バルセロナのギャラリー・ホテルはシティ・ホテルであり、スリッパ、バスローブなどアメニティが良く、ベッド・マットはテンピュールとなかなか良い。それでもジェット・ラグと興奮で4時間しか寝られないため2時半からパソコン、予定確認、読書などでうつらうつら。
朝は7時から、ブッフェが始まる。食パンがまだないため、小さなクロワッサン(普通、胡麻、チョコレート入り)などと、ベーコン、ハムにトマト煮がうまい。数種類のジャムの小瓶もある。
フルーツも面取りがあり、丁寧。コーヒーはネスプレッソ。グエル公園の8:30の予約時間がなく、ヨーグルトで仕上げる。
Casa Milaなど、建物と上部の屋根裏(放物線アーチ)その上のオブジェが帽子と飾りの様に乗り、、縦にはボイド(吹抜け)、煙突の換気と階段・エレヴェーターの縦動線が突き抜け、床(結構薄くて揺れる)は薄型レンガアーチと鉄骨補強が特色と考えた。
初めての地下鉄に。清潔で便利、安い。
Park Guell
8時半に予約で8時に行くと、無料で入れた。(途中で車用のグエル公園のサインは大回りになるのを親切なおじいさんが「違うぞ、こっちだ!」と教えてくれた)広場が工事中でなんとも興ざめ。住宅用に斜面開発したというが、車などサーヴィス動線がなく、売れる訳がない。変な公園付きの住宅開発でなんとも言えない。
あまり良いとは思えない。有名な公園のベンチも実物を見るとこんなものかと思った。入口の2棟もお菓子の家みたいだ。鉄の細工も、タイルの細工も感心しなかった。
日本人女性の二人連れに声をかけ、2人の写真を撮るとお礼にこちらも撮ってもらえる。これは使える。なお、チケットのエリアなどよく分からない。
9時半に終わって地下鉄でサクラダ・ファミリア教会に
Basilica de Saglada Familia ( https://en.wikipedia.org/wiki/Sagrada_Fam%C3%ADlia )
待ち時間が2時間あり、1時間はショップでガウディ研究、よく分かる。この後、強い雨のなか、色々見て楽しむがあっという間。周辺は、中層住宅街で違和感たっぷり
外部はキリストにまつわる場面が立体で表現されており、真言密教の立体曼陀羅と曼陀羅の胎蔵界と金剛界を思いだした。ガウディの信仰心の表現だ。
12時に雨が上がり、青空に、良かった。
長い間の建設で流石に様式がだんだん変化、ゴシックの生誕のファサードとアール・デコ(NYのクライスラー・ビルを思いだした)みたいな受難のファサード。受難での兵士はCasa Milla の排気塔にそっくりで、これはガウディの鉄工時代の兜からの形のようだ。骨と筋肉を模しているというが、拷問と昇華のようにも見える。フランドル派のメメントモリの絵とは違う。受難の後、復活したことを受けキリスト教は普遍化し三位一体説とキリストのアイコンにより布教が広まったと思う。
生誕のファサードにある鐘楼のエレヴェーターは止まっていたが、受難のそれは新しいからか動いていた
内部は、白にステンドグラスと飾りの金色のアクセントが映える。これは荘厳というしかないが、派手でもある。すごいなと思うが、宗教空間だ。
イエスの塔は工事中でプレキャストPCをトンボ・クレーンが運んでいた。下は大柱が組んであるが、これでいいのかと思うくらい細い。地震の無い国なら良いが、日本なら幅が2.5倍(断面積で6倍)くらいになるだろう。
栄光のファサードで工事中の柱を見ると、主筋が細い。構造は基本RCで、高層タワーができるのには感心する。異種構造で基礎はどうなっているのだろうか。
外側は物語を語るナラティヴ、内側は祝祭、祈り。加えて鐘楼が音楽。対比が面白い。ファサードなら日光東照宮( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%85%89%E6%9D%B1%E7%85%A7%E5%AE%AE )塔は京都の法勝寺にあった九重の塔( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E5%8B%9D%塔E5%AF%BA )も仏教の複合ゾーンだった。内部の空間演出なら平等院が似ている( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E7%AD%89%E9%99%A2 )しかし、ガウディのように、宗教建築においてファサード、塔、内部空間を一体化してキリスト教の歴史と祭典と音楽を三位一体の「複合化」し「構造的」解決を図ったのだ。
