みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

ななみみず前身「みみざこ連」




仔ニャンコ・仔ワンコが新たなお家に迎えられるには、いつ頃が良いのでしょうか?
いわゆる「8週齢」問題については、こちらをご覧ください。六つ子の仔猫の動画もあります。

最新記事は、この下です↓
通常1日おきに更新の予定ですが、2日おき、あるいは3日おきになることもあるかも・・・(^v^;)

尾も名も長い

2023-09-23 | おきにいり


現代は大量絶滅時代と呼ばれ、動植物の極めて多くの種が絶滅しつつあります
そうした中で、棲息圏を拡大しつつある逞しい少数派も存在します

一見カラスに似ていますが尾が大きく長いのが特徴。
名前も長いオナガクロムクドリモドキ
アメリカ大陸にしかいないので日本語Wiki(上のリンク)は写真と名前だけ。
詳しくは英語Wikiをご覧ください


魚を食べる




上の写真をWikiコモンズに投降した人は「この鳥が魚を食べるとは知らなかった。多分、入手(入嘴?)できるものは何でも食べるのだろう」とコメントしています。
その通り、オナガクロムクドリモドキは粘り強さと環境への順応性の高さによって、アメリカ大陸での棲息圏を拡大しつつあります。
群れの中の数羽が粘り強く新たな食糧を発見すると、それを仲間たちが学習し、群れの棲息圏が広がっていくということです。
この傾向はオナガクロムクドリモドキの特徴で、近縁種のキタオナガクロムクドリモドキには見られないそうです。



愛らしい




名前が長いのは日本語だけではありません。
ドイツ語はGroßschwanzgrackel
英語はGreat-tailed grackle
Wikiのその他の言語は大抵学名で済ませています。


国際的専門家チームの研究発表の内容を紹介したドイツ語記事




松吉伝

2023-09-20 | おきにいり


私はもう長年、日本のテレビ番組とは無縁に過ごしてきたので「落第忍者乱太郎」を知ったのは日本アマゾンのHPでした。
それからずっと乱太郎のファンで、あるとき著者の尼子騒兵衛がインタビューの中で好きな作品として「風雲児たち」を挙げていたので、それからずっと「風雲児たち」や外伝も読んでいます。
両作品とも単なる武勇伝や英雄伝でなく、批判的でユーモラスな視角が素晴らしいと思います。

その1冊が「風雲児たち外外伝・松吉伝」です。






上にリンクしたWiki記事にもあるように、この漆原松吉という人は日本近代史における舞台裏の傑物なのです。
とりわけ日露戦争中は、明石元二郎の部下として諜報活動に活躍したようなのですが、上官である明石との約束で、遂に自分の行動について語ることなく世を去りました。

松吉は田中庄造を敬愛する正義派で、日本統治下の朝鮮半島で警察署長をしていた時代には、社会主義者を自宅に匿ったりしています。
この松吉の親友だったのが甘粕正彦なのです。

私が甘粕正彦に関する従来の記述(大杉栄を虐殺)に疑問を持つようになったのも「松吉伝」からです。

・・・と言うわけで、赤と虎で紹介し、わたしの名は赤で読み始めの感想(期待外れあるいは予想外れ)を書いたGrosses Spiel大博打に戻ってきました。
・・・と言うわけで、気が進まないながら、やっぱり読んでみようかなと思っているところです。


「風雲児たち」は著者の逝去により未完となり残念です。あと数巻でも書いて欲しかったと思うのですが仕方ありません
「乱太郎」の方は又新刊が出るのを楽しみにしています





猫の恋

2023-09-17 | かりねこ


前回書きましたように、「赤」に続けて読みだした「大博打」が期待外れというか予想外れで失速
ところが「赤」以来の「読書ハイ」が残っていて何か読まずにいられない気分・・・そこで数年前に買ってそのままになっていた「仙厓の〇△▢」を読み出しました。

この本を買ったのはNZZ仙厓義梵を紹介する記事が載っていたからです。


仙厓作品のひとつ、実に愛らしい「猫の恋」(他の字は読めません





ときたま自分の出身国の人物・事象について他国で知る、ということがあるものです。
私の場合、仙厓義梵もその一例
新聞の切り抜きは、どこかに潜り込んだままで、HPの記事は途中までしか読めません。しかし、Wikipediaの各国語記事の中でドイツ語が詳しいので、ドイツ語圏で仙厓の評価が高いと判ります。

東京の出光美術館に大規模な仙厓これくしょんがあるそうです





わたしの名は赤

2023-09-14 | おきにいり


前々回で本が到着し、前回読みかけだった

Rot ist mein Name

先を読まずにはいられない面白さで、550ページを1週間で読み終わりました 伏線と言うか、思いがけない展開や肩すかしがあり、最後まで「油断のならない」物語です


英語Wikiの記事で述べられているように、中心的登場人物の名前カラは、トルコ語で「黒」を意味します。
つまりトルコ語読者は、常に赤と黒を意識して、あるいは潜在意識の中で対比しながら読むのでしょうね。

