都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

「図々しい人たち」と解決策

2023-04-05 02:00:43 | マクロ経済

 記事に「図々しい人たち」( https://news.yahoo.co.jp/articles/53b87767a4ff861d750a2fa1efcc0ce8f0917c13 )という善意を権利と取り違える社会動向が挙げられている。昔は、「世間に顔向けできない」など、「世間」という存在があったのだが。

 善意というのは、トラブルのもとになる。例えば、善意で友人の車に乗せてもらったが事故にあったなどというのは、関係性と責任と補償の間になる。(MBAのネゴシエーションでの課題:第三者に解決をゆだねるなどの解決手法がある)

 また善意は無限ではなく有限であり、際限のない要求は「ただ乗り」(相手への思いやりがない)や他の人を考えず全部使う「独占」(共有地の悲劇となり草が枯れる)は問題だ。(昔は、「はしたない」といったものだが。。。)

 お店や、ホテルなどの善意に「つけ込む」のは、自己利益を「権利」として言う「強欲」の風潮だ。あるべきは、相互扶助・利益にむけた利他だと思うが。不安・同調圧力のなかでの憂さ晴らしだろうか。

 さらに、災害関連の融資や住宅提供なども社会的な「善意」と考える。この返済や返却が、「事情考慮」と「図々しい」に議論が割れている。コロナ禍でのゼロゼロ融資も返済が滞っているようだ( https://www.asahi.com/articles/ASR1Z7HP1QDPUDCB01M.html )

 考慮する理由や特例とする判断が必要なら司法の場を利用するのも一手だ。行政としては理由なく認めるとモラル・ハザードになり同様の対応が今後できなくなる恐れがある。かたや個人からは事情変更などの申し立てもあるはずだ。

 善意は関係性を重んじてなされる。この関係性を保ちながら、判断をするのは第三者を入れるのが有効だ。その上で、結果を「世間」に明示するのが良いと思う

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リスキリングとリカレントの混同と誤解

2023-04-01 02:34:05 | マクロ経済

 リカレントとは自発的学習であり、リスキリングは企業が行う主にITCやDXに対応したスキル習得だ。( https://diamond.jp/articles/-/303393?page=2 https://media.shouin.io/what-is-the-difference-between-reskilling-and-recurrent-education#:~:text=%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%92%E5%AE%9F%E6%96%BD%E3%81%99%E3%82%8B%E7%9B%AE%E7%9A%84,%E5%AD%A6%E7%BF%92%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E8%A1%8C%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%80%82 )

 岸田政権は何かというと企業がリスキリングと言っているが、リカレントとの誤用も多い。

なお、リカレントとは、例えば、MBA取得や、資格取得など新たな職種・転職に挑戦のための「能力確保」だ。この促進には、学びの期間の休職制度、給付金、資格取得での報奨金などが考えられる。しかし、政策にはあまり出てこない。

 つまりは、設計でも鉛筆の図面からCADに変化したが、使いこなす「技術」習得するのはリスキリングだ。営業において、個人の能力から組織をまとめる立場になり、マネージメント「能力」が欲しいと自覚するときには、夜間のMBAで経営幹部の能力を習得するのがリカレントだ。

 リカレント教育は「能力」を育成するため時間がかかり、すぐの成果は出ないが以後の生き方への活用の源となる。リスキリングはあくまで「技術」を学ぶ小手先だ。

 企業任せのリスキリングより、個人教育のリカレントが人生100年時代に必要なのは言うまでもない

 そのためには、3年間で単位を取り、4年次には就職と旅行に明け暮れる大学教育と、社会人大学院教育の改革も必要だ。あまりに実業と乖離している。

 学び続ける、理系も文系の区別もないのが、生涯の教育だ

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世界インフレの謎(渡辺努):S(供給)/D(需要)のサイクルで分析、予測と生産性など一般論

2023-03-26 02:58:07 | マクロ経済

 Harvard Ph.D.の経歴であり、読みやすい。MITの理論派とは違う。AS-AD Model( https://en.wikipedia.org/wiki/AD%E2%80%93AS_model )の活用( https://capitalism-slaves.com/economics/877/ )も根底にある。さらに、サイクルと予測を入れ、需要の変動に重きを置いている。

知見は:

・リーマン・ショック後の低インフレの原因として

①グローバリゼーション:安い所で作る、効率的なサプライ・チェーン

②少子高齢化によるGDP低下予測(期待)による貯蓄→賛同できない、「デフレの正体 経済は『人口の波』で動く」(藻谷浩介)の俗流経済学(浜田宏一命名 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%9C%E7%94%B0%E5%AE%8F%E4%B8%80 )と同じだ。AS-ADモデルにおいて生産が少なくなるとインフレが来て、GDPが下る(逆に生産性が上がると、デフレになりGDPが上がる:フォーディズム( https://en.wikipedia.org/wiki/Fordism )などの実例)

