みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

ななみみず前身「みみざこ連」




仔ニャンコ・仔ワンコが新たなお家に迎えられるには、いつ頃が良いのでしょうか?
いわゆる「8週齢」問題については、こちらをご覧ください。六つ子の仔猫の動画もあります。

最新記事は、この下です↓
通常1日おきに更新の予定ですが、2日おき、あるいは3日おきになることもあるかも・・・(^v^;)

旧ドナウ実写

2016-08-31 | そこらへん

水辺の市民に載せた旧ドナウの写真は市のHPからコピーしたものでした。
私、旧ドナウの北端は散歩したことがあるのですが、南の方には一度も行ったことなし 
「そこらへん」カテゴリーなのに、行く用事が無かったんです。地下鉄で旧ドナウという駅はあるのですが、ひとつ手前の国連駅(カイザーミューレン)で降りるか、もっと先へ行ってしまうかで。泳ぐためには、ドナウへ行かなくても市営プールが沢山あるし・・・というわけで全然見たことのない旧ドナウ南部を、やっと偵察に行きました

まず、どこかと言いますと・・・


上(北)から下(南)へ流れているドナウ本流の中ほどに弓形に「添付」されたような部分が旧ドナウ。19世紀末の治水工事で多くの傍流が整理され、この弓形部分が旧ドナウとしてレクリエーション用に残されました。
本流のところに細長い紐のような部分がありますが、これがドナウインゼルで、1972年から1988年にかけて、洪水防止のために造成された人工の中洲です。実際に、ヨーロッパ各地で洪水が起こったときにもウィーンは無事で、中洲の有効性が証明されました。


1)地下鉄の旧ドナウ駅近く:普通の住宅地です

どこに旧ドナウがあるのか

2)通りの柵や生垣から覗くと水面が見えます


3)つまり河岸にある個人の住宅の庭の一部(多分水面は公有地)


4)


5)振り返るとドナウタワー(英語ウィキですがパノラマ写真があります)

タワーの上には展望台と回転レストランがあります

6)岸辺に出るため市営「河浴場」に入りました

もっと歩けば無料の岸辺があるのですが横着しました

7)芝生と岸辺(平日の午後)


8)白鳥さんと子供たち


9)岸に着いた子供たち


10)羽繕いする白鳥さん


11)バタバタッと伸びをして・・・


12)泳ぎ始めました


13)子供が泳いでいきます

遠くに見えるのはウィーンの森の一部レオポルツベルク

14)沖の休憩所(いかだ)に着きました


15)さっきの白鳥さんが泳いでいます



世界一「国籍の多い」河ドナウ



続きます でも、いつも通り乞無期待





石の花とドードー

2016-08-29 | その他

自然史博物館の展示品の中でヴィーナスと並ぶ貴重品が「石の花」、つまり宝石の花を沢山集めて花束とした美術工芸品です。




マリア・テレジア女帝が夫君のフランツ・シュテファンにプレゼントしたもの。

以前は、宝石を使ったというだけで派手でつまらん、と思っていましたが、今は貴重な宝石あるいは鉱物のコレクションであり、美術工芸品であると思うようになりました。
この花束には2863個の宝石が使われ、重さ2.8kg、高さ50cm、花瓶は水晶製で、葉には絹が使われています。マリア・テレジアが夫君の名の日に贈ったものとされます。
ゲーテも、この花束に言及し、フランクフルトの宝石商が制作に参加していると述べていますが、これが事実なら、準備段階の作業を担当したものでしょう。最終的には、ウィーンの宝石商ミヒャエル・グロッサーが1760年頃完成させました。(出典:独語ウィキ

鉱石や宝石を研究・収集するのは、当時の王侯貴族にとって趣味であり、義務でもあったようです。自らの所領で貴重な鉱脈や宝石を発見することは、自国あるいは所領の経済力強化に不可欠の要素だったからです。今でも、自国内に資源があるかどうかは、どの国にとっても重要な問題です。

今まで、おんぼろデジカメでは良く写らないと思ってアップしなかったのですが、ミュージアムショップで絵葉書を見つけ、これならスキャンしてアップしても、どんなものか分かりやすいと思い初めてアップ
で、そのとき貴重な発見をしたのです