各章は様々な語り手が一人称で登場します。最初に登場するのは殺されたばかりの死体です。馬や犬や木や贋金も語ります。一番多く登場する語り手はカラですが、一度だけ「赤」も一人称で登場します。
この物語の本当の主人公は「赤」と細密画、そして、パースペクティブによる西洋絵画と細密画の間の相克です。

オスマントルコの細密画については英語Wikiに詳しい記事があります,
Ottoman miniature



オスマントルコの細密画2例









オスマントルコの細密画工房の様子





  



さて、前々回に触れた「大博打」も読み始めたのですが・・・
甘粕正彦が一人称の語り手です。ところが70ページまで読んだところ、大正天皇が少し登場する以外、殆ど大杉栄のことばかりなのです
私が読みたいのは甘粕正彦のことです。満州国とは何だったのかという問題です。まあ、オーストリア人から見れば大杉栄が焦点になるのかも知れませんが・・・
それで、この本は途中放棄しています。気が向いたら又読んでみるかも、かも





赤と虎

2023-09-07 | おきにいり


以前に2回触れたことのあるトルコの作家オルハン・パムクの「我が名は赤」を遂に購入しました。
オルハン・パムクに触れた記事
更に補足
トルコの選挙






ドイツの出版社フィッシャーから発行されたドイツ語訳です。ペーパーバックでも550ページあります。
オスマントルコ時代の1591年、イスタンブールを舞台とする歴史小説で、当時の芸術の粋を集めた豪華本を制作する工房の物語ですが、殺人もあり恋愛もあります。
このペーパーバックの表紙も素晴らしいと思います。使われているのはジェンティーレ・ベッリーニの「座るトルコ人書記官」です。つまり描かれているのは正しくオスマントルコの書記官です。
この小説については秀逸な紹介記事があります

日本語版では「私の名は赤」ですが、ドイツ語版は「赤が私の名前(ロート・イスト・マイン・ナーメ)」です。これは「私の名前は赤(マイン・ナーメ・イスト・ロート」とすると、以前に触れたドイツ語の慣用句「我が名はウサギ(マイン・ナーメ・イスト・ハーゼ)」と同じような響きになるためではないかとも思われますし、ドイツ語では赤が先に来て美しい響きになっています。



もうひとつ新刊の書評で惹きつけられたタイトル「Grosses Spiel(グローセス・シュピール)」中央に日本語(漢字)で「大博打」とあります。




書評の中のキーワードが大正デモクラシー関東大震災甘粕正彦となれば、読まずにはいられません。
オーストリア人の作家が何故これらのキーワードをテーマにできるかと言えば、ドイツと日本のハーフの友達があるからです。
ただ、以前に読んだこの出版社の新作小説が実につまらなかったという悪い記憶がありますが、今回は傑作でありますように・・・

現在「赤」を夢中で読んでいるところなので、続きは後日書くことになります。





鳥と狐

2023-09-04 | ことば


「早起きは三文の徳(または得)」という諺は良く知られていますね。
英語・ドイツ語その他幾つかの言語では「早起き鳥は虫を取る」となります。
英語:The early bird catches the worm
ドイツ語:Der frühe Vogel fängt den Wurm
他の言語省略(他の言語についてはWiktionaryをご覧ください)






では狐さんは何をするかと言うと・・・






Sparfuchs(シュパールフックス)と呼ばれて節約家のことです。しかも悪い意味ではなく「賢明な消費者」と言ったニュアンスです。
これは今まで見たところではドイツ語だけのようです。






通報対象その2

2023-09-01 | その他


今年になってオーストリアで通報対象となったのはヒトスジシマカでした。以前の記事

最近になって更に通報対象が紹介されました。アジア産オオスズメバチです



ミツバチを食べるオオスズメバチ





アジア産オオスズメバチは2004年に東南アジアから何かに紛れてフランスに「入国」したのが最初だそうです。
それが産卵可能な女王蜂だったためヨーロッパ諸国への拡大が始まりました(雄蜂や働き蜂の場合は増殖不可能)。
2015年にはフランス全域のほか、ポルトガル、スペイン、ドイツへ広がり、2016年にはイギリスへ到達。
2017年にはスイスで女王蜂が確認されました。


これがアジア産オオスズメバチの女王蜂だそうです。





最近になってハンガリーで目撃情報が増えているため、オーストリアでも関係機関が養蜂業者に警戒態勢を呼びかけるとともに、目撃情報を求めています。素人には判別が難しいので、ハチの写真と目撃地点情報を送るように、ということです。

ヨーロッパ在来のオオスズメバチ同様、アジア産オオスズメバチも、危険を感じない限り人間を襲うことはないそうです。


外来種というのは全世界的に問題になっているのですね