みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

ななみみず前身「みみざこ連」




仔ニャンコ・仔ワンコが新たなお家に迎えられるには、いつ頃が良いのでしょうか?
いわゆる「8週齢」問題については、こちらをご覧ください。六つ子の仔猫の動画もあります。

最新記事は、この下です↓
通常1日おきに更新の予定ですが、2日おき、あるいは3日おきになることもあるかも・・・(^v^;)

カタツムリ

2023-12-01 | ことば


「食べるカタツムリ」・・・と言ってもエスカルゴではありません。


これがドイツ語圏の「食べるカタツムリ」





日本で言えば菓子パンの一種で、渦巻き状に焼かれたものを、ドイツ語圏では「カタツムリ(Schnecke=シュネッケ)」と呼びます。
フランス料理として有名な「食べるカタツムリ」は、大体どこの国でも「エスカルゴ」と呼ばれているようです。

日本ではカタツムリナメクジは名前からして全く違いますが、ドイツ語では「関係者」扱いで、ナメクジは「裸のカタツムリ(Nacktschnecke=ナックトシュネッケ)」と呼ばれます。





鳥と狐

2023-09-04 | ことば


「早起きは三文の徳(または得)」という諺は良く知られていますね。
英語・ドイツ語その他幾つかの言語では「早起き鳥は虫を取る」となります。
英語:The early bird catches the worm
ドイツ語:Der frühe Vogel fängt den Wurm
他の言語省略(他の言語についてはWiktionaryをご覧ください)






では狐さんは何をするかと言うと・・・






Sparfuchs(シュパールフックス)と呼ばれて節約家のことです。しかも悪い意味ではなく「賢明な消費者」と言ったニュアンスです。
これは今まで見たところではドイツ語だけのようです。






飛行犬

2023-08-17 | ことば


シェーンブルン動物園(現存する世界最古の動物園←毎回強調)で飛行犬の子供が生まれました

空飛ぶ犬とは何ぞやと思いますが、日本語名オオコウモリのことで、ドイツ語ではFlughund(フルークフント=飛行犬)なのです。
(種名としては複数形でFlughunde=フルークフンデとなります)


シェーンブルン動物園の親子(息子か娘かは不明)






日本語Wikiの記事にもあるように、このグループのコウモリさんたちは、小型のコウモリさんたちとは大分違います。
飛行犬さんたちは視覚で周囲を確認するので目が大きく、耳は大きくありません。
小型の皆さんは超音波による反響定位なので目は小さく、大きな耳があります。
飛行犬は中国語では狐蝠。つまりキツネコウモリですね


   


近年は、人間の健康や環境保護の見地に加え、動物の生きる権利をも重視するヴィーガニズムが普及しつつあります。
これに対して「完全菜食ではビタミンB12が不足する」という批判がありますが、いつものHPに紹介された記事では、適切にサプリメントを摂取すれば、乳幼児のときからでも完全菜食は問題ないそうです。









ガンモドキ2種

2023-08-08 | ことば


ガンモドキと言えば、この食品を思い出しますが・・・




実は、この方もガンモドキさんです





前者は食感が雁の肉に似ているということで、鳥さんの方は、日本語名「ノガンモドキ」の通り、ノガンに似ているのですね。

このガンモドキさんは鮮やかな紅色が目立つため「アカノガンモドキ」と呼ばれます。
ところが私は「赤のガンモドキ」と読んで「面白い名前のガンモドキだな」と思ったら、食品ではなく鳥さんだったのです

親戚筋にあたるクロアシノガンモドキは黒い肢がシックで、食品に間違えられる率も低いと思います。






現在ヨーロッパでは、ひとまず猛暑期が過ぎるとともに洪水による災害が起こっています。とりわけオーストリア南部シュタイヤマルク州ケルンテン州から南側隣国のスロヴェニアで大きな被害が出ています。
この頃は平常の天候というのが減って、極端な天候が増えているようで不安ですね



シュタイヤマルク州ライプニッツの水没した道路




同じくライプニッツで川となった道路





これもシュタイヤマルク州の土砂崩れ現場で、北海道での災害を思い出します。





自然災害は止めることができませんが、戦争は止められます。特にロシアのウクライナ侵攻は、すぐ止められるはずです。
他にもニジェールスーダンその他多くの武力紛争が、公正かつ平和的に解決されますように


戦争一覧
進行中の武力紛争リスト(データが古いです)






犬と茄子

2023-08-05 | ことば


犬と茄子には、どんな関係があるのかと申しますと・・・










・・・つまり「人間」なのです

と言いましてもアラビア語の場合です。
単数形が「イヌサーン(人)」複数形が「アンナース(人々)」
(アラビア文字は省略します

これが奇妙に聞こえるのは、日本語話者だけでしょう。日本語におけるイヌとナスの実体を知らない人たちには「ただのアラビア語」です。

ついでに、アラビア語は双数形を保持するアルカイックな言語のひとつです。
自然界には対になっているもの(目、耳、肢、腕など)が多い。それに加えて「2つ」というのは既に単数ではないが、複数とするには少なすぎるという微妙な事態に直面した古代人の「戸惑いと熟考」を反映しているようにも思えます。

