トヨタの問題を考えるのに、GMやGEの変容は参考になると思う。ただしGEは本業が変更になった。祖業の信用を担保に金融に進出したのが特徴だ。
GEやGMはその発祥から官僚的な縦割り、エリート選別、トップの独裁があったと聞いていたが90年代までその影響があったとは初めて知った。
大企業病は東西で変わらずというのが感想だ。
まず、ウェルチのGEキャピタルも祖業の信用によりCP( https://www.ey.com/ja_jp/corporate-accounting/glossary/glossary-a-z/cp )を利用した低利調達資金の運用でありもともと有利な仕組みだ。さらに大損の保険を隠蔽など魔窟のようだ。
さらにGEパワーは将来の維持管理契約の収入参入など、会計のマジックはエンロンと変わらない。
知見は:
・CEOへの権限集中とへつらい、レガシー造りへのこだわり
・マトリクス型のサイロ構造組織(部門毎の閉鎖的階層):複数の階層、複数の上司(ラインと本社など)
・人事の部門異動のローテーション(一部はエリート・コース)、監査として2年のエリート・コースも
・Borg(GEのHub)をコングロマリットの中枢に、階層主義の復活
・Rank and Yank:ウェルチの下位10%を退職させる人事方策→最低の制度
・業績目標の部門での表明と達成:手段は問わない、結果主義、悪いことは失点になるため、伝えない、握りつぶすというのも同じ
・Pivot: CEOの新規事業展開→買収と売却、決めると高値買いも辞さない「目的化」
・役員への過大な経費支出→取りやめに
・リーマン・ショック後のCP発行を政府に救われる、バフェットの$30億の優先株投資
・FRB(IRSではない)の監査:エネルギー会計、保険事業は大損→SEC和解案(2020年$2億 https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-12-09/ge-agrees-to-pay-200-million-to-settle-sec-accounting-probe )
・GEヘルスケアのプレディクス(データ統合と活用)は完成前に売り込み、工場を建ててから社員を雇い、生産ラインを立ち上げてから、設計するようなもので経営陣に現場が従うというぶん投げに近い→我が国でも最近多い
GMも一度破綻したが、GEも3分割の様だ( https://en.wikipedia.org/wiki/General_Electric )ウェルチのCapitalは良い思い付きだったが、後に火薬庫となった。
我が国は、それに比べて長寿企業が多いが、組織や風土はかつてのGEと似たようなものだ。