西洋ゲゲゲの
蛇足に続いて東西ドイツのお話です。
これは
ドイツ連邦共和国(旧西ドイツ)の国章
鷲の紋章としては簡略化されモダンと言えますが
悪く言えば、威張っている漫画の鷲みたい
こちらは
ドイツ民主共和国(東ドイツ)の国章
麦が農業、ハンマーが工業、コンパスが技術と見れば
理にかなったデザインですが、なんかイマイチ
東西ドイツのメンタリティの違いや「吸収合併」をめぐるエピソード
ジョークの類は沢山ありますが、ここでは「その前」と「その後」をひとつずつ。
東西ドイツ時代
旅行社のショーウィンドーにステキなツアーの広告が出ています。
一人の労働者が通りかかり広告を見ますが高くて無理。そのときの考えは・・・
西ドイツの労働者の場合:ムム、このツアーに行くため、もっと頑張って働こう!
東ドイツの労働者の場合:国は一体何をしている!けしからん!
合併後
西側のある会社に東出身のトラクター運転手が就職しました。
ある日、運転していたトラクターが壊れると、翌日、その運転手は欠勤。
会社側では、無断欠勤だが、ひょっとして急病か、というわけで放置。
しかし続く数日、無断欠勤が続いて、何故無断欠勤が続くのか問い合わせたところ
運転手いわく「東ドイツ時代は、トラクターが又動くようになるまで1週間は
仕事が無くて休みになったもので・・・」
東ドイツでは完全雇用で一切失業無しでした(他の東欧諸国もほぼ同じ)。
従業員の解雇は廃止されていて、いいかげんに仕事しても解雇される心配無し。
何をどれだけ生産するかは、国が決めるので、ノルマを果たせば、すること無し。
完全雇用で失業者を出さない原則のため、2~3人で足りる部署に数十人働いていたり
仕事のあるときでも、職場でブラブラしている従業員がいっぱい。
出産から老後まで、国の管理で最低生活は保障されていました。
ところが、東の人たちの憧れの的だったのは、西側の派手な消費生活。
彼らは、西側では市場競争が激しく、常に倒産や失業の脅威があることは知りませんでした。
それで、西側へ行けば(あるいは、西側と同じにすれば、合併すれば)
東のような働き(主にブラブラ)で、突然何でも買い放題になるという幻想が蔓延。
もちろん、その幻想は、東西ドイツ再統一後まもなく失望と幻滅に・・・
同じ国が冷戦のため分割された東西ドイツの場合、他の東欧諸国とは違う悩みがあります。
旧東独に対する「郷愁」は、オスト(東)とノスタルギー(ノスタルジー)を結び付けて
「オスタルギー」と呼ばれています