③技術革新の頭打ちと、生産性の伸びが低迷、GDP(生産)の伸びが低迷→上記によりインフレ要因になる

と①と③が相反しており本当に経済学者なのか疑う、または説明が不足している。GDP低下とデフレは相関しない。ちなみにインフレとGDP成長も同じ。

・インフレは21年から始まっており、22年に急増した、コロナ・パンデミックが要因と仮説

①アメリカなどでは労働者の恐怖から就労者減少となり物が不足しインフレか

②モノ消費の増大による消費からのインフレ

③サプライ・チェーン分断による供給不足からのインフレ

は充分に証明はされてはいない。

・サイクルは:生活費→賃上げ→企業の価格転嫁→価格引上→アベノミクスでは、低金利、企業収益の増大→賃上げ→生活費の逆回りのトリクルダウン狙いだった(P251~4)とあるのは正しい。(浜田宏一提唱 https://www.tokyo-np.co.jp/article/237764 )なお、インフレを引き起こすならまずは賃上げ、消費を伸ばす(需要を喚起)したうえで値上げをすると、ADは右シフト、 ASは左シフトにより、P(価格)は上昇(インフレ)になり、GDPはほぼ中立(インフレ分増大)になる。さらに、長すぎた「異次元緩和」の継続とマイナス金利でも効果がない「流動性の罠」に陥り、投機による不動産など「資産」価格の高騰を招いたが本著では逆効果の指摘もないのは不思議だ。

・我が国では消費者の情報効果による巣ごもりがGDP低下と需要不足による物価下落か、慢性デフレ基調、エネルギー関連だけがインフレ:低すぎるインフレ予想(世の中の心理)、値上げ嫌い(生活者の需要)、価格据え置き慣行(企業の供給)が低インフレの原因というのは当たり前すぎる→①この30年既存市場でのパイの奪い合いに終始し、シェアのために値上げがなかったこと、②バブルの反省(銀行嫌い)から内部留保の積上げ優先を行い、賃上げ後回しをしたこと、③新規事業などの改革を嫌い、安全保守の経営に徹したことが、生産性の低迷となりGDPの足かせと低賃金(年功序列賃金の見直しなど)、ほぼ0のインフレとなったと思われる。これらの産業分析がないのは解しかねる。

 ただし、我が国の30年の低成長とほぼ0のインフレについては、インフレ「期待」がないことと、値上げしないという風潮という「空気」の分析しかないのは残念だ

 一読しても、得るものは無かった

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Humankind 希望の歴史(ルトガー・ブレグマン):人の本質は善だが、暗い世の中の原因を探っている

2023-03-12 02:29:52 | マクロ経済

 ピンカーの「暴力の人類史」以来、現在は安寧な時代、暴力も減少という分析がやっと常識になりつつある。本著は、その裏打ちと何故暗い世の中になるのかを事例分析しており面白い。知見は:

・第二次世界大戦での一般市民の爆撃は「恐怖や士気の低下」を呼ばず、「落ちついていた」ため更なる爆撃につながった→軍隊同士の戦争から一般市民への攻撃による講和狙い 「戦争の未来」ローレンス・フリードマンに詳しい(おすすめ)

・ノセボ効果:根拠がないが効果が出る集団心因、認識バイアスやレッテル付けによるえこひいきの効果に似る、みんなが良いというから良いんだという心理の裏返し

・ニュースと現実は負の相関:平和なときほど、悲惨なニュース→悲劇のカタルシスか、人が犬を噛むとニュースになるのと似ている

・人間は猿より優れるのは社会能力、協力

・利己的な遺伝子はGM CEOウェルチやエンロンのCEOスキリングのRank and Yankは組織内の闘争を呼び、CEOらの強欲により会社は破綻する

・狩猟採集者を他者に支配されない(支配しない)、友情で分け与える、備蓄と貯蔵はしない→ベドウィンでも「なんで家に寄らない、ラクダを食べないのか!」というのを聞く「格差の起源」オデッド・ガロー:統一成長理論のトンデモ本に近いが

・文明は災い、定住により疫病が蔓延、支配体制が起こった

・モアイ像は部族間の争い(ダイヤモンド著)ではなく、ナンヨウネズミの来島による繁殖と災害(木の実を食べつくし、禿山に)、さらにヨーロッパ人の来訪による天然痘ウイルス、モアイは自然に倒れた