ドードー鳥の骨格と復元模型(の絵葉書)です



ヒャー、ウィーンにもいらっしゃったんですね
展示品があまり多いので、実は今まで自分で発見したことがないのです
それで、はるばる牛の瀬博物館にまで見に行ったもんです。
まあ、アリスからドードーにたどり着いた場合、ドードーはオックスフォードで会うものという思い込みが強くて・・・

それにしても、天敵が存在せず飛べなくても生き延びてきたドードーが、人間によって剥製も残せないほど絶滅させられたという史実は恐ろしく悲しく、人類への大きな警告なのですが、今もどんどん貴重な動植物が絶滅しつつあるのは、一体どうしたことでしょう





マチルダの肢

2016-08-27 | その他

オーストリアの新聞HPに紹介されていたお話。

ドイツで野生のコウノトリが肢を失い、義肢を付けてもらいました。



このコウノトリは、釣り糸が絡まって右肢の下半分を失いました。野鳥保護センターに持ち込まれ、マチルダと名付けられ、手当てしてもらっています。
普通は人間のための義足などを作っている専門家が、マチルダのため義肢を作りました。「取り付け」のときもマチルダは落ち着いていたそうです。
獣医さんの話では、義肢もピッタリなので、後は筋力を回復するリハビリ・トレーニングをさせてやれば歩けるようになるということです。

野生のコウノトリの救助・手術やリハビリまでできるのは、国内が安定していて施設が揃っているからです。
シリアも含めて世界中が平和で安定しているのが理想ですが、それは、まだ遥か彼方・・・

マチルダはヨーロッパで一般的なシュバシコウです。ウィキ:コウノトリ科






国境の町

2016-08-25 | ぴんぼけシリア

イタリア中部でマグニチュード6.2の地震がありましたね。
しかし同時に驚いたのが、トルコ軍地上部隊のシリア進攻です。
24日にトルコ軍が攻撃し始めた国境の小さな町ジャラブルスには、17年前に行ったことがあるのです。
その時のピンボケ写真です。


あの辺に少し店があるかな?というような町


サハラ砂漠にも、こんな町があります


この道を進むとユーフラテス川にぶつかります


有るか無いかわからない耕地の傍らで休む人々

ここでお茶をご馳走になりました

いったい今この人たちはどうしているんだろう、生きているだろうか、と心配になります。

ユーフラテス川

向こう岸はトルコです

ユーフラテス川の岸辺で、クルド人グループに会いました。PKK(クルディスタン労働者党)の支持者のようでした。以前に私が通っていたアラビア語コースの先生がクルド人だったなどと話したので、PKKのバッジを記念にくれて、禁止されている党だから他人に見せないようにと言われました。シリアでは誰にも見せませんでしたが、持ち帰り、今でも引き出しのどこかにあるはずです。

これまでにも少し書きましたがシリア内戦はますます混迷の泥沼に入り込んでいます。
内戦と言っても、周辺国(トルコ、サウジアラビア、イラン、ロシアなど)の利害が交錯する代理戦争となっています。

新聞のHPからコピーした勢力分布図

ジャラブルス(Jarablus)の位置がわかります

赤がシリア政府、黄土色がクルド人、グレーがIS(イスラム国と称するテロ集団)、明るい緑が全然統一されていない反政府グループ、濃い緑がファタハ戦線(原理主義者)、茶色が混合(競合?)地域。そして国境南のグレートと白のストライプ部分が、トルコが中立化を要求している地域です。

アメリカは今のシリア政府とISには反対なので反政府グループを支援していますが、空爆や物資投下の支援だけでは戦況を根本的に打開することはできず、だからと言って地上部隊を派遣するのは危険すぎます。
ロシアは昔からシリアの支援国だったので、今もシリア政府を支援。イランもシリア政府を支援しています。従ってロシアとイランの敵は、反政府グループとISということになります。
サウジアラビアは反シリア政府ですが、今はイエメンも攻撃しています。イエメンの2015年内戦参照。
トルコは反IS・反シリア政府ですが、トルコの最大の「敵」はクルド人で、クルド人がトルコの領土の一部で独立することを、どうしても阻止したいのです。
トルコが遂に地上部隊を送り込んだことで、事態がエスカレートするのではないかと心配です。
私の友達(アッシリア人)の出身地カミシュリはクルド人地域ですが、トルコが進攻するかもしれません。


