新年は目の前に迫りましたが、今年はSars-Cov-2のCovid-19パンデミックで一年が過ぎてしまいましたね
ところで・・・
以前、
ミヒャエル・エンデが言っていました。
古くは宗教的建築(教会など)が集落の中心だった。現代の大都市の中心には銀行が並んでいる。これは間違いだ。
厳密な文章は思い出せませんが、上のような主旨だったと思います。
Die Zeitに掲載されたインタビューだったと思います。
つまり金銭的・物質的なものではなく、精神的な拠り所のある社会こそが、伝統を受け継ぎ持続していく、ということでしょう。
ウィーン旧市街の中心には
シュテファン寺院があります。今も市民の心の拠り所になっていると思います。
上の写真はシュテファン広場です。写真の左外側にシュテファン寺院があるのですが、ランドマークがないと、どこだか分かりませんね。
でも住んでいる人間には判ります。右端の建物の角に「
シュトック・イム・アイゼン」が見えるからです。
「古き良き時代」の写真ですね。誰もマスクをしていません。そして旅行者もまだいない早朝、オレンジ色の清掃車がゴミを集めているところです。
毎年大晦日(シルヴェスター)の深夜(旧年の24時、新年の0時)には、シュテファン寺院の
プムメリンが鳴らされ、新年の到来を告げます。まあ「西洋除夜の鐘」です。
普通なら、この時、シュテファン広場に集まった人たちが抱き合ったり踊ったり大騒ぎするところですが、今年は第3次ロックダウンが1月18日までなので、きっと静かだろうと思います
シュテファン寺院の南側を東へ進むと、外壁に「歯痛のキリスト」が見られます。1420年ごろ制作されたもので、伝統的な「受難のキリスト」像です。伝説によれば、3人の酒に酔った若者が、この像を見て「歯痛のキリストだ」とバカにしたところ、3人とも酷い歯痛に襲われ、この像のところで詫びたところ歯痛が治ったそうな。いわゆる都市伝説というやつですね。
ドイツ語Wikiの写真
保存上の配慮からオリジナルは教会内部にあり、外壁にはレプリカが置かれています。
来年はSars-Cov-2が通常のインフルウイルスとして大人しくなりますように
追記:
ウィーフィル恒例のニューイヤー・コンサートも史上初めて聴衆無しで実施されます。もちろんテレビ・ラジオの中継放送はあります。元旦恒例のコンサートでは、演奏の合間の聴衆の拍手が重要な演出効果となります。
ラデツキー行進曲での聴衆の手拍子も既に「伝統」と言えるほど。それが2021年元旦には全くないのです。
オーケストラのメンバーも勝手が違って困るのではないかと気になりますね。
さて、どんなことになるでしょう