愛情ホルモン オキシトシンは友人への愛情と他人への憎悪の両面

・戦場でも銃を撃つのは1割くらい、頼りになるのも1/4、撃墜の約40%は1%のパイロットの戦果(その他は、撃墜しようともしない)

・戦場で無理に撃たされるとPTSDになる(ヴェトナム戦争が事例)

友情が戦争を進める、集団形成の共感と他集団への憎悪のジレンマ

・遠隔地からの攻撃が75%、見える敵に銃を撃つのは避ける

・恥を感じないソシオパスは1%、CEOは4~8%

・飲酒は好きではないが「他の人は飲むのが大好き」と思い込み、合わせることで二日酔いになる、人間の本性へのネガティヴな考えかたも同じでは

・資本主義は人参(金)、共産主義は棍棒(罰)に頼る

・金をもらうと善意の行為がなくなる、逆に金で善意が買えると思い支払う(保育園の遅刻ペナルティの罰金などが有名)

・遊びの逆は仕事ではない、鬱病だ:意義ある生き方のため遊ぶ

・共有地の悲劇は共有資産の独占もある、共感し共有する方が楽しいが障害が多い:特許など

・黒人と交流した白人は偏見が減る:接触仮説 知っている人には共感を抱く

 

生き方の提言:

・共感を抑え、思いやりの心を育てる:他人の心を共感するより、人がより良くなることする「思いやり」

・ニュースを避ける:ネガティビティ・バイアスがあり見れば見る程広告が儲かるしくみ

・人に手を差し伸べる:優しさは伝播する

 

 軽い読み物だが、面白い

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植田和男氏の日銀総裁就任に向けて

2023-02-24 03:32:38 | マクロ経済

 植田和男氏のキャリアは東大にて理学部から経済学(学士入学)の文転、大学院は東大からMITに移りPh.D. ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%8D%E7%94%B0%E5%92%8C%E7%94%B7 )

 MITでの教官はNew Keynesian economics のStanley Fischer ( https://en.wikipedia.org/wiki/Stanley_Fischer )であり、弟子筋の同窓は

元FRB Bernanke( https://en.wikipedia.org/wiki/Ben_Bernanke )

元National Economic Council Summers( https://en.wikipedia.org/wiki/Lawrence_Summers )

元ECB Draghi ( https://en.wikipedia.org/wiki/Mario_Draghi )

とのつながりがあるとの報道がある( https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-02-11/-japan-s-ben-bernanke-shows-mit-s-sway-with-ueda-eyed-for-boj#xj4y7vzkg )

 もともとMITは経済学では海水派であり財政(需要)政策を基本とするNew Keynesianの考え方だ。金融政策だよりの淡水派(Chicago)とは違う。

 FischerはDornbusch( https://en.wikipedia.org/wiki/Rudi_Dornbusch )の有名なマクロ経済学の教科書(古典的で30年前でも古典的とあまり使われなかった)の共著者だ。現在の標準教科書であるMankiwの学位論文の主査でもあったとは知らなかった。あまり、MIT留学時代では聞かなかった(世銀のチーフ・エコノミストだった時期)が弟子筋は大したものだ。

 さて、日銀の総裁として植田和男氏はどう動くだろうか

①学者として:リフレ派の失敗

・Rational Expectationを誘う10年の低金利政策は失敗だった

・マイナス金利の愚策→貿易学者のKrugman( https://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Krugman )も失敗を認めている

 

②金融として:財政ファイナンスの是非

・赤字財政の受け皿かつ低金利による財政負担(国債利払い)低下の仕組み

・日銀独立性の否定

③日銀として:資産の健全性

・国債の半分以上を保有、株式も介入

・金利と含み損は

④市場介入として:ひずみと投機

・国債イールド・カーブのひずみと投機筋の利益享受

・国債保有金融の含み損拡大(特に地銀や生保)

 普通の学者なら即否定の「アベノミクス」だが、泥船の運行を任されてはソフト・ランディングしかないだろう。

 金利の緩やかな上昇と国債の売却、株価低下の容認と資産低下(東京の住宅価格など)による倒産の増加に対し、「これからの経済」を示すのが良いだろう。

 岸田政権の優柔不断さがありさらなるリスクもある。いっそ消費税を上げ、ICTと教育(大学無料化とリカレント(再教育支援)など)のショック療法があるが。資産をもてるシルバーから若い世代への資産移転になる。

 

