という難題に挑戦するママという按配。
それに主役のアリシアを演じるジュリアナ・マルグリーズがいい雰囲気。時折年齢を感じさせる表情もあるが、第23話では、ハッとする美しさを見せてくれる。
このジュリアナ・マルグリーズは、1994年からの「ER救急救命室」の婦長キャロル・ハサウェイ役をこなし、この主役となった。ちなみに「ER救急救命室」は、ジョージ・クルーニーの飛躍となった作品でもある。
グッドワイフのシーズン1は、第1話「夫の裏切り」から第23話「決断のとき」までの構成となっている。
製作は、リドリー・スコット1979年「エイリアン」でヒットを飛ばし、1991年の「テルマ&ルイーズ」で強い印象を残した。2012年8月に他界した弟のトニー・スコットも加わっていて、1986年の「トップ・ガン」でトム・クルーズを世に送り出した。
この実力派のプロデューサーに脚本陣が支え毎話見応えがある。NHKの連続テレビ小説に人気があるのが分かった気がする。というのも、このグッドワイフも毎日観ていると、感情移入するのかアリシアを見ないと落ち着かない気分になる。それがテレビやDVDに向かわせるのだろう。
一定の品位も保ってあるから顔をしかめることもない。お勧めのドラマといえる。日本では、シーズン4までDVD化されているが、アメリカではシーズン6まで放映済み。
製作
リドリー・スコット1937年11月イギリス、サウスシールズ生まれ。トニー・スコットイギリス/イングランド ストックトン生まれ、2012年8月没。
キャスト
ジュリアナ・マルグリーズ1966年6月ニューヨーク州スプリングヴァレー生まれ。2009年、2010年度のゴールデングローブ賞テレビドラマ部門主演女優賞受賞。他にジョシュ・チャールズ、クリスティン・バランスキー、アーチー・バンジャビ、マット・ズークリー、クリス・ノース。
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