更についでに、アラビア語の複数形は時々スリリングです
(私がそう思うだけかも知れませんが)
クルド人の単数がクルディで、複数形はアクラード。
トルコ人の単数がトゥルキィで、複数形がアトラーク。
スリリングでない複数形も沢山あります。言わば「規則変化」というものですね。
これ以上掘り下げようとすると八大地獄をさまようことになりますので、以下省略

私が長年通っていたアラビア語コースはCovid-19パンデミックで休講となりました。
あるいは再開されているかも知れませんが、まだ問い合わせていません





カタカナ化(禍?)

2023-07-21 | ことば


シャフハウゼン近傍のライン滝(で視覚的に涼んでください)
高さは無いけれど勢いのある水量で名所になっています。
本文とは全く関係ありません






以前に中国人の知り合いから「日本語はカタカナがあって便利ですね」と言われたことがあります。
本当にその通りで、新語を案出する手間を省いて、外来語をカタカナ表記で日本語化することができます。

更に簡便にするため、スマートフォンがスマホになったり・・・
テレヴィジョンはテレ(遠い)とヴィジョン(眺め)に分解できますが、日本語ではテレビ、つまり本来切れないところでバッサリ切断。
ドイツ語のデリカートエッセンはデリカートなエッセンなのですが、日本語ではデリカテッセンになり、更に略してでデリカやデリとなります。

言語には、言わば言語経済学が作用して、簡便な方へと移行する傾向があります。
電子計算機なんて言うのも書くのも面倒なので、コンピューターの方が快適です。でもパーソナルコンピューターとなると長いのでパソコンと短縮します。
最近ではカタカナ単語しかないものも増えていますね。リンスって何でしょう?洗髪後整髪剤なんて面倒くさくてリンスの方がいいです。
ウイルスも何て言ったらいいか・・・非生物的微細生物?やっぱりウイルスのままでいいですね。

幕末以降、日本に無かった概念を日本語にするため、例えば福沢諭吉はFreedomを、仏教用語から「自由」としたのだそうです。
そうした努力の中で生まれたのが、化学、哲学などの日本語です。

現代は安易にカタカナ外来語が濫用されていますが、誰かが「てにをは」が残っているうちは日本語は無くならないと言ってたような
遊び日本語と伝統日本語が使い分けられるうちは大丈夫ではないでしょうか






外来語のカタカナ表記の起源





どってこどってこ

2023-07-08 | ことば


きっと御存知の方も多い「どってこどってこ」



これこそ「たくさんの白いきのこが、どってこどってこどってこ」





「きのこの変な楽隊」は宮沢賢治「どんぐりと山猫」に登場するステキな脇役です


      


これも良く知られていることと思いますが・・・日本は世界有数のオノマトペ大国
しかも、細かい制約が無く、誰でも独創的な新語を繰り出すことが可能です。しかも、それが通じるんです。
だから「どってこどってこ」も生き生きと受け止められる(受容できる)し、同じ宮沢賢治の「やまなし」の中で「クラムボンはかぷかぷわらった」りするのです
日本語のオノマトペは2度繰り返すものが多いですね。大抵は「雨がザーザー降る」のであって「ザーと降る」ことは殆どないようです。
「しくしく泣く」は「しく泣く」とは言いません。
こういう2度繰り返しのオノマトペは、他の言語では出会ったことがありません。唯一、ルチアーノ・デ・クレシェンツォの「ベラヴィスタはかく語りき」の中で、船が岸壁をションボリ出航する様子を「モショモショ」と表現しているのが強烈に印象に残っています。
本の個所を探すのが面倒なのでイタリア語綴りは省略

こういうオノマトペは日本語学習者にとって不可思議で、「ザーザー」「シトシト」「パラパラ」などの違いが分からないと言います。
これ以上書き進むと迷路に入り込む危険があるので、これでおしまい



検索中に見つけた面白い小論文
日英オノマトペの考察


追記:うっかり書き忘れました
上の写真のキノコは一見控え目な色合いで可愛らしく見えますが、タマゴテングタケという猛毒キノコです 写真はドイツ語Wikiのものです。





おお、それ見よ!