 MIT Sloan同窓として期待したい

 こちらも同窓だが、岸田首相は見限るしかない

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コロナ禍の収束のとき:経済の転換、創造へ

2023-02-18 02:55:59 | マクロ経済

 最近、人手不足の倒産が建設業をはじめ多いようだ。というのも、閑古鳥が鳴いていた飲食と宿泊(ホテル・旅館)、旅行といった業界が再採用を始めたからだという。

 賃金について上げるようだが、もともとパート・タイムの多い業界だ。本格的な正社員の賃上げは業績に余裕のある業界やITC対応を急ぎたい金融などがようやく動き始めた。

 低金利は資産価値を押し上げる投機を呼ぶ。そろそろババ抜きが始まりそうだ。

 一方、インフレは4%らしいが、そのうち金利も上がれば取り返す機会もでてくるだろ。

 30年に及ぶ我が国の低金利時代はそろそろ終わりの始まりだ。製造業も無駄をなくすPDCAの活用により高品質・低価格のモノ余りCommodity(普及品)時代となった。

 生活の効率化と楽しみはICT大胆な発想を大切にするVUCAの時代を迎えるだろう。昔は書籍で調べ回ったものがGoogleですぐに探れ、情報もパソコンのファイルやURLにまとめられ、しかも検索できる。カード式発想法などは過去の遺物になった。そのため、知っているということから、情報を読み解き、関連付け、発見や発想を生み出す能力が重要となる。物知りの位置付けは低くなり、戦略立案など「知恵」を生む能力が重視される。物知りの常識人から発想豊かな知恵もの、その多くは「変人」(創造性があるGifted)の時代ともいえる。

「変人」はいままで、「普通ではない」と避けられてきたが、これかは「殻を破る」人材として活用すべきだ。平穏な時代は官僚的人材が重用されるが、変革の時期は「変人」だ。明治維新など見ると明らかだ。

 「変人」の時代なら、みんなマスクの同調圧力からも離脱する時代となって欲しい。リクルート・スーツのような個性のない制服への回帰が安心につながるとしたら、変なマナー講座と同じだ。意味と意義を考え直す時代だ。

 未だに、誰が考え出したのか分からないフォークの背にご飯を載せて食べるマナーを守るより(ご飯が出るフレンチなどない、洋食ならどう食べても良い箸をもらえ)、いっそパンを選んだ方が良い。

 人目を避ける手段として歩きながらスマートフォンをいじるより、発想を生む知恵ものとの会話や歴史を超えた対話として落ち着いて本を読み解くのに価値を見出せないか。

 同じことをやると他者との競争になる。自分の道を拓くと世の中の利益につながる創造となる。そのためには、周りに変人(発想豊かな知恵もの)との交友を深めるのが大事だ。

 それにしても、最近の学生はおとなしい、学びのお客様か

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日銀の自己矛盾:合理的予測が裏目に、黒田後の再生に向けて

2023-01-29 02:12:53 | マクロ経済

 日銀は1月18日の会合でも金融緩和(国債の指値で3種を無制限買取)を継続する( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB185O20Y3A110C2000000/ )

 国債の残高は積上り、今後の利率上昇で含み損は拡大するのが明らかだが、550兆円の残高なら1ヵ月で34兆円増加しても大局は変わらないとの判断か。

 もともと、金利を下げると「インフレ期待」によりデフレ状態からインフレ2%が達成されるというのが「リフレ派」の言い分だった。言い出しっぺの一人、MIT出身の貿易経済学者(金融ではない)のクルーグマンも2014年に「日本への謝罪」として「マイナス金利を含め、リフレ政策は失敗だった」と認めている。( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%9E%E3%83%B3 )黒田以下が未だにリフレにこだわるのは理解しがたい。恐らくはアベノミクスの裏打ち(低金利供給、国債利払いの低下と家庭貯蓄の利払い回避)があった金融と政策の協調(日銀独立性の自らの否定)と考えられる。

 それが今回、投機筋の空売りは「金利上昇の期待」により勢力を拡大し、10年債の利回りのいびつさや市場との乖離は明らかになっている。

 日銀は国民のインフレ期待は実現できなかったが、投資・投機家のインフレ期待には追い詰められるという矛盾が生じている。

 今後の黒田日銀がなした課題への教訓として:日銀法の経緯を含め https://www.boj.or.jp/about/outline/expdokuritsu.htm 

①政策との協調(アコード)はしない

②5年を超える同じ政策をとらない、総裁の任期も1期とする

③運営は日銀の資産の健全を前提とする

と、日銀法に付加してはどうか

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新春

2023-01-01 02:34:49 | マクロ経済

あけましておめでとうございます。

 今年もこのブログのご愛読どうぞ宜しくお願い致します。

 やっと日銀の政治介入「異次元緩和」の終わりが見え、金利は10年国債で2%に近づくはずだ。この20年は続いた「ゼロ金利(借りれば得)」の投機相場が終わる。

 今年、利上りは10年国債で1%越えは見込まれる。日銀の含み損拡大とともにどこまで利率が上がるか分からない。20年続いた低金利の「ぬるま湯」からの湯上りの時だ。早く、服を身に着けないと湯冷めする。

