数日前にラジオから耳慣れた音楽が流れてきました。それもそのはず、大好きなアルキンディの演奏でした。
アルキンディのコンサートは3回ほど行ったことがあり、その2回は旋舞もありました。CDも色々持っています。
アルキンディのリーダーはジュリアン・ジャラールディン・ヴァイスというフランス人です。本来クラシック・ギターの演奏家ですが、1976年に
ウード奏者
ムニール・バシールと出会いアラブ音楽に傾倒、
カーヌーン奏者となり、アンサンブル「アル・キンディ」を結成しました。
以前に「
回転瞑想」というタイトルでアップしたことがあります。アップした3つのYouTubeのうち2つは消されてしまったようですが、イスタンブールの旋舞のYouTubeはまだ残っています。
改めてYouTubeで探したところ、ダマスカスの
ウマイヤ朝のモスクでのコンサートが見つかりました。ギリシャ正教のコーラスと
スーフィー音楽による聖母マリア(イスラム教ではマリアム)のための音楽ということです。
ウマイヤ朝のモスクの位置には古代にジュピター神殿があり、その後教会があり、
ウマイヤ王朝の初期には、建物の半分がキリスト教の教会、半分がイスラム教のモスクだったので、キリスト教、イスラム教合同のコンサートに相応しい場所だと思います。
ジャラールディン・ヴァイスは1983年アレッポで「アルキンディ」を結成、古典的なアラブ音楽の演奏形式によるコンサートを開催、ヨーロッパ各地、アメリカでもコンサートを行っています。ラジオの番組を紹介するHPで、2015年1月2日にパリで亡くなったことを知りました。
シリア内戦の勃発でパリに帰ったものと思われます。シリアの現状に胸を痛め、それも死を早めることになったのではないかと思います。
今アレッポに「アルキンディ」は存在しませんが、早く平和が訪れ、アルキンディが復活することを祈っています。
私の持っているCDのひとつです
カーヌーンの伴奏による伝統的な恋の歌
ジュリアン・ジャラールディン・ヴァイスについては
フランス語ウィキの記事があります。
アル・キンディは中世の哲学者です。