「時空を越えて愛し合う男女のお話」 は、映画とかマンガでもい~っぱいあるので、少し予告より変えました。「百鬼夜行抄」 の中では、そんな もののけ だらけだし。未来や過去から、逢いに来る少女のお話、みっつ。
最初はやはり、石ノ森先生の登場から。
石ノ森 章太郎 「昨日はもう来ない だが明日もまた」
初出 少女クラブ 1961年 お正月臨時増刊号
水野 英子 「セシリア」
初出 マーガレット 1964年6月号~12月号
萩尾 望都 「マリーン」
初出 別冊セブンティーン1977年5月 53p
原作つきで、「今里 孝子」原作
もっとあるかも知れないですけど、古そうなのはこの3つかな。共通点は、未来や過去から少女が少年に会いに来るお話。現実世界では少ししか逢えないという事は、結末は皆悲劇的。
昨日はもう来ない だが明日もまた
マンガ家を目指す 水島 健二 は、今日も原稿を断られ、すきっ腹を抱えて歩いている。フランス大使館の裏庭に差し掛かると可愛い外人の少女が歩いている。(あの子なんか 悲しい事なんてこれっぽっちもないんだろうなぁ) 2度目に会った時、お腹が空いている事を知られ、中に走っていってしまった少女がすぐに帰ってきたと思ったら、先ほどよりも成長している ! しかも、貰った丸い薬のようなものは食べたとたんにお腹がいっぱいになってびっくり。
会うたびに少しづつ大きくなる少女。時には同じ時間に2度現れて、「間違えちゃった」 と舌を出す。(ここ好き)
彼女は未来からタイムマシンに乗って 健二 に逢いにやってきたミミという女性だった。もうすっかり大人のミミが有る日、急ぎの用でやってくる。世界は核戦争に向かっているというのだ。引き止める 健二、最後に両親に会いに帰るというミミ。最後は核戦争のイメージが重なって、ミミが帰ってこられないことを暗示してラスト。 健二 の涙。
これ、後の 章太郎のファンタジーワールド「ジュン」 にも重なって、コマ割りなど、お洒落な一遍です。少女が自在に大きくなったりするのも似ている。
セシリア
9月27日の記事にも書きましたが、↓
水野 英子 「すてきなコーラ」「銀のはなびら」「星のファンタジー」
水野先生の短編の中では一番好きな作品。
売れない画家 (又) の ロバート・イーガン が町で可愛い少女に出会う。逢うたびに大きく大人っぽくなっていくセシリア。 ロバート はセシリアを描きたいと思うが、やっと描きはじめられた時は、母親が死んで悲しみにくれるセシリアに逢った時だった。出来上がった絵を見た画商は、素晴らしい仕事をしたと褒め、大金を弾んで彼に渡す。
しかし、セシリアは寄宿学校へ行く為、(叔母さんと暮らす為だったか) 外国へ旅立つ。今度会えた時こそ一緒になろうと約束して。ヨットを買い、フランス航路の客船を待つ日々。やっと逢えたセシリアは、船の甲板から落ち、ロバート の手からも離れて波の間に消えていくのであった・・・。
わたしって・・・要約がうまく無いような。
少女マンガとして最高に可愛い絵柄、登場人物の感情を表す心象風景、ちりばめられたエピソードの数々、どれをとっても完成された TEH 少女マンガ だと思います。
マリーン
気を取り直して最後のお話のあらすじを。
エイブは、資産家の家に母親と二人で住み込みで仕事をしながら暮らしていた。母親の薬を買うのもおぼつかない日々、マリーンと名乗る少女に出会う。(幼いエイブには大人っぽく映るが)
イヤリングの片方を貰い、宝物にするエイブ。ひょんなことからテニスの才能を認められ、資産家の援助で学校へも通えるようになるが、資産家の娘からいじめに遭い、(実は彼女は彼が好きだったというヤツ) 早くひとり立ちしたいと思うエイブ。
わがままお嬢さんのせいで資産家の家にいられなくなったエイブは、テニスのコーチと一緒にプロを目指す。マリーンの為にも早く一人前になりたい一心から、どんどん上手くなり、プロテニスプレーヤーとなるエイブ。いつの間にか、時々会うマリーンより背も年も上になっているようだ。しかしエイブの評判は、金の為にテニスを堕落させたと、すこぶるよろしくない。
そんな時、わがままお嬢さんがエイブとマリーンが逢っているのを見たことから、マリーンは貴族のお嬢さんで、もうすぐ結婚するのだと教えられる。もう、現実の世界に近づいているんですね。
マリーンの結婚式に有名人として招待されたコーチとエイブは、アマでテニスチャンピオンのマリーンの婚約者と対戦する事になってしまう。
こてんぱんに婚約者をやっつけたエイブは、現実の世界で始めてマリーン (本当の名前はビクトリア) を見るが、二人ともどうする事もできない。