事態はとても複雑なので、詳しくはウィキでご覧ください。
シリア騒乱(時々刻々事態が変化するのでデータが少し古くなっています。多分そのうち更新されるでしょう。)
クルド人
ダマスカス
アレッポ
イスラム国


 今日の蛇足

以前、日本から来た人が「ここは地震がないから楽だね、ただ石を重ねればいいからね」と言っていましたが、ヨーロッパでも地震地帯はあります。
イタリアとギリシャが多いように思います。それでも、昔ながらの石造建築も多いので、マグニチュード6ぐらいでも、建物が沢山倒壊します。
日本の耐震建築は世界一だと思います。それでも、どんな天変地異にも100%安全ということはありえません。
世界の地震分布図






夜明け前のマグロ

2016-08-23 | その他

私が長年定期購読しているNZZ(新チューリヒ新聞)には日本の記事が良く載り、紹介しようとしているうちに、記事が溜まり過ぎ、どんどん古くなってしまうことが多いのです
今回は8月20日付け、経済面の「世界の市場」というシリーズ記事のひとつです。


タイトルは「夜明け前のマグロ」

上の写真は大手卸売り業者のプラスチック人形
下の写真は競りに並んだマグロ

築地卸売市場(東京都中央卸売市場)の様子を、早朝のマグロ競りを中心に紹介したルポルタージュ記事です。
もうすぐ卸売市場が江東区の豊洲に移転するので、取材に出掛けたのでしょうか?
NZZは良く、こうした特別取材による面白い記事を載せます。私がNZZ愛読者である理由のひとつです。

既に市場や競りの様子を見学できることは、チラッと聞いたか読んだかしていましたが、外国からの旅行者も見学に来るんですね。
日本あるいは東京観光の重要な名所だそうで・・・

午前2時には既に見学希望の人たちが集まり、中にはオランダ人の家族連れやフランス人、アジアからの旅行者も混ざっていたそうな(もちろん、スイスからの取材班も)。

マグロはどんどん買い手がつくが、符丁や合図を知らない素人の見学者には、成り行きを追っていくのが難しい・・・そうでしょうね。

マグロのほかにもウニ、アワビ、その他多様な海産物が朝8時頃には大方売れてしまっているようです。その日に売るためには当然ですね。

豊洲移転については今も賛否両論があるようです。大手業者には影響ないものの、市場内で小規模店舗や寿司店などを経営する人たちには、客が減るなどマイナスの影響があるかもしれないということです。中には「客を失うかもしれないが、新しい客が獲得できる」と意欲的な人もいます。

そうそう、築地魚市場(近く豊洲魚市場)は世界最大の魚介類市場だそうで・・・知りませんでした


詳しくはウィキでご覧ください:築地市場


      

ちょっと前のことですが、ラジオで「はだしのゲン」が、15分ずつ4回シリーズで紹介されていました。英語以外にも、ドイツ語を含め色々な言語に翻訳されています。
先週の土曜日には、これもラジオで、タイトルは忘れましたが、今も仮設住宅で暮らす人々を紹介する「福島その後」番組がありました。








今年の鳥

2016-08-20 | おきにいり

この間、自然史博物館NHMに行ったとき「今年の鳥」が紹介されていました


ゴシキヒワ


もちろん、初めて見る鳥だったので、ショーケースにあるStieglitzをググって日本語名にたどり着きました(英語はGoldfinch)。
オーストリアの自然保護団体と野鳥保護団体が毎年「今年の鳥」を選んで紹介しているようです。

日本語ウィキでは保全状況LCとなっていますが、あらゆる野生の動植物同様、ゴシキヒワも人間による自然破壊の被害を受けています。
年間を通じて種子を食料とするので、草、潅木、木々の豊富な自然がなくなると生きていけません。
このため、オーストリアの自然保護団体と野鳥保護団体が「今年の鳥」に選んだということです。

