猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

井浦 秀夫 「弁護士のくず(九頭)」 

2007年10月01日 14時11分53秒 | マンガ家名 あ行
 ビックコミック・オリジナル 連載中 単行本は小学館 ビックコミックス 第6集まで刊行済み。

 監修に弁護士をつけているので、弁護士事務所のリアルな面がしっかり見られ、人気があるのも分かります。TVドラマにもなりましたね。案の常、トヨエツじゃあ崩してもかっこいい くずさん でしたけど。原作はどう見ても たけし なんですけど・・・・。

 リアルな、と言うのは、法廷ドラマや探偵物のようなカッコイイ弁護士の華やかな活躍でなくて、地味な財産相続問題とか、泥沼な離婚相談とかのエピソードが主なもの、という意味です。この方のまんがはこれで初めて読みましたし、あまり好きな絵柄ではないのですが、説得力があって オリジナル を読む機会があると毎回ちゃんと読んでしまいます。

 2007年10月5日の号では、元教師のだんなと離婚したがっている教え子の子持ちの女性のお話。ケース55 「誰も知らない」

 はじめはこの女性、相談に来てもイライラしているばかりで話の要領を得ないし、ただ 「あいつといるとアタマがおかしくなる~っ」 と騒いでいる。事務所の新米弁護士の真美ちゃんがそれでもなんとか聞き出すと、だんなさんは返事をしない人らしい。ただ、他に浮気しているとか借金があるとかの、婚姻生活を継続できない重大な理由は見当たらない。

 じっと観察していたくずさん、夫に会ってみたいなと。4人で話し合いしてる場面がこれまた読むのが嫌になるくらい、女性はイライラ、だんなさんは塾講師らしく論点がコロコロ変わっていくが、一見言ってることはつじつまが合っているように聞こえる。場所が変わって、喫茶店で真美ちゃん、くずさん、依頼主の女性で話していくと、やっとなんとなくだんなさんの変なところが分かってくる。

 「いくらゆずったって解決なんて絶対しないんですっ。話し合いなんか出来ないんだって。」
 「あの人は、わたしがいくらがんばったって、そこは見ないでわざわざダメなところを探してお前はダメだって言う・・・」
 「どこの夫婦でもあることなんかじゃないっ! あの人はおかしいのよ!」


 ここまで読んだ方、いるいるこんなひと、うちの会社にもいるわ~と思ってないですか こちらの手が届かないところから、棒でつつき回されてる感じで頭来るのよね~あの人、みたいな御仁。
 
 私にも3名思い当たります。ひとりは会社の使えない36歳男性営業マン。
 この男は結婚して(できて)多少ましになりましたが、以前は会社の女性全員から相手にされず、協力会社の人からは皆 蛇笏(だこつ)のように嫌われており、周りの人全員怒らせてました。
 アタマが悪いと言うんじゃなくて、なまじちょっと口が立つので、自分に都合の悪いことがあると、すぐに違うことを持ち出して相手を言い負かすのです。そして謝らない。相手は言い返したいのにチャンスを摘まれてイライラし、女性なら怒鳴られて (弱い相手には居丈高) 嫌な思いだけ残ると言う最悪な結果に。どのみち、相手を怒らせるのってアタマいいとは思えませんが。

 女性の方のひとりは古い友人と言うか、今じゃ単なる知り合いですが、同じ年の女性。怒らせるとはちょっと違い、だんだん相手にされなくなってしまうようです。同窓会のようなところで、自分の結婚の話になると、
 「いいんです、○○さんが2回してるし、△△さんが4人も子供生んでるから、わたしはしなくても」
 おいおい、人の人生で自分の人生生きるなよ。それとこれとは違うでしょ ? うまく話題をすり替えたつもりだろうが、言われた人は釈然としない。他にもわざと人の嫌がることを言うので、話し掛ける人もいなくなってしまう。寂しい可愛そうな人だな。自分に自信が無いのはお互い様よ、他人を攻撃することで自分を守ろう、上に見せようとしないで、自分を受け入れる覚悟だけ持っていてね。

 そして・・・最後はうちの叔母。
 人に何か指摘されるとブンッとふくれてすぐに違うことを持ち出して言い負かそうとする。茶碗やはしを乱暴に放り投げる。事実を言われると人って頭来るけど、分かりやすい~ぷぷ。
 はじめは年寄りのひがみかと思っていたけど、だんないわく「性格だからしょうがないよ」とさすがに長い付き合いです。叔母は高齢で、一緒に暮らすのは何年もないのだからと相手にしないことにしました。そうでないと毎日のことだから身が持たん。

 まんがの方は、くずさんの機転が効いてめでたく離婚成立、始めは女性の方が分けわかんない、と思っていたのに実は依頼主の女性の方がしっかりしていて、新しい人生を子供と一緒に歩き出すだろうというお話でした。
コメント (9)
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