 企業の借換え時に利払いも増え、リストラだけでなく改革も進む。60年代高度成長期から続いた、終身雇用・年功序列・メンバーシップ制は終焉し、個人能力・Job制・転職の時代となる。また、守りだけでなく、国際競争力のある新分野開拓に向かわざるを得ない。

 株は、債券との利回り裁定と円レートの上昇、企業収益下落の見込みの3面からの要因により下落にやっと至る。

 数年言い続けて、狼老年になりそうだったがやっとまともな経済に転換する。しかし、不況とはなろう。これから、アベノミクス前の株価まで下落も予想されるため、今は様子見が良いと思われる。( http://honkawa2.sakura.ne.jp/5075.html )

 政府は金融政策が無効かつ行き詰まりとやっとわかり、赤字の財政政策(波及効果と理解の得られる国防に注力)に転換したが、金利上昇(国債の利払いとなる)なら、これ以上財政赤字を拡大する訳にはいかない。そのため増税もある。

 何度も言うが、増税は持てるものから多く取る所得税の累進強化と金融所得を含めた所得の補足と課税(そのためにマイナンバーでの紐づけがあるはず)が有効だ。格差の是正ともなる。

 さらに、競争の基礎体力である研究と教育の振興に向け、消費税の増税も考えられるが、使途を明確にすべきだ。

 まずは、基礎研究の支援を行うため、大学への研究費を増額し、かつ不正利用を監視する機関を設けるべきだ。日大など大学理事会(企業の役員会に相当)は私利に走る危険がある。また、論文の捏造、教授などのセクハラ、パワハラなど目立つ。研究者の研究費や発注のモラルも最近は疑わしい。このような、教育・研究の監視と懲罰の整備が必須だ。

 今後の人材育成についてはリカレントを含め、専門教育の重要性がより高まる。ICT教育と実業と連携し役立つ教育が必要だ。ラクチャラーなど、修士以上、博士取得の学位や毎年の生徒評価が高い人材など要件の確立も必要だ。役に立つ教えと、学びたい意欲に、公的補助の鼎立が望まれる。

 働き方も変革の年だ。ムラ社会から能力社会、既存の分野から新分野への挑戦の年だ。若い活力と起業に期待したい。微力ながら都市計画学会や研究会などで支援・助言を心がける。

 いままでは、長期政権に伴う「強欲」と「ずる」の拝金主義が蔓延していたが、「正義」と「利他」を評価する声掛けと手助けに向かう「社会資本」の復活が鍵となろう。

 私事として、この1月20日に大阪で講演を致しますが、今までの「開発」と「需要」について5つの論文のとりまとめとしております。都心におけるオフィスセンター(クラスター)の移転の動向を分析し、都市の変化と不動産サイクルの仕組みをモデル化したものです。さらに、まとめて世に問う方策も考えでおります。

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黒田大本営の「利上げでない」を嗤う

2022-12-27 02:26:44 | マクロ経済

 アベノミクスとは政府と日銀が結託した2013年の「政策協定」による「みせかけ」経済政策であったのが露呈し、黒田は今更、安倍に従ったとも言えず、大嫌いな責任を負うことになった。

 10年もの金融の愚作・日銀独立性の欠如という異常な事態を否定する「終わりの始まり」だ。

その背景は:

①YCC(短期から長期の債券利回り管理)がいびつ

②国際情勢からの離反、円安はアメリカやG7の指摘

③日銀の国債保有5割越え、含み損1兆円近く、利上げで更なる含み損拡大

④政府と日銀の連携悪化(増税との不整合など)

⑤投機筋の空売りによる日銀のカモ化(自業自得)

そのため、サプライズでけむを巻き、ゆっくり時間を稼ぎ、来年4月の退任までしのぐしかない

こうなると、今回の10年債を0.5%まで許容(それ以上でも国債を日銀が買う「異次元緩和」は、③により実質上できない)は一時しのぎと皆分かる

 黒田発言の「利上げではない」というのは大本営の「撤退」を「転進」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%A2%E9%80%B2  といったようなものだ。

 この20年以上の低金利はやっと終わりが見えた。これからは

①政府負債1,000兆円の利払い増加→緊縮財政へ

②家計金融資産 2,000兆円の利息増加(家計から政府への「贈与」が終了)