その夜、ビクトリアは夜の海に自分から飛び込んで死んでしまった。初めてエイブを見て、恋を知った彼女は、その晩他の男のものになるのを拒んだのだ。
そして、エイブの全てを知ろうと、夢のように過去に現れてエイブを見守っていたのだった・・・。
長くなりました。原作付きなだけあって、お話が前2作より複雑なんですよ。絵柄を出さない代わりにあらすじ全部話しちゃいましたが、マンガは絵が半分以上ですからね。たまにはいいかなと。
3人のヒロインとも、未来や過去からやって来て男の子に会うのですが、何でやってきたのかな。ビクトリアは初恋の人に逢いに来るので判るけど、ミミやセシリアは何で来たの ? ミミは単なるタイムマシンでお散歩か ? セシリアも ビクトリアのように、死ぬ直前に会ったロバートが忘れられないのか ? それにしてはロバートの名前も過去も知っていたようだし ??? まっそんな事はどうでもいいです。
又、その後の 「未来や過去から少女が何度も現れて、恋をするが結ばれない」 お話があったら教えて下さい。いっぱいあるような気もしますが。
最初はやはり、石ノ森先生の登場から。
石ノ森 章太郎 「昨日はもう来ない だが明日もまた」
初出 少女クラブ 1961年 お正月臨時増刊号
水野 英子 「セシリア」
初出 マーガレット 1964年6月号~12月号
萩尾 望都 「マリーン」
初出 別冊セブンティーン1977年5月 53p
原作つきで、「今里 孝子」原作
もっとあるかも知れないですけど、古そうなのはこの3つかな。共通点は、未来や過去から少女が少年に会いに来るお話。現実世界では少ししか逢えないという事は、結末は皆悲劇的。
昨日はもう来ない だが明日もまた
マンガ家を目指す 水島 健二 は、今日も原稿を断られ、すきっ腹を抱えて歩いている。フランス大使館の裏庭に差し掛かると可愛い外人の少女が歩いている。(あの子なんか 悲しい事なんてこれっぽっちもないんだろうなぁ) 2度目に会った時、お腹が空いている事を知られ、中に走っていってしまった少女がすぐに帰ってきたと思ったら、先ほどよりも成長している ! しかも、貰った丸い薬のようなものは食べたとたんにお腹がいっぱいになってびっくり。
会うたびに少しづつ大きくなる少女。時には同じ時間に2度現れて、「間違えちゃった」 と舌を出す。(ここ好き)
彼女は未来からタイムマシンに乗って 健二 に逢いにやってきたミミという女性だった。もうすっかり大人のミミが有る日、急ぎの用でやってくる。世界は核戦争に向かっているというのだ。引き止める 健二、最後に両親に会いに帰るというミミ。最後は核戦争のイメージが重なって、ミミが帰ってこられないことを暗示してラスト。 健二 の涙。
これ、後の 章太郎のファンタジーワールド「ジュン」 にも重なって、コマ割りなど、お洒落な一遍です。少女が自在に大きくなったりするのも似ている。
セシリア
9月27日の記事にも書きましたが、↓
水野 英子 「すてきなコーラ」「銀のはなびら」「星のファンタジー」
水野先生の短編の中では一番好きな作品。
売れない画家 (又) の ロバート・イーガン が町で可愛い少女に出会う。逢うたびに大きく大人っぽくなっていくセシリア。 ロバート はセシリアを描きたいと思うが、やっと描きはじめられた時は、母親が死んで悲しみにくれるセシリアに逢った時だった。出来上がった絵を見た画商は、素晴らしい仕事をしたと褒め、大金を弾んで彼に渡す。
しかし、セシリアは寄宿学校へ行く為、(叔母さんと暮らす為だったか) 外国へ旅立つ。今度会えた時こそ一緒になろうと約束して。ヨットを買い、フランス航路の客船を待つ日々。やっと逢えたセシリアは、船の甲板から落ち、ロバート の手からも離れて波の間に消えていくのであった・・・。
わたしって・・・要約がうまく無いような。
少女マンガとして最高に可愛い絵柄、登場人物の感情を表す心象風景、ちりばめられたエピソードの数々、どれをとっても完成された TEH 少女マンガ だと思います。
マリーン
気を取り直して最後のお話のあらすじを。
エイブは、資産家の家に母親と二人で住み込みで仕事をしながら暮らしていた。母親の薬を買うのもおぼつかない日々、マリーンと名乗る少女に出会う。(幼いエイブには大人っぽく映るが)
イヤリングの片方を貰い、宝物にするエイブ。ひょんなことからテニスの才能を認められ、資産家の援助で学校へも通えるようになるが、資産家の娘からいじめに遭い、(実は彼女は彼が好きだったというヤツ) 早くひとり立ちしたいと思うエイブ。