2023-06-14 | ことば


ステゴサウルス(捨て子サウルス)と同様、日本語話者には「おお、それ見よ!」と聞こえる名高いナポリ民謡






この写真はヴェネチアで、ナポリとは全く違った世界です。尤もドイツ語によるサブタイトルが「美しいイタリアの最も美しい歌の数々」となっていますから、ヴェネチアの写真でも構わないのでしょう。


もちろん「O sole mio」が「私の太陽」であることは知っていましたが、歌の出だしの「何と素晴らしいことだ(Che bella cosa)」の後はさっぱり分からない
一応ウィーン大学で第二外語としてイタリア語を勉強したのに何故分かんないんだろう?と不思議に思いつつ、特に好きな歌でもないので長年放置していました
最近になって何気なくWiki検索しまして・・・ナポリ方言だから分からないのだ!とやっと気付きました(遅い、遅すぎる!)
日本語Wikiオー・ソレ・ミオに解説のほか、原詩、標準イタリア語、日本語訳もあります。

もう何年も前にウィーン訛りによる劇を見たことがあります。出演した友達が事前に「直接聞いただけでは分からないよ」と脚本を貸してくれたので、文字から標準ドイツ語へ遡り、劇の内容を楽しむことができました。「オー・ソレ・ミオ」もナポリ方言とイタリア語が並んでいるのを見比べるとナポリ方言の方も理解できます。

これも大分前にイタリア人の知り合いと立ち話をしていて、近くにイタリア人旅行者らしきグループがお喋りしているので、知り合いに「何を話しているんだろう」と尋ねたところ、「南イタリアの方言だから分からない」という返事でした。

こういう話は世界中の殆どの国で起こるでしょう。方言が無いのはバチカン市国など例外的な国々だけだろうと思います。


言語つまり方言のほかにメンタリティー(気質)の違いというものがあります。ナポリは外国では「美しいイタリア」の代名詞のようになっていますが、国内ではナポリ以外のイタリア人(主として北イタリア人)からは随分軽蔑されています。
以前イタリア語集中コースのため滞在したシエナは独自の世界を形成しているので、ひょっとしてナポリにも共通するところがあるかと思い、コースの先生(ガキどもの先生)に「シエナはナポリと似ているのでは?」と言ったところ「そんなことシエナ人に言ったら殺されるよ」と怒られました。
あれには本当にビックラしました

古い記事「みそか猫」でも紹介しましたが、原作では「ナポリの古い貴族の家柄」と名乗るマウリツィオは、イタリア語版では「プロヴァンスの古い貴族の家柄」を名乗るモーリスとなっています。

イタリア人のナポリに対する蔑視の原因・本質は謎です






空いっぱいのバイオリン

2023-06-02 | ことば


これが「空いっぱいのバイオリン」です






この合成写真、なんか不気味なんですけど 「空いっぱいのバイオリン」というのはドイツ語の慣用句で「最高に幸せ」という意味です。

例えば・・・
Seit seiner Beförderung hängt ihm der Himmel voller Geigen.
昇進してからの彼は「空いっぱいのバイオリン」だ(彼の上にはバイオリンいっぱいの空が広がっている)
・・・という具合に使います。

「恋をしていて有頂天」なんてのも、この慣用句にぴったりの状況です。
いつ頃から使われ始めたかなどの詳細情報は、まだ発見していませんが、バロック絵画などで天使たちが空で楽器を演奏している場面からの連想だろうという説明があります。

上の写真のように「バイオリンが天空に鈴なり(最高に幸せ)」という慣用句は他の言語には無いようです。





名前の「翻訳」

2023-05-15 | ことば


これはオーストリア帝国オーストリア=ハンガリー帝国)皇帝フランツ=ヨーゼフI世35才のときの写真です。






ハプスブルク家皇帝の統治する帝国は多民族国家で多数の言語が使われていました。とりわけ主導的民族グループの言語であるドイツ語、チェコ語、ハンガリー語は皇帝の必須言語でした。もちろん、これだけではなく、日本語Wiki記事の帝王学の項にもあるように、毎日朝6時から夜9時まで、週に37科目を勉強しなければならなかった・・・と聞くだけ(読むだけ)で、皇帝なんて絶対なるもんじゃないと思いますね

以上は脱線で・・・ 日本語Wiki記事にもあるように、ハンガリー王としてはフェレンツ=ヨージェフ、ボヘミア(チェコ)王としてはフランティシェク=ヨゼフでした。更に・・・

英語:フランシス=ジョゼフ
フランス語:フランソワ=ジョゼフ
イタリア語:フランチェスコ=ジュゼッペ
スペイン語:フランシスコ=ホセ
ボスニア語:フランヨ=ヨシップ
(以下略)とまあ同一人物の名前に数多くのバージョンがあったわけです。
現代では、こういう面倒なことはしませんね。最近戴冠したチャールズ3世も、フランス語ならシャルル、ドイツ語ならカール、イタリア語カルロ、スペイン語カルロス等々となるわけですが、世界中チャールズで統一されています。

地名も古いものには複数のバージョンがあります。大分前にイタリア人からモナコと聞いて地中海沿岸の都市国家と思ったらミュンヘンだったという体験もあります。ウィーンにも色々な言語バージョンがあります。ドナウ川もそうです。
通信技術や交通網が発達してから国際社会に登場した固有名詞は大抵、原語発音の転写で「流通」しています。