③株価下落は債券との利回り確保の裁定のため、企業収益は遅行する

④円の適正なレートへの転換(¥65/$ あたりが実感、「安い日本」は安い円レートが原因)と産業の革新・淘汰と転換

⑤住宅ローンも利払い増加、借入依存企業の苦境:不動産やゼロゼロ融資(56兆円)返済期限対応→大盤振る舞いのつけが来る

 そもそも、デフレは悪ではない。インフレだとGDPが成長するフィリップス・カーブ( https://en.wikipedia.org/wiki/Phillips_curve )もあてにはならない。低金利でインフレを呼ぶリフレ政策は失敗した( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3 )

 インフレでもデフレでも賃金が上がる(GDPが成長)すれば問題はない。我が国は、ゾンビ企業の延命や革新嫌いにより成長率低迷が「給与の伸びない」原因だった。低金利は、住宅の高騰とローンの低下など「借金」と「投機」を生み、成長を阻害した。甘やかしすぎで過保護児童が育ったのと同じだ。円安は保護経済と国内非輸出企業(金融・飲食など)の既存市場内での競争と成長停滞を生んだ。そして、一括採用・終身雇用・年功序列制・メンバーシップ制が終焉を迎え、転職とJob制への移行が始まる。

 デフレは人口減少など需要不足の予感が生んだものではない、政策的低金利と将来不安の貯蓄(消費は低迷)が生んだものだ。その期間、家計金融資産が増加したのが何よりの証だ。( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB155Z20V10C22A3000000/#:~:text=%E6%97%A5%E9%8A%80%E3%81%8C17%E6%97%A5%E7%99%BA%E8%A1%A8,%E6%8A%BC%E3%81%97%E4%B8%8A%E3%81%92%E8%A6%81%E5%9B%A0%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82 )

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日銀の「アベノミクス政策(国債引受)」と黒田総裁の終わりの始まり

2022-12-05 02:11:47 | マクロ経済

 国債の評価損は9月末に8749億円( https://toyokeizai.net/articles/-/636092 )となった。黒田もこれ以上、量的緩和を「日銀」の経営者として続けにくくある。つまりは、赤字国債の引受機関としての日銀利用の「アベノミクス」の終焉の始まりだ。

 これで、「日銀のアベノミクスのたが」が外れると、イールド・コントロールも正常化し、国債の下落(と利率の上昇)が起こる。

 実質マイナス金利利用の投機である株価や不動産価格の下落が予測される。日銀の含み損はすぐには問題にならないにしても「責任論」はでる。黒田の最も嫌うところだ。

 永すぎた「ぬるま湯金利」は、ゾンビ企業の延命と改革・革新嫌いを生んだ。そして、低金利により家計資産の金利収入を減らした。一方、野放図な政府負債の増大を助長した。

 かたや、中国も7%成長(10年で倍増計画)も、内需のエンジンだった不動産開発が不良資産化し、政治も不安定になっている。アメリカもインフレ対策の利上げで景気後退・リストラにシフトした。

 リーマン・ショックより大きな変化が来るかもしれない、現金を持とう

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所得税の累進強化に賛成

2022-11-19 02:30:17 | マクロ経済

 立憲 岡田幹事長提案はまっとうだ。https://news.yahoo.co.jp/articles/6e5646f2b39f7b3b95088cbaa050036ddbb2a647 

 1980年にブッシュ元大統領が"voodoo economics"(まじない経済)と揶揄したReaganomics( https://en.wikipedia.org/wiki/Reaganomics )に所得税減税の端緒がある。Supply-Side Economics( https://en.wikipedia.org/wiki/Supply-side_economics )として、減税により、税収が伸びるというLaffer curve( https://en.wikipedia.org/wiki/Laffer_curve )に基づき減税をした。富裕層の消費が伸び、社会全体が裕福になるTrickle-down( https://en.wikipedia.org/wiki/Trickle-down_economics )を狙ったが、富裕層は貯蓄と投資を増やしただけで消費は伸びなかった。富裕層は意外と貧乏になるのを恐れ消費しないという証明になった。

 この真似を中曽根政権が行い、我が国でも所得税累進の低下となった。

あわせて、法人税も低下競争( https://toyokeizai.net/articles/-/582006 )があり、Tax Heaven利用の課税回避の国際企業( https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/54/02/hajimeni.htm )も増えた。要は、国として税収低下となった。

 そこで、消費税がバブル期(1989年 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E )に導入された

 この40年は、逆進性の税制と言える。しかも、企業優遇だが給与は増えなかった。内部留保は増えた。しかも、デフレと低金利になった。節税分、物価が安くなった効果はある。

 今こそ、所得税の累進強化と、法人税課税強化を図るべきだ。取りやすい所から取るな!中産階級を増やそう。

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でたらめな資本主義が蔓延、「ずる」が横行、停滞社会を抜け出そう

