COM 1971年10月号の特集記事「少女まんがをさぐる !!」 そのⅡでございます。
前回と同じく、青字は記事からの引用です。
小題の ② はプロとしての抱負を・・・というもので、司会の 上田氏 は
私は仕事が出来て原稿料をもらえばプロ、ということにはならないと思うんです。本当のプロになってく、というのにはいろんな波がくると・・・・・
プロでやっていく上での心構えというんですか、何を描いていったらよいかといったものは・・・・
と聞いている。しかしこれにも もりた氏は
それはあまり口に出すべきものじゃないように思います。心の中にしまっておきたいものですね。
一条氏は
描いてるものを読んでてもらって、ああこの人はこんなことを描きたいんだなってわかってくれればいいんで、別に口にすることもないんじゃないかと・・・・
と、どうもジェネレーションギャップというか、ベテランと新人の考えの差と言うか、座談がかみ合ってこないところがある。
竹宮氏
特にっていわれても困るんですけど、とにかくどうしても描きたいっていうものは今ないんですね。自分が本当に描きたいものをもってデビューして、たとえば自分のコンプレックスを発散するために描くとか、そういうものがぜんぜんなくて、非常に消極的というか私はとても恵まれて育ってきて、まんがについてもなんにも障害がなくて、横やりが入ってきたらはねかえすという強さをもたなかったものだから、内容もあっちこち飛んだり、特にこれだというものを持たないんです。
と言うことは逆に何でも描けると言うことだと思う。
ただ好きで描くと言うんだったら楽しいですけど、読者がいると思うとそうはいかないし、そろそろまじめに本当のプロというものはこんなものじゃないかな、と分かってきてこれからこうしなくちゃいけないな、なんて考え始めたばかりだから、これだっていう線まで行ってないんです。
この時点ではこんなもんでしょうねー。正直ですよ。
上田氏
その中であなたは作家として - 中略 - 今後はこういうものも入ってきていいんじゃないかと言うものは・・・・
萩尾氏
少女まんがの対象というのは大体小学生、中学生でその人たちが日々に感じているというのは、まんかだけじゃないんです。学校へ行って家庭があってその中で読む世界の名作や映画、とかいろいろなものがあるわけでしょ。
まんがというのはそういうものに匹敵するものを描かなくちゃいけないと思うんです。
まき氏
私はまだ、描くというより読むほうの立場のような感じなんですけど、青春まんがって言うんですか、自分達と同じ世代の悩みとか経験とかそういってものを描きたいです。
それがやっぱりいちばん自分が打ち込めるんですね。
その後 「純粋な創作」 を雑誌が描かせてくれるか、(好きなように雑誌社や編集が描かせてくれるか) という話題になって、
一条氏はもうこの頃から
描きたいものものがあるとどうしても描きたい、死ぬほど描きたいといえば、意欲を買ってくれて話し合って描きます。
なんて言ってます。(笑)氏は後年他のインタビューか記事でも 編集を説き伏せられないのは自分に実力がないからだ。。。うんぬん みたいなことを言っていて、強い信念の人なんだと思います。尊敬 !
