大まかなMacro Economicsは好きだが、微分のようなMicro Economicsは眠くなる。本論は行動経済学でゲーム理論やプライシング(値付け)などをケースとして分析している。<o:p></o:p>
情報のバイアスや交渉の価格形成などで、モデル化と実験で示している。要点として人はだまされやすいのとだまし方を書いてある。だからと言って、実社会のだまし方は日々発展しているので、この本どおりには行かない。<o:p></o:p>
面白いのは、起る可能性の高低と利得・損失のマトリクス。利得で可能性が高いとリスク回避で国債に(安定運用)。低いと宝くじを買う(夢にかける)、損失で可能性が高いと、ギャンブルで穴狙い(起死回生)、低いと守りで保険(万が一に備える)<o:p></o:p>
さらに「アンカー」は面白い概念で、高いものを置いておくと、次に高いものが売れ安くなるという対比効果で「兼ね合いの対比」を自分の納得という観点で分析している。なるほど、鰻でも松竹梅とあれば、竹に落ち着くわけだ。<o:p></o:p>
「ロイヤルティ」でクーポンやポイントを得するので逃れられないというのも面白い。また格安航空会社で「価格分離(アンバンドリング)」の事例で預かり手荷物15ドルも面白い事例だ。結婚式で、卓上の花だの、案内の封筒だのでどんどん値段が上がっていくようなものだ。<o:p></o:p>
便利なのは、結婚指輪があって薬指の短い方は交渉が弱いとある。なお、吹っかけたほうが結局儲かるという交渉実験結果は面白い。<o:p></o:p>
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まとまりはいまひとつだが、楽しめる。価格のだましが良く分かる。ポイント貯めるくらいなら安い店を乗り換えるのが一番良いと思う。(よくあるのはクーポン中毒だが。。。。)