アザミの種子を好んで食べるためDistelfink(アザミヒワ)という別名があります。
アザミにトゲがあるため、茨の冠への連想からキリスト受難のシンボルとなり、またキリストそのもののシンボルとなっていて、美術作品や文学作品にも登場します。日本語ウィキでも言及されていますが、美術作品は英語ウィキドイツ語ウィキで見られます。

綺麗な鳥なので、飼い鳥にする人もありますが、野生のゴシキヒワを捕獲するのは法律で禁止されており、専門の繁殖業者からのみ入手できます。飼育する場合は事前に基礎知識を身につける必要があります。手乗りにもなるようです。(出典ドイツ語ウィキ)

さえずるゴシキヒワ




アザミの種子を食べるゴシキヒワ



この動画はオランダ語です。綴りが似ているのでYouTube検索で見つけました。


以前のNHM記事
女帝のお膝犬
ちょびっとニャン
恐竜の家外側
地質美女
恐竜の部屋





現代デザインの古典

2016-08-17 | おきにいり

MAK(オーストリア応用美術館)の重要部門のひとつはユーゲントシュティルアール・ヌーヴォー)です。その一部をピンボケ写真で・・・


1)日本の陶器かと思いますがユーゲントシュティル


2)ダーゴベルト・ペシェのキャビネット

これも、日本の飾り棚かな?とも思えます

ダーゴベルト・ペシェはウィーン工房の重要なデザイナーでしたが、早世したため、その豊かな才能を全面的に作品として遺せなかったのは残念なことです。このためウィキ英語版に僅かに記載があり、詳しい経歴はドイツ語ウィキに紹介されているだけです。

ウィーン工房についても、やや詳しくは英語ウィキ、最も詳しいのは独語ウィキです。

3)ユーゲントシュティルの展示フロア

奥のほうにグスタフ・クリムトの壁画の原画が展示されていますが今回は省略

4)ヨーゼフ・ホフマンのガラス・デザイン

薩摩切子にも似た雰囲気があります

5)カール・オットー・ツェシュカの扇子


この人もウィーン工房の重要なデザイナーでしたが、あまり知られず、英語ウィキに短い記事、独語ウィキに詳しい記事があります。

6)ヨーゼフ・ホフマンのナイフ・フォーク類


7)コロマン・モーザーのキャビネット


8)アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデの曲線的な机


ヴァン・デ・ヴェルデは多種多様な曲線机のバリエーションをデザインしています。

9)まるで床脇のような棚

デザイナー忘れました(また見に行ったときに補足する・・・かもかも)

10)まるで日本の磁器のようですが

これもユーゲントシュティルです

11)これは本当に日本の工芸品

隣のショーケースにありました

当時はジャポニズムの時代ですし、ユーゲントシュティルの芸術家の中にも日本の工芸品を賛嘆している人たちがいるので、似通ったところがあるのは当然かもしれません。

「日本人が使っている日用品は芸術作品だ、彼らは芸術としての生活を実現しているのだ」と言ったのはヨーゼフ・ホフマンだったかな・・・
大分前に読んだ本で、記憶がやや不明瞭ですが、また確認して、別の人だったら訂正します。

さて最後は、まるで違ったデザイン遊び

12)椅子サンダル

現代デザインの部門に展示されています

巨人だったら本当にサンダルとして使えそう(かかと部分が弱いけど)
普通の人間には、椅子部分も使いにくいし、サンダル部分も寝椅子にはならないし・・・
笑うためですかね


以前のMAK記事
台所革命
実写MAK
応用美術館






パイロット祭

2016-08-15 | ことば

8月15日と言えば、カトリック教会では「聖母マリア被昇天の日」で、ヨーロッパの多くの国(特にカトリック国)で祝日となっています。


聖母被昇天の絵画は沢山ありますが、私が傑作だと思うのは、ティツィアーノの作品です。



ヴェネチアサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会の中央祭壇画となっています。
近くにあるスクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコティントレットの大作の数々があるので、ヴェネチアに行く度にフラーリとサン・ロッコには必ず行っていました。


