一応、ゴタゴタが一段落しまして・・・バスに乗るスリルについて
このスリルは、どこでも味わえるわけではありません。
私の場合ダマスカスでバスに乗るたびスリルでしたが、この「スリル・バス」は他の都市でもあると思います。
古い写真を探したのですが、意外にも当のバスが写っているピンボケ写真がないのです。
それで、いつものようにウィキ・フリー画像をアップします。
私も良く通った道路のように思いますが、似た道路が色々あるので特定できません。
通りを埋め尽くしているような黄色い車はタクシーです。
私たちが普段乗るようなバスは、ダマスカスでは殆ど長距離路線だけに走っていて、市内の移動にはマイクロバスが走っています。
上の写真で言うと、一番手前の右から2番目。座席は大抵10席から12席。
乗車券というものは無く、現金で運転手さんに払います。後ろの席に座った人は、前の人に頼み運転手さんまで順送り。
ぴったりの小銭がある場合はいいですが、おつりをもらう場合はややこしい。
地元民の方々は手馴れていて、順送りで集まったお金を誰かが人数を言って運転手さんに渡し、また順送りにおつりが戻ってきます。
乗車賃支払いもスリルですが、乗り降りもスリル。
まず、満員の場合は止まってくれません。マイクロバスなので、しばしば「満員素通り」です。
あるいは自分しか乗る人がいない場合は、手をあげて合図しないと、無関係の通行人と思われ無視されます。
乗る人が多い停留所では、満員になってしまい、取り残されることもあります。
始発の停留所で、すいたバスに乗ると、満席になるまで発車しません。それで20分くらい待つことも・・・
降りるときは声をかけて停車してもらいます。一般的な合図の言葉は
「アラ・ル・ヤミーン(右へ)」と「ラウ・サマフタ(お許しいただければ=つまり「お願いします」)。
降りる人の多い停留所は、地元民の誰かが声を掛けるので「便乗下車」。
自分ひとりが降りる場合はタイミングよく声を掛けねばなりません。よそ者の私には、とてもスリルがありました。
停留所はあるのですが、無いようなもの。どこでも乗れるし降りられるのです。
空席のあるバスなら、停留所でなくても手をあげれば止まってくれるし、停留所以外でも上記の合図で止まってくれます。
この現象が意味しているのは、人口急増・市街地の拡大にインフラストラクチャー整備が大幅に遅れているということでしょう。
私が滞在した家のマイカーに乗せてもらったことも多いのですが、バスの通らない道で歩いている人を見ると、行き先を尋ね、同じ方向なら乗せてあげていました。
こういう状態なので、やむを得ずタクシーに乗るということも多く、上の写真のようにタクシーが道路に溢れることも・・・
既に4年来、内戦状態のシリアでは、インフラストラクチャーも、むしろ退化・悪化しているのではないかと思います。
シリア出身の友達の話では、外国からのテロリストが一番悪いということです。早く平和になってほしいのですが、まだまだ長引きそうです。
Wikipedia:
シリア
Wikipedia:
ダマスカス
Wikipedia:
シリア騒乱