わがままお嬢さんのせいで資産家の家にいられなくなったエイブは、テニスのコーチと一緒にプロを目指す。マリーンの為にも早く一人前になりたい一心から、どんどん上手くなり、プロテニスプレーヤーとなるエイブ。いつの間にか、時々会うマリーンより背も年も上になっているようだ。しかしエイブの評判は、金の為にテニスを堕落させたと、すこぶるよろしくない。
そんな時、わがままお嬢さんがエイブとマリーンが逢っているのを見たことから、マリーンは貴族のお嬢さんで、もうすぐ結婚するのだと教えられる。もう、現実の世界に近づいているんですね。
マリーンの結婚式に有名人として招待されたコーチとエイブは、アマでテニスチャンピオンのマリーンの婚約者と対戦する事になってしまう。
こてんぱんに婚約者をやっつけたエイブは、現実の世界で始めてマリーン (本当の名前はビクトリア) を見るが、二人ともどうする事もできない。
その夜、ビクトリアは夜の海に自分から飛び込んで死んでしまった。初めてエイブを見て、恋を知った彼女は、その晩他の男のものになるのを拒んだのだ。
そして、エイブの全てを知ろうと、夢のように過去に現れてエイブを見守っていたのだった・・・。
長くなりました。原作付きなだけあって、お話が前2作より複雑なんですよ。絵柄を出さない代わりにあらすじ全部話しちゃいましたが、マンガは絵が半分以上ですからね。たまにはいいかなと。
3人のヒロインとも、未来や過去からやって来て男の子に会うのですが、何でやってきたのかな。ビクトリアは初恋の人に逢いに来るので判るけど、ミミやセシリアは何で来たの ? ミミは単なるタイムマシンでお散歩か ? セシリアも ビクトリアのように、死ぬ直前に会ったロバートが忘れられないのか ? それにしてはロバートの名前も過去も知っていたようだし ??? まっそんな事はどうでもいいです。
又、その後の 「未来や過去から少女が何度も現れて、恋をするが結ばれない」 お話があったら教えて下さい。いっぱいあるような気もしますが。
おおっいろいろあるなぁ。たまたま自分の持っている中でこの3作がそうだったので、
>「未来や過去から少女が何度も現れて、恋をするが結ばれない」
というくくりにしただけで、こんないろいろ考えてくださるなんてありがたいやら恥ずかしいやら。
城さんのお話聞いて、徳永メイさんを思い出しました。徳永さんも最初はマンガ描いてたんですよね ? 途中から原作者になったんですよね。佐藤史生さんや榎本由美さん、須田詩子さん、狭山玲子さん達が描いてますね。
大泉サロンの増山法恵さんも思い出しました。竹宮惠子氏のそばに居たらね~。
天才の近くに居る人は同じことやってられないよな~。
原作者は確か城章子さん、萩尾さんのマネージャーの。お名前違ってるので長いこと知らなかったけど。
城さんはデビューから何作か描いたのち当時の萩尾さんの激務を見かねて自分は筆を折り以来ずっと萩尾さんのマネージャーをされているらしい。
当時城さんのデビュー作(と、たぶんその後の数作)を読みましたがあまり印象に残ってない。。。扉絵だけぼんやり覚えてます。
失礼ながらあまり画力の高くない方でご自身で仰ってますが『自分が3時間かかる原稿を萩尾は3分で描く、マンガはこういう人が描くものだと思った』というのがマネージャーへの転身のきっかけのようですがいろいろと難はあってもごく良作を発表されてたように思います(だからお名前を覚えていた)。
「マリーン」の原作者、今里孝子さんが城さん、と知ったとき、続けておられれば「マリーン」のような素敵な物語を描ける方だったのだろうと思うと少し残念、でも城さんが萩尾さんを助けたからこそ今の萩尾さんに繋がっているのだと思えば読者にとってはそれはそれでありがたいことですね。
>「未来や過去から少女が何度も現れて、恋をするが結ばれない」
「その後」でもマンガでもないけど「時をかける少女」がそのものですよね。ただし視点が時をかけてる少女のほう、少女にとっては「未来からの少年」がいるけれど。
視点が「時をかける側」というのではあと「天は赤い河のほとり」(??だったかな?)と「王家の紋章」があるよね、、「結ばれな」くないけど。
やはりハッピーエンドで古いものだけど竹宮さんの「アストロ・ツイン」も未来の少女と現代の少年。
内田さんの「星の時計のLiddell」もそういう話ではあるよね…当人たちにとっては「ハッピーエンド」だし「恋」じゃないけど。残された側にとってセツナイ話だ。。