2022-11-15 02:33:26 | マクロ経済

・大賞:安倍政治のずる:モリ・カケ・桜、メディア支配、旧統一教会関与、我が世の春を謳歌

・副賞:アベノミクスの日銀のずる:家計資産からの贈与と財政赤字の受け皿、ゾンビ企業の延命と新進起業の防波堤、失われた30年の掉尾

・副賞:オリンピックのずる:電通から芋づる、出るは出るは、利権商売はもうかる、コモン(顧問)ズは良い名前だ、2もある

・副賞:コロナ関連給付金などのずる:強欲と悪巧み、オレオレ詐欺の変形か

 

・銀行・証券の三井住友銀行とSMBC日興の相場操縦のずる:銀行と証券は切り離すのがアメリカで1999年に骨抜きに( https://en.wikipedia.org/wiki/Separation_of_investment_and_retail_banking )我が国も追従、そしてこのありさま、手数料の大きい投信(リスクが高い仕組み型)の販売もこれに準ずる

・自動車や電機の検査のずる:本社機能と製造機能の乖離、日本型製造の強みが今やない、ホワイトとブルー・カラーが一体となったワイガヤやTQCが売物だったが、製造への押し付け(Throw Over Brick Wall (壁の向こうに丸投げ))になった

・決算のずる:東芝はじめ不正決算、ITCの海外タックス・ヘヴン利用の課税回避

・しらじらいしい政治家の発言とずる:目くらましと保身、記憶にない・記録にない、その上、居座る、重用する

 

 政治・経済・社会とも倫理(Ethics)の崩壊、強欲と保身の傾向だ。

長期政権の腐敗は安倍、中国の周、ロシアのプーチンに通じる。

低金利のぬるま湯は20年続いているが、アメリカでは高金利によりITCのリストラが始まった。我が国の失われた30年は、新規産業の発展よりも既存産業の競争と停滞を生んだ。

 「よろしかったでしょうか」の言葉を生んだ同調社会、打たれても出る「若い」釘が欲しい

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円安と株価の高さは不可解だ:ミンスキー・モーメントを待つしかない

2022-11-07 02:06:58 | マクロ経済

 90年に留学から帰ってきた。当時は130円/$であった。これは日米の物価を考えると相応だったと感じていた。

 その後、我が国のCPI(消費者物価指数)の上昇はほぼ0だった。アメリカでは平均2%以上のインフレがあり30年で倍増になる。となると65円/$が正しいことになる。( https://ecodb.net/exec/trans_exchange.php?b=JPY&c1=USD&e&s=&ym=Y )

 いくら、アメリカのT-Bond( https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_ActionID=DefaultAID&burl=iris_indexDetail&cat1=market&cat2=index&dir=tl1-idxdtl%7Ctl2-US10YT%3DXX%7Ctl5-jpn&file=index.html&getFlg=on )が4.2%に上がり、我が国が0.25%( https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_ActionID=DefaultAID&burl=iris_indexDetail&cat1=market&cat2=index&dir=tl1-idxdtl%7Ctl2-JP10YT%3DXX%7Ctl5-jpn&file=index.html&getFlg=on )

にしても、2022年のインフレはアメリカ8%、我が国2.5%なら実質ではアメリカの方が実質金利は低い(実質金利:金利‐インフレ)ことになる。

 しかし、日銀が、景気悪化と保有国債540兆円の含み損懸念により利上げができない(やるとすれば政治判断の後ろ盾が欲しい、また黒田総裁も来年春の任期満了まで動く様相がない)ため、利回りの劣る通貨として売り浴びせにあっているとしか思えない。

 また、低利のため株価は維持されている。3%近いインフレであれば0.25%の国債の利回りは実質マイナスになり、借りられるだけ得だ。この資金で当面値上がりを期待しているためアメリカの株価下落に比べ、我が国の株価はあまり下がらない。これは投機に近い。

 世の中、コロナ禍により経済が3年近く停滞、ロシアのウクライナ進行により小麦など原材料が高騰、さらに日米摩擦により交易の利得が減少、中国経済は低迷ならば株価が上がる訳がない。アメリカではITC系のリストラが始まり、住宅価格も下落だ。

 誠に不思議だ。リーマン・ショック前夜のような不気味さを感じる。債券(利上げで価格下落)も、株式(利上げで当然下落)も、海外通貨(円高になると差損)も投資にリスクがある。

ミンスキー・モーメント( https://en.wikipedia.org/wiki/Minsky_moment )を待つしかない

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岸田首相のリカンレント1兆円(5年間)に訝る:企業より大学教育に使うべきだ

