アメリカン・クライム・ストーリー ・シリーズのシーズン1「O.J.シンプソン事件The People v. O.j.Simpson:American Crime Story」は、1994年6月に実際に起こった事件である。
25年前だから、私はまだ記憶が鮮明だ。白いブロンコ(アメリカ、フォード社のSUV)がロサンゼルスのフリーウエイを逃げ回る姿をヘリコプターから撮っていたのが印象に残る。
アメリカン・プロフットボールの殿堂入りまで果たしたO.J.シンプソンが起こした殺人事件。全世界が注目したこの裁判も、ドリーム・チームと言われる腕利きの弁護士たちによって無罪となる。
白人の元妻ニコール・ブラウンとその友人ロナルド・ゴールドマンを殺害した証拠は確実にシンプソンを指していたが、人種差別問題にすり替えたドリームチームの戦術が功を奏した。金さえ積めば殺人も無罪になるのかという嘆き節も聞かれたが、アメリカの陪審員制度の刑事裁判の結果は動かしようがない。
このドラマは、主任検察官を務めたマーシャ・クラークを主人公として描かれる。そのマーシャ・クラークを演じたのはサラ・ポールソン。サラ・ポールソンは、このドラマで見る限り目を見張る美人ではないが、いわゆるキャリアウーマン然とした清潔感と強い意志を表す目と口元に魅力をたたえていた。私にとっても目が離せない存在になった。
強さの反面、一瞬弱さが表れる。公判のストレスとメディアのマーシャの髪型まで揶揄する非情さに哀しみの表情をみせるときがある。そんなとき、検事に昇格させた黒人のクリス・ダーデン検事(スターリング・K・ブラウン)の思いやりに心が動くこともある。
マーシャには元夫が二人いる。直近の夫とは子供の親権を争って係争中、その前の夫が、二人が一緒のころに撮った裸の写真をタプロイド紙に売ったのが掲載され神経がボロボロになる。そんな姿は気の毒に思えてくる。反面、腕利きの黒人のジョニー・コクラン弁護士(コートニー・B・ヴァンス)の容赦なく相手を叩きのめすのに腹を立てることになる。
サラ・ポールソンは、これらの演技でプライムタイム・エミー賞、ゴールデングローブ賞、批評家選出テレビ賞で主演女優賞を受賞している。授賞式には、マーシャ・クラーク本人が駆けつけている。
ちなみに、殺されたニコール・ブラウンは、ドイツ系アメリカ人でモデル、1985年から1992年にシンプソンと結婚生活を送り 2人の子供をもうけた。ニコールの友人ロナルド・ゴールドマンは、レストランのウェイター。友人??? どうかな! ニコールの恋人だったかも。それは闇の中。
マーシャ・クラーク本人について、元検察官、自伝の著者、テレビ特派員、テレビプロデューサーと紹介されていて、17歳のときイスラエル旅行時にレイプされたことが検察官職に向かわせたと言われる。
キャスト
サラ・ポールソン1974年12月フロリダ州タンパ生まれ。
スターリング・K・ブラウン1976年4月ミズリー州セントルイス生まれ。
ジョン・トラヴォルタ1954年2月ニュージャージー州イングルウッド生まれ。
コートニー・B・ブラウン1960年2月ミシガン州デトロイト生まれ。
キューバ・グッディングJr1968年1月ニューヨーク市ブロンクス生まれ。
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