佐藤さんの「金星樹」もかなりひねったこういう話ですね…だいぶ離れてきちゃいましたね…
>「未来や過去から少女が何度も現れて、恋をするが結ばれない」
しっかりこの条件を満たしてるのは思い当たらない、意外と少ないのかな。
良くぞ探してお越しいただき、ありがとうございます。ここは昔のマンガが大好きな方々がよく訪れてくれるブログなので、お仲間が増えるのは大変嬉しいです。
30年前というと、私より少し下の年代の方でしょうか ? 私は50歳台のおばちゃんですが、マンガ好きでこんなブログをもう3年も続けています。今後もよろしくお願いしますね。
「ある日どこかで」 あ~どこかで聞いたことあるかも~。映画好きなネット友さんに聞いて見ますね。「マリーン」のモチーフの映画は他にも色々あるようですよ。全部は見ていませんが、ロマンチックなお話ですよね。
もう30年前のころでしょうか?私が少女の頃大好きな作品で今も本棚の隅にこの作品だけ切り取ってしまいこんでいるんですよ。
洋画が好きな私としてはいつか実写版で映画化してくれることを願っておりました。そこで出会ったのが
ある日どこかで という洋画です。まったく違う作品で名作ではないかもしれませんがロマンチックで心に残るものでした。よろしかったら是非ご覧になってみてください。感想をお聞きしたいですね。
おお~そうですね、早速文章を少し直しておきました。
>セシリアをリアルタイムで読んでいたもの
私と同じ年代の方ですね~。ネットでは少数なので、昔のまんがのお話しましょう ! 他の記事でもコメントお待ちしています。
セシリアをリアルタイムで読んでいたものです。
セシリアは、「ジェーンの肖像」とか言う原作があり、米映画が先行していました。他のマンガ家も何人かこれを下に作品を残しています。でも映画も含めて「セシリア」が一番出来が良かった。ところで、セシリアは、未来からやってくるのではなく、過去から訪れるのです。
実は、みんな持っているものばかりの中から選んでいるだけです。
1980年代~最近のマンガとか、全然知らないんですよ。昔は作家さんもそんなにいなくて、親交も今より深かったようですし、影響し合って描いていたのでしょうね。石ノ森氏と水野氏と赤塚不二夫氏はUマイアという名前で合作してますし。
掲載誌と発表年月はその方の公式HPの作品リストなどを参考にさせて頂いてます。ファンの方のHPも充実していて、知りたい事だけではなくて、あちこち見ちゃって、帰って来られなくなる事も度々です。(笑)
普通には売って無いようですけど、こちらへお越しのtooru_itouさんより、「すてきなコーラ」は、「復刊ドットコム」 のサイトに載っているという事で教えて頂きました。普通の本屋では買えないようですが、今は便利になりましたよね。
http://www.fukkan.com/bookhist.php3?no=285
石ノ森 章太郎全集 って手もあるけど、高すぎ!ですよね。
大好きでした~~!!「星の竪琴」
これを読みたくて嫌いな歯医者にも通いました(待合室においてあったんで)。その後の「白いトロイカ」も貸し本屋で借りまくり。とうとう母に漫画禁止くらいましたが、押入れで隠れて読んでいて、根負けされました。
なつかしいです。
でも
「セシリア」は読んでないと思う。石森章太郎も。
読みたい~~。
こうやって、同じテーマで作品を並べられる所!
望都さんの「マリーン」読んだときも
似たような話があったな~、って思っただけで
作家さんの名前もタイトルも全然思い出せませんでした
しかも、掲載誌から発表年代まで!
中身とタイトルを覚えてなきゃ出来ないことですよね
すごいな~!
と言う事で
鳥頭の私には
「未来から少女が何度も現れて、恋をするが結ばれない」 お話の
お役には立てそうも無いわ~
かの名作「続・11人いる!」の小学館文庫(昭和52年版)に収録。
その後の文庫は「11人いる!」「続・―」と一緒になって「マリーン」
は無しと判明。この古い文庫ゲットはかなり大変。
どうしても読みたいのなら、貸して貰うのが一番でしょうね~。
マリーンが死んだ後のことは特に描かれていませんね。エイブがああ、そうだったのか、涙、イメージ映像、でお終いになってます。
すごい!
ものすごく良く解りました
この3冊は1冊も読んでないです(残念)
古いものなので何かの出逢いがなければ
読めそうもないので、
おおまかなストーリーを載せて頂き感謝です!
「マリーン」は読んでみたいですね~。
マリーンが死んでしまって、その後はどうなったんでしょう?ちょっと気になっちゃいました