2022-10-10 02:00:13 | マクロ経済

 企業が、終身雇用・年功序列制・退職金の3点セットにて企業に尽くす「就社」を高度成長期以降70年近く、2世代を越して続けてきた。ところが、今度はこのメンバーシップ制(4月採用、定期異動、OJT、職位のピラミッド構造)がJob制に変わり常時採用、転職、ICT対応、職務給とフラットな組織・チーム形成が前提と変化しつつある。野球から、サッカーへの転換のようなものだ。

 この教育対応には

①リカレント:企業が実施、ICT対応など 

②リスキリング:自分で勉強、生涯・最新教育対応

③高度な教育:大学などと社会人対応

がある。

 岸田としては、企業の手助けと給与アップには①リカレントが良いと思ったのだろうがそうはいかない。40代以上の出世の先が見えた社員などICTを学んでも挑戦する意欲が低い。学びのモチヴェーションがあまりない。必要不可欠なら対応するだろうが、その間の業務は止まる。

 例えば、医薬の黒字リストラは、新しい商品の提案力と説明力のあるMR確保を狙っている。KKD(経験・勘・度胸)や、GNN(義理・人情・浪花節)営業しかできない人材は、新規の製品マーケティング能力がないためリストラされる。

 このような世代にリカレントは効果がない。むしろ、リストラと再就職支援、学び直し支援の②リスキリングの方が切迫感もあり効果的だ。ただし、50代で難関資格(弁護士、会計士など)を取得しても職務経験がないため、「新人」の給与だ。

 

若い世代はいろいろJob制で②リスキリングにて資格や知識を増やし、自分の価値を高めようとする。ここへの補助は効果があると考える。つまりは、社会人学習の補助だ。育児対応として、学習者の保育園などへの優先入園も効果的だ。

 

さらに、③の高度な教育について、我が国では大学教育への公的支出の割合が低い。OECDの先進国ではGDPの6%程度が、我が国は4%以下しかない。( https://www.oecd-ilibrary.org/sites/12d19441-ja/index.html?itemId=/content/component/12d19441-ja )これが、教育の内容の低下と、教育格差の拡大(つまりは所得格差の拡大)を生んでいる。( https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/44ef3f721ffd27d5fdccb7f3a39271a6 )

また、社会人MBAなど、再教育も更なる補助の対象としたい。世の中、VUCA( https://mba.globis.ac.jp/careernote/1046.html )の時代、自分を守るために「考える」力が必要だ。また、今後の基礎研究などノーベル賞候補を育成する研究者の育成・雇用が必要だ( https://agora-web.jp/archives/221002020345.html )。

 岸田は短期的なバラマキ政策提案が多く、長期に我が国を良くするような政策や思考がないのではなかろうかと訝る

 早稲田の「進取の精神」を全く感じない、聞くだけでなく考えよ

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為替介入は限定的、家計を守るには利上げしかない

2022-09-26 02:28:52 | マクロ経済

 為替介入として外貨準備金約1兆ドルを利用し、ドル売りをしかけているが「びっくり水」の効果しかなく、やがてもとに戻る( https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/fis/kiuchi/0914_3 )為替取引に比べ原資が少ないのが理由だ。

 それより、黒田総裁の矛盾はひどい( https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220922/k10013830841000.html )2.8%のインフレ(物価上昇)なら、年金不足の2千万円を保有としても56万円の目減りだ。それなら、銀行預金を3.5%(税引き後2.8%)にするべきだがコメントはない。その反対に、「今は経済を支えて賃金の上昇を伴う形で物価上昇の目標を持続的に安定的に実現することが必要であって、金融緩和を継続することが必要であると考えている。必要があれば追加的な金融緩和措置を講じる。金融緩和を続けることには全く変わりないので、当面、金利を引き上げることはないと思っている」

 これは株価維持と日銀の国債やETFの含み損回避の方策であり、家計資産(2,000兆円: うち預金の1,088兆円は1%の利上げで11兆円の増加)から、株価維持や日銀の保護への所得移転だ。

 しかも、世界のなかでゼロ金利と金融緩和維持は異常だ。安い円は海外からの不動産投機をまねき、我が国の国債のいびつな利率は信用の下落と国債投機をまねく。さらに、インフレ下のゼロ金利は実質マイナス金利であり経済政策上問題がある。(借りる程、返す時に楽になり、モラル・ハザードとなる)

 我が国は輸入経済が特色でありコスト・プッシュ・インフレに弱い。オイルショックがその実例だ。企業はさらに企業物価が上がり、給与を上げる余裕があるとは思えない。しかも財政政策への移行も原資がない(財政赤字)、有望な投資先がないと手詰まりだ。

 黒田の政策はアベノミクスの出口戦略の失敗だ、家計を守るためにも素直に利上げをするべきだ

 

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