手元に色々日本文化に関する本がありますが、そのうちの3冊です
加藤周一著の「日本文学史序説」ドイツ語版。他の本の文献目録に出てきたので読みたくなり、絶版でしたが、近所の古書店で取り寄せてもらいました。読み応えのある名著です。
中の1ページ:俵屋宗達の作とされる伊勢物語の一場面
Amazon:
日本文学史序説
Wikpedia:
加藤周一
オーストリアの出版社から発行された能に関する本。解説は、あまり丁寧ではありませんが、古い能面と、20世紀に伝統的手法で再現された能衣装の数々、幾つかの舞台写真が見事です。
イギリスの日本学者アイヴァン・モリスの「The nobility of failure: Tragic heroes in the history of Japan」
日本語版は「高貴なる敗北 日本の悲劇の英雄たち」というタイトル。平たく訳すと「失敗する方が上品」
日本史の悲劇的英雄を、暖かく且つ鋭く、やや皮肉を込めて分析。笑える個所が沢山あります
分析されているのは、日本武尊、萬(よろず:日本書紀に登場する兵士)、有馬皇子、菅原道真、源義経、楠木正成、天草四郎、大塩平八郎、西郷隆盛、特攻隊員。
日本語版は絶版のようですが、再版の可能性も・・・
復刊ドットコム
オリジナル版(英語)も絶版のようですが、古本が入手可能:
Amazon.com
私が読んだのはドイツ語版です。これも、他の本に紹介されていました。
Wikipedia:
Ivan Morris
追記:英語タイトルをもっと「実用的」に訳せば、「失敗は名声のもと」あるいは「敗北は名声のもと」。
後世の名声を遅れた成功と考えれば「失敗(敗北)は成功のもと」
著者は、源頼朝や足利尊氏が優れた政治家であったにもかかわらず、悲劇的要素がないため、人気がない、あるいは、むしろ憎まれている点を指摘しています(成功は後世の名声に有害です
)。