不実なトマトに足蹴にされる可哀相なみみず
相変わらず懲りずに下手なマウス描き
不実なトマト(treulose Tomate)はドイツ語の慣用句で
「約束を守らない人」「あてにならない人」という意味です
この慣用句は1920年代から広まったということです。
用例「××は昨日来ると約束したのに来なかった。あいつは不実なトマトだ。」
なぜトマトが不実なのか(つまり慣用句の起源)には幾つかの説があります。
その1
16世紀にトマトが新大陸からヨーロッパへもたらされた当時
実には毒があると信じられていたため、少なくともドイツ語圏では
鑑賞用に植えられだけで、名称も「金のリンゴ」「愛のリンゴ」「天国のリンゴ」
フランスでも「愛のリンゴ」と呼ばれ、
アカデミー・フランセーズ(仏語取締り所)が
「トマト」という単語を採用したのは漸く1835年。
オーストリアでは今でもトマトのことをパラダイザー(天国の実)と呼びます。
要するに、毒があるという迷信が「不実」に結びついたのか、あるいは
19世紀後半にトマトが農作物として大々的に栽培されるようになった当時
栽培に失敗する農家が多かったので「トマトは不実」と思われたのか
その2
第一次大戦勃発当時、イタリアは中立で、むしろドイツ寄りだったのに
加勢すれば「南チロル(当時はオーストリア領)をやるよ」と言われ
英仏の側に立って参戦したので「不実なトマト」は実はイタリアのこと。
イタリア料理はトマトを沢山使いますからね
その3
イギリスの不実な外交態度を皮肉る慣用句が変化したもの
(20世紀初頭からイギリス兵を意味する俗語がトミーで、それをトマトに置き換えた)
ドイツ兵を意味する俗語は
こちら
トマトの実が毒だと思われた背景には、当時の人々にとって
驚くほど美しいことと、同じナス科のジャガイモの場合
地下茎は食べられるのに、実は食用でないといった事情もあったかも
Wikipedia:
トマト
Wikipedia:
ジャガイモ
Wikipedia:
Treulose Tomate(ドイツ語)
ジャガイモの実に関する海月さんの記事
じゃがいもの実
ネムばあ、四十九日