ステゴサウルス(捨て子サウルス)と同様、日本語話者には「おお、それ見よ!」と聞こえる名高いナポリ民謡
この写真はヴェネチアで、ナポリとは全く違った世界です。尤もドイツ語によるサブタイトルが「美しいイタリアの最も美しい歌の数々」となっていますから、ヴェネチアの写真でも構わないのでしょう。
もちろん「O sole mio」が「私の太陽」であることは知っていましたが、歌の出だしの「何と素晴らしいことだ(Che bella cosa)」の後はさっぱり分からない
一応ウィーン大学で第二外語としてイタリア語を勉強したのに何故分かんないんだろう?と不思議に思いつつ、特に好きな歌でもないので長年放置していました
最近になって何気なくWiki検索しまして・・・ナポリ方言だから分からないのだ!とやっと気付きました(遅い、遅すぎる!)
日本語Wikiオー・ソレ・ミオに解説のほか、原詩、標準イタリア語、日本語訳もあります。
もう何年も前にウィーン訛りによる劇を見たことがあります。出演した友達が事前に「直接聞いただけでは分からないよ」と脚本を貸してくれたので、文字から標準ドイツ語へ遡り、劇の内容を楽しむことができました。「オー・ソレ・ミオ」もナポリ方言とイタリア語が並んでいるのを見比べるとナポリ方言の方も理解できます。
これも大分前にイタリア人の知り合いと立ち話をしていて、近くにイタリア人旅行者らしきグループがお喋りしているので、知り合いに「何を話しているんだろう」と尋ねたところ、「南イタリアの方言だから分からない」という返事でした。
こういう話は世界中の殆どの国で起こるでしょう。方言が無いのは
バチカン市国など例外的な国々だけだろうと思います。
言語つまり方言のほかにメンタリティー(気質)の違いというものがあります。
ナポリは外国では「美しいイタリア」の代名詞のようになっていますが、国内ではナポリ以外のイタリア人(主として北イタリア人)からは随分軽蔑されています。
以前イタリア語集中コースのため滞在したシエナは独自の世界を形成しているので、ひょっとしてナポリにも共通するところがあるかと思い、コースの先生(
ガキどもの先生)に「シエナはナポリと似ているのでは?」と言ったところ「そんなことシエナ人に言ったら殺されるよ」と怒られました。
あれには本当にビックラしました
古い記事「
みそか猫」でも紹介しましたが、原作では「ナポリの古い貴族の家柄」と名乗るマウリツィオは、イタリア語版では「プロヴァンスの古い貴族の家柄」を名乗るモーリスとなっています。
イタリア人のナポリに対する蔑視の原因・本質は謎です