先日参加した茨城ノード大会で、レスキュー競技が終ったところで、レスキュー技術交流会がありました。
この交流会・・・レスキューの全チームがロボットを持ってフィールドに集まりました。
「じゃあM&Y父さん、今後どういったことをやれば良いか話して下さい・・・」
「えっえ~!」
じゃあ、とりあえず、本日の競技を見ての感想など・・・
・完成しているロボットが少ない
ロボットが完成するとは・・・全ての作業が完了していること。じゃあ、すべての作業が完了しているとは「構想」「設計」「製造」「テスト」(もっと具体的な言葉に直すと「目標設定」「どういうロボットにするかの検討」「ロボットの組立」「プログラミング」「練習」)が出来ていることだと考えます。
やっぱり、会場でロボットを改造していたり、プログラムを作っているようでは、良い成績が期待できません。ハードもソフトも完成して、何度も練習して、もうこれ以上やることはない・・・という成熟したロボットで競技をやって欲しいです。
・坂道の開始と終了
坂道の開始と終了時に詰まるロボットが多かったです。ロボットの前方に光センサーを配置するロボットが多いですよね。そうすると、坂の始まりや終わりでは、センサーと床の距離が変わってしまいます。この距離を変わらないようにする仕組みを考えましょう。
M&Yのロボットは前輪の間に光センサーを入れて、床とセンサーの距離が変わらないようにしています。
・センサーの数が4つ
EV3の4つのポートだけでは、センサーの数が足りません。何らかの方法でセンサーを増やせると、もっと確実性が上がると思います。
・障害物の検知方法
まず、障害物を検知するためのタッチセンサーの検知範囲が狭いロボットが多かったです。ロボットの前方をバンパーで囲んで検知範囲を大きくしましょう。また、障害物の回避を3つの直線でやるチームが多いですが、先の黒線を捜すようにすると確実性が上がります。これまでに見た障害物回避の良い例として「ジンシャン方式」と「LINK方式」を紹介しました。
・ロボットをリモートコントロールしてはダメ
ロボットのスタートをPCからBluetoothで指示するチームがありましたが、それはリモートコントロールと判断されてルール違反になることを伝えました。
・再スタート時にロボットの形を変えるのはダメ
再スタート時にクレーンの糸を巻きなおすチームがありました。競技進行停止後の再スタート時には、電源のOFF/ONやプログラムのリセットしかできません。その他の操作(アームを戻したりすること)は修理とみなされるので、禁止されています。再スタート(プログラムをリセット)したら自動的にアームが戻るようにしましょう。
まあ、話したのはこんなところだったと思います。
その後は、自由に意見交換や質問タイムでした。
当たり前のことですが、競技はルールに基づいて行われます。なのでルールに書いてあることも書いてないことも含めて、あらゆる可能性を考えてからロボットを設計しないといけません(バンプ一つでも置く方向によってはとても難しくなるのをよくご存知だと思います)。ただ「こういうコースは作られる」と仮定するのではなくて「ルール上ok」なコースをできるだけ想定することで何が結局必要なのかが見えてくるはずです。(まあそのせいでほとんどのコースが簡単に見えてしまうのも確かですが笑)
僕は当時この一言で2013年に向けて大きく成長できました。
いや~ 世界チャンピオンが発言すると、真実味が出ますね!
本文に書いたように、「何度も練習をする」には、「もう、どんなコ-スが設定されても問題無い」くらいの練習ができれば理想的ですよね。競技会の会場に行って、設定されているコースを見たら・・・「えっこんなのもアリなの、想定外だ!」となると、慌ててハードやソフトの改造をしなければなりません。それじゃあ、良い成績になりません。
ルールを良く読んで、ルールに書かれていないことも、いろいろ想定して、対応策をとっておくのが良いかと・・・
せっかく、TCが汗水たらして考えてくれたルールなのですから。(笑)
他のチームの競技を見るのも勉強になると思います。
私は良く、ドイツオープンの情報を見ていました。レスキューのコースを見て・・・「えっ、こんなコ-スありなの!?」と驚くことが多かったです。日本の常識が世界の常識では無いのですよね・・・