竹宮氏
私の場合、割りに自由に描かしてくれます。編集の人なんかと話し合いしていると、先方が何をもとめているか分かってくるでしょ。こういうものを持っていってもOKされないなと話してるうちにわかるから、自分の方でOKされるものしか描かないってことがありますね。
上田氏
少女雑誌の内容がみんな同じでつまらないといわれるのには編集部の方の責任が重いわけですね。
もりた氏
それをはねのけるぐらいじゃないとだめなんじゃないかな。たとえば、このシーンはタブーであると言われても必要不可欠ならばやっぱり話し合って納得させるのが大切ですね。
さすが、後年 「うみどり」や「ダニイル」 等問題作を連発したもりた氏だけある発言。
弓月 光先生ももりた氏の文庫のあとがきで、
当時は24年組みたいな少女マンガ家はみんな読者対象を無視して描いてましたからね。そういう時代だったんです。。自分の好きなものだけ、描いてた。で、受け入れられなければしょうがないっていう。
なんて言ってましたっけ。
続く・・・
この後の、彼女ら24年組さん達の華々しい活躍があって、今の少女マンガがあるとしみじみ思うトミー。
前回と同じく、青字は記事からの引用です。
小題の ② はプロとしての抱負を・・・というもので、司会の 上田氏 は
私は仕事が出来て原稿料をもらえばプロ、ということにはならないと思うんです。本当のプロになってく、というのにはいろんな波がくると・・・・・
プロでやっていく上での心構えというんですか、何を描いていったらよいかといったものは・・・・
と聞いている。しかしこれにも もりた氏は
それはあまり口に出すべきものじゃないように思います。心の中にしまっておきたいものですね。
一条氏は
描いてるものを読んでてもらって、ああこの人はこんなことを描きたいんだなってわかってくれればいいんで、別に口にすることもないんじゃないかと・・・・
と、どうもジェネレーションギャップというか、ベテランと新人の考えの差と言うか、座談がかみ合ってこないところがある。
竹宮氏
特にっていわれても困るんですけど、とにかくどうしても描きたいっていうものは今ないんですね。自分が本当に描きたいものをもってデビューして、たとえば自分のコンプレックスを発散するために描くとか、そういうものがぜんぜんなくて、非常に消極的というか私はとても恵まれて育ってきて、まんがについてもなんにも障害がなくて、横やりが入ってきたらはねかえすという強さをもたなかったものだから、内容もあっちこち飛んだり、特にこれだというものを持たないんです。
と言うことは逆に何でも描けると言うことだと思う。
ただ好きで描くと言うんだったら楽しいですけど、読者がいると思うとそうはいかないし、そろそろまじめに本当のプロというものはこんなものじゃないかな、と分かってきてこれからこうしなくちゃいけないな、なんて考え始めたばかりだから、これだっていう線まで行ってないんです。
この時点ではこんなもんでしょうねー。正直ですよ。
上田氏
その中であなたは作家として - 中略 - 今後はこういうものも入ってきていいんじゃないかと言うものは・・・・
萩尾氏
少女まんがの対象というのは大体小学生、中学生でその人たちが日々に感じているというのは、まんかだけじゃないんです。学校へ行って家庭があってその中で読む世界の名作や映画、とかいろいろなものがあるわけでしょ。
まんがというのはそういうものに匹敵するものを描かなくちゃいけないと思うんです。
まき氏
私はまだ、描くというより読むほうの立場のような感じなんですけど、青春まんがって言うんですか、自分達と同じ世代の悩みとか経験とかそういってものを描きたいです。
それがやっぱりいちばん自分が打ち込めるんですね。
その後 「純粋な創作」 を雑誌が描かせてくれるか、(好きなように雑誌社や編集が描かせてくれるか) という話題になって、
一条氏はもうこの頃から
描きたいものものがあるとどうしても描きたい、死ぬほど描きたいといえば、意欲を買ってくれて話し合って描きます。
なんて言ってます。(笑)氏は後年他のインタビューか記事でも 編集を説き伏せられないのは自分に実力がないからだ。。。うんぬん みたいなことを言っていて、強い信念の人なんだと思います。尊敬 !
竹宮氏
私の場合、割りに自由に描かしてくれます。編集の人なんかと話し合いしていると、先方が何をもとめているか分かってくるでしょ。こういうものを持っていってもOKされないなと話してるうちにわかるから、自分の方でOKされるものしか描かないってことがありますね。
上田氏
少女雑誌の内容がみんな同じでつまらないといわれるのには編集部の方の責任が重いわけですね。
もりた氏
それをはねのけるぐらいじゃないとだめなんじゃないかな。たとえば、このシーンはタブーであると言われても必要不可欠ならばやっぱり話し合って納得させるのが大切ですね。
さすが、後年 「うみどり」や「ダニイル」 等問題作を連発したもりた氏だけある発言。
弓月 光先生ももりた氏の文庫のあとがきで、
当時は24年組みたいな少女マンガ家はみんな読者対象を無視して描いてましたからね。そういう時代だったんです。。自分の好きなものだけ、描いてた。で、受け入れられなければしょうがないっていう。
なんて言ってましたっけ。
続く・・・
この後の、彼女ら24年組さん達の華々しい活躍があって、今の少女マンガがあるとしみじみ思うトミー。
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