政権交代による資金供給拡大を受けてか大阪での開発プロジェクトの推進の話題が多い。なかでも阪急阪神HDが新阪急ビルと阪神百貨店(大阪神ビル)について改正都市再生特別措置法により1,800%の容積率の要望書を大阪市に提出したとあった。下記資料によると梅田阪急ビルは1,800%、グランフロントはA地区(A棟)1,600%、B地区(北のエリア)1,150% 阿倍野ハルカスは1,600%となっている。<o:p></o:p>
参考: 都市再生特別地区 ( http://www.osakacity.or.jp/distribute/pdf/shuyo_pro.pdf )<o:p></o:p>
プロジェクトによって差異があるようだ。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
開発計画について推理するのは面白い。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
要点は:<o:p></o:p>
建築的課題<o:p></o:p>
①阪神百貨店の営業継続<o:p></o:p>
・受け皿(従業員)<o:p></o:p>
・阪急百貨店も近傍にあり、ハービスの商業もある、新阪急ビルも商業利用<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
②2つのビルの間 幅員20m都市計画道路の扱い<o:p></o:p>
・容積移転が楽か:用途不可分<o:p></o:p>
・連結は(あるとしたら)耐震・振動モードの違いからブリッジになるか<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
③阪神梅田駅の建替え<o:p></o:p>
・詳細は不明だが、建て替え中に一時移転など必要なのだろうが知識がない<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
このうち、①については、阪神百貨店の目玉は地下の食品売り場とフードコート、阪神タイガース売り場であるから、大規模店舗扱い(非難階段幅を満たす要件があり、既存建物に適用は難しい)の要件を緩和すれば新阪急ビルへの移転が最もやりやすい。しかし、そうなれば③の阪神梅田駅にからみ時間のかかる大阪神ビルの建て替えを先行することとなり新阪急の開発が遅れる。<o:p></o:p>
但し、梅田エリアのデパートは過剰感もあり、建て替えた阪急百貨店との合同、さらに大胆な話だが、ハービスの活用、新規開発であるヨドバシ2期やグランフロントへの一時移転もありうるかも知れない。<o:p></o:p>
<o:p></o:p>
②の道路の扱いだが、20mの間(柱の太さもあり、22mくらいのスパンとなる)の連結は至難で、聖路加タワーのブリッジのようなものなら考えられる。2ビル敷地を一体化するとL字型の建物となり、振動モードが複雑だ。さらに、デパートは前述のとおり避難階段、バックヤード(納品)など複雑なため、普通に考えると2棟に分割するのが段階開発としてもやりやすい。用途別の分棟にするのが今後の建物活用の柔軟性にも良い( 拙論 http://www15.plala.or.jp/n7ohshima/toshinnkousin.pdf )。 道を越えての容積移転の事例は多く、地下結節の用途不可分(例えば総合設計活用で近隣の2ビルの事例など)や容積移転(再開発地区制度活用など事例など)がある。<o:p></o:p>
<o:p></o:p>
オフィスとして考えると阪神百貨店の外壁線で2,500坪位あり、オフィスならワンフロア1,500坪という広い空間ができる。これで190m(40階+α)なら、長期地震波動対策も必要となろう。新阪急ビル側は1,000坪くらいであり、ワンフロア600坪位かもしれない。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
どちらにしても大阪駅前、または御堂筋沿いの景観を大きく変える開発となろう。長期のプロジェクトでもあり今後とも目が離せない開発だ。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>