猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

手塚 治虫 「罪と罰」 COM 1968年 1月号 付録

2007年12月25日 11時28分31秒 | まんがエリートのための雑誌 COM
   C0Mの1968年1月 新年特別号 (発行は1967年12月) 別冊付録
 1953年の作品 (私が生まれた年だわ~) だが、初出がどこに掲載されたかは分かりませんでした。
 今、買うとしたら 講談社の手塚治虫全集 か 角川文庫の1995年発行の 罪と罰 か。しかし、手塚氏は再発行や文庫化に当たって毎回書き直しをしたことで有名なので、私の持っているものとは絵柄や内容に違いがあるかも知れません。

 デスノートを「21世紀版『罪と罰』」と言った方がいたが。(斎藤宣彦氏)
 じゃあドフトエフスキー原作の 「罪と罰」 を読んでみようと思わないで、手塚 治虫氏が名作に挑んだこれを引っ張り出した。
 引っ張り出したもの (写真) はCOMの付録についていたもの。黄ばんでいて凄いが、ちゃんと読めます。

 サワリだけでも・・・

 帝政ロシアのペテルブルグに住む貧乏学生のラスコルニコフは、ごうつくばりで有名だった金貸しのおばあさんを殺してしまう。しかしたまたま現場に居た他の者が犯人と間違えられてつかまってしまう。
 ラスコルニコフは始め落ち着かなかったが、開き直って金を隠し知らん振りを決め込む。

 ラスコルニコフは論文で、人は天才と普通の人に分けられる、天才は何をしてもいいのだ、天才は古い世界から新しい世界を創り出せる、という考えを発表していた。判事のポルフィーリイはそんなラスコルニコフに疑いを持ち、何度か話をしにやってくる。

 妹のドーニャやその婚約者で鼻持ちなら無い金持ちのルージン、役人の娘で心ならずも売春婦をしているソーニャ、人民開放戦線のスビドリガイロフなどが登場して、革命前夜のロシアを舞台に人間の良心を問う名作…なんです。

 因果応報的な内容が 「デスノート」 を21世紀の 「罪と罰」 と言わしめているのでしょう。手塚先生は当時お得意のモブシーン (群集シーン) や軽いギャグなどちりばめていますが、あまりいじくらずに原作に忠実に漫画化しているように見えます。当時は他の文学名作も漫画化しているようですね。

 手塚先生の絵柄は戦後初の長編マンガとなった昭和22年発表の 「新宝島」 程ではないが、昭和23年発表の 「ロストワールド」 昭和24年の 「メトロポリス」 昭和26年の 「来るべき世界」 の手塚初期SF三部作などと同じ丸っこいものです。  ↓


                   



                            

 最初の写真の付録がついていたのは1968年1月号ですが、その当時COMに連載していた 「火の鳥」 ではもう手塚先生の絵は完成されていて、晩年の絵柄とほとんど同じです。15年の間に自分の絵を完成されているのですね。  ↓ 短いのか、長いのか、私にはわからない。


                   


 色々なマンガを見境無く読んでいると、嫌でも手塚先生、萩尾氏、山岸氏などの大家と呼ばれる方々の凄さが当たり前だけど、分かってきます。私などはただ、ただ、楽しく読むばかり・・・。
コメント (13)
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