ファサードの装飾、塔の設置、樹形的柱構造(順次建設可能)がガウディの夢と回答であり、独自性がある。しかし、どうも合わない。サーリネン( https://en.wikipedia.org/wiki/Eero_Saarinen )の面白い発想のTWAターミナルやカテナリーのセント・ルイス・アーチなどがすっぱりしていて好きだ。
こんどは、新市街に地下鉄で移動、乗換が不便な駅もあるが、車内に次の駅表示( 各駅で止まったところがLED発光、次の駅は点滅、降車ドアも表示 )と便利。
Porta de la Fience Miralles
門だけ残る。周辺は中層住宅街で、バルコニーは勝手に増築で台湾みたい。トラムも走り、オフィスもある“昔の郊外開発”で堺の雰囲気に似ていた。
駅でうろうろしていると、今度は、おばあさんに“ May I help you?”と助けられた。Fontana駅近くでも写真を撮るときに、引っかけて落としたボール・ペンを若いのが拾ってくれてSir!だった。スペイン人は親切で親和が流行か、日本人というと日本語で話しかけられる。みすぼらしい格好をしているからだろうか。
閑話休題、ガウディの銅像があるが、邸宅はなく、RCの中層住宅があるだけ。研究者向け、観光客はいない。
Finca Guell
€5で厩を見学。龍の門が有名でそれだけ。例の放物線アーチにくり型がついているのが、まあ面白い。庭の側面の塀は、煉瓦を三角に合わせてあり、面白いが壊れかけだ。この三角は石壁の排水口としてもよく使われている。
Casa Vincens
何故か、公開していた。€16 西半分は別の作家で増築とのこと、螺旋状の階段をリニューアルしてある。€16で建築関係者のよう。東半分がガウディの処女作(31歳)で天井は木造の梁の間に色々装飾がある。どちらかというとイスラムの影響を感じた。昔は庭も広く別荘のようだったとのこと。
この後の都市軸であるCarrera Gran de Gracia を下りながらホテルまで歩くのが良かった。両脇には商店街で坂になっていて小粋。2階以上は空中越境でガラスのサン・ルームやコーナー・ルームが見事。北に向かうと高くなっているのは京都と同じ。この界隈を歩いたのは白眉だ。ゆったり、ゆっくり、のんびりした。愚妻を連れてくれば良かった。NYのセントラル・パーク周辺にも似ている。
Loewe
愚妻にAmazona 28 を決めると、おねいさんから「他にもいらない?」と営業がうまい。自分用に転職もするため名刺入れを買う。アッシュとアッシュ系の色でお揃い。
バルセロナ空港で免税手続きの予定。日本より3割はお得。15分で完了すると、おねいさんがえらく気を遣ってくれる。水など持ってきてもあるがすぐ飲み干す。グラシア通りに大きな荷物を持ってホテルに帰り収納。FURLAも安いようだ。
夜の景観
意外と安全であり、Casa Batllo と Casa Milaの夜景など撮りに30分ほど。色々漁って夕食はおしまい。
バルセロナ雑感
エスカレーターは右に並ぶ、なぜか歩行者も右側(日本では左側に避けるのが多い)で調子が狂う。女性も短くなるまで歩きたばこが多い。ごみ入れが至る所にあるが、煙草の吸殻入が付いている。
ホテルも親切で Anguilas(鰻の稚魚) のアヒージョ(昔、ワシントンでMITのフィールド・ワークの旅行の折、スペイン出身の同期が主催で飲みに行きうまかった)を食べたいというと探してくれたが「今日はない!」だった。「予約するぜ!」と気合いの入った男気のある親切だ。
お店でも€が分からないと、「焦るな!」とのこと。€10で2枚出したが返してくれて、小銭を探せだった。大体、カードでどうにかなるが、暗証番号を人前で入れるのはどうかな。それにしても2万円分の€が使い切れない。
バルセロナの方は親切だ。しかも人懐っこい、ヨーロッパの関西だ。街割りはニュー・ヨークを、きれいな大通りはボストンを思い出す。夜も安全なようで、歩道にはテラス席が出る。
こんなに良いとこところとは思わなかった。