・・・以上は今回の本題ではありません

「マリア被昇天」はドイツ語では「マリエ・ヒンメルファールト(ウムラウトを避けるためカタカナ)」で、Himmelfahrt(ヒンメルファールト)を直訳すれば「天空飛翔」となります。
それで、誰か「パイロットのお祭」と訳した人がいたそうな・・・

ウィーン大学翻訳・通訳科で勉強していた頃、同学科の名物教授の定番ジョークでした。キリスト教圏以外の国から留学していた人だったのでしょう。知り合いの工科大学の先生からは「日本人じゃないの」と言われましたが、確かモンゴルの留学生だったような・・・
記憶は曖昧です

名物教授には色々ジョークの持ちネタがありましたが、もうひとつ・・・
「皆さん、オウム(ドイツ語でパパガイ)の女性形を知っていますか?」というもので
本人が答えて「はい、ママガイですね。」





鉄手と鼻道

2016-08-13 | そこらへん

地名を調べていたときに2つのYouTube動画を発見。いずれもマウンテンバイク(あるいは単に自転車)で坂を下る様子です。


これは「鉄の手Eiserne Hand」



「鉄の手通りEisernenhandgasse」という道の俗称が「鉄の手」です。
通りの名前は「鉄の手Zur Eisernen Hand」という食堂に由来。
ウィーンで最も傾斜の大きい坂道のひとつだそうで、マウンテンバイクのルートとして人気があるようです。


こちらは「鼻道Nasenweg」(花道ではない)



まるで鼻のように急傾斜なので、この名前があるそうです。
高い低いに関係なく人間の鼻は皆「急傾斜」です。

いずれの道も、ウィーンの北側、ウィーンの森の丘陵地帯南斜面を市街地へ向かって下るルートです。
足漕ぎ自転車で上がるのは大変でも、下るのは気持ち良いでしょうね


もうすぐゴタリング終了予定 でも乞無期待





芸術の連鎖 月の光

2016-08-09 | おきにいり

ラジオでフォーレの「月の光」が放送されて、そういえば大好きな曲だったと思い出しました。
(フランス語のアクセントまたはイントネーションだとフォレーのようですが「日本語ではフォーレ」というところでしょうか。)
フォーレ自身が曲について「ヴァトーの絵の雰囲気」と言っています。

曲のイメージとしていつも思い描いていたヴァトーの作品「シテール島への船出」

パリにある1717年の作品


ベルリンにある1718年の作品


これは「雅な宴(フェート・ギャラント)」というジャンルの風俗画で、当時(フランス革命前)の宮廷人の宴をテーマとしています。

こうした絵画にインスピレーションを得て、ヴェルレーヌが「フェート・ギャラント」という詩集を発表し、その中の「月の光」にフォーレが作曲しました。ドビュッシーも同じ詩に作曲しています。

彼らは愛の勝利と快適な生活について短調で歌い、一向に幸せそうには見えない」というのが核心部分です。
革命後の世代から見れば、貴族の「雅な宴」が、まもなく革命によって押し流され、恐怖政治やナポレオン戦争の混乱が続くと知っているからでしょうか。ヴァトーは革命を予測していたとは思えませんが、潜在意識の中で予感していたかも知れません。あるいはヴァトーが早世だったためでしょうか。

YouTubeに色々ある中から、これを選びました。歌っているのはレジーヌ・クレスパンです。




ヴェルレーヌの歌詞は英語ウィキで英語訳がついています。
ピアノの旋律と歌が美しく交錯し、月の光にきらめく庭園の泉水が髣髴として浮かび上がります・・・が、ヴァトーの2つの絵に月はありません。
そもそも、ヴァトーの絵は船出なのか、既にシテール島から帰途につくところなのか、それも論議があるようです。
はっきりしているのは、ヴァトーの絵画→ヴェルレーヌの詩→フォーレやドビュッシーの曲という芸術作品の連鎖です。


フォーレが作曲し「月の光」も加えた組曲:マスクとベルガマスク

英語ウィキにある項目
フェート・ギャラント
キティラ島への船出(アフロディテの島とされるキティラの仏語発音がシテール)



もうちょっとでゴタリング終了です。これからも宜しく でも乞無期待