アクア・アルタで
MOSE計画を紹介しました。
この大規模な「ヴェネチア救済プロジェクト」は既に1986年に予告されたにもかかわらず遅延を繰り返し、漸く2003年から工事が始まり、当初の予算額を大幅に上回り、やっと2020年7月に実用テストが行われました。
そして同年10月には、ヴェネチアの「アクア・アルタ」を防ぐため実際に稼働しました。
稼働中のMOSE防潮堤(不気味な外観で、しかも最終的にヴェネチアを水没から守ることはできないらしい)
しかし、
アクア・アルタで紹介した通り、2019年11月12日には通常水位を187㎝超える水面上昇を記録しています。
2018年、学術誌「
Nature Communications」に発表された記事で研究者は「ヴェネチアが水没するのは確実」としています。
更に
今年発表された研究報告では、数十年以内にヴェネチアは水面下1メートルに沈むと予測しています。
観光なだれでは、ラッシュアワーの満員電車状態になったヴェネチアの写真を紹介しました。
水没に紹介した写真のような状態が「常態」となり、MOSE防潮堤は年間を通じて稼働したままになると予測されています。この場合、生態系と経済活動に壊滅的な影響を与えるでしょう。
陶器店の象に紹介した大型クルーズ船の入港は、
やっと今年8月から禁止されています。
数々の救済策も結局のところヴェネチアの水没を食い止めることはできないようです。
地球温暖化に伴う海面上昇も、ヴェネチア水没を「促進」します
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
それなら今のうちに見ておこうと旅行者が詰めかければ、それも水没を早める要因となるでしょう。
「
旅行者のいない・・・」に紹介したようなヴェネチアは、もう見られないでしょう
あるいは水面下1メートルに水没してからは「旅行者のいないヴェネチア」が見られるかも知れません。もう旅行者が来ないから・・・
それでも奇跡が起こってヴェネチアが救われないかなと思いますが、正直のところ諦めの境地です