愛読新聞NZZ(新チューリヒ新聞)の月刊誌NZZFolio2009年6月号に載っていた記事です。
タイトルは「あくびする犬の謎」
以下、記事の要点です。
「あくび」は日常的な現象ですが、原因や効用についでは殆ど解明されていません。
「酸欠」が原因という仮説は、今では実証的に覆されているそうです。
最近では「脳を冷やすため」という仮説もあります。
その他色々「独創的」な推論がありますが、いずれも憶測の域を出ないそうです。
確かなことは、あくびが「感染」すること。感情移入(共感)能力に関係があるのか?
ある研究チームが、自閉症児24人を含む49人に「あくびする人物」の映像を見せて
観察した結果、自閉症児の「あくび感染率」は、他の子供たちの三分の一でした。
この場合事前に、画面の女性と男性の人数を数えるよう指示が与えられていました。
続いて研究チームは29頭の犬を観察。この場合、子供たちに与えた指示はできないので
研究チームの一人がそれぞれの犬と1対1で向き合ってあくびをし、犬の反応を観察。
人間の口の動きを真似しているのではないことを確認するため、この人は別に
ただ口を大きく開けて試しましたが、犬の皆さんには一切反応なし。
29頭のうち21頭にあくびが感染して、その「感染率」は72パーセント
ヒトからヒトへの感染率45~50%、チンパンジーへの33%に比べ遥かに高率
もし「あくびの感染」が「共感」によるのだとすると
犬の方が人間より、他の人間に対する共感能力が高いのか
NZZFolio記事の要点は以上です。
残念ながら、この研究チームでは猫については、観察研究していないようです
この研究は、千住淳博士がロンドン大学で行ったものです。千住博士のHPは
こちら
Wikipedia:
あくび
Wikipediaのあくび画像
猫さん
犬さん
ライオンさん
馬さん
猿さん(あまり、あくびらしくないのは、目をカッと見開いているせい?)
逆に動物の皆さんのあくびも人間に感染するものでしょうかね
上の記事が載っていたNZZFolioの表紙
表紙の写真は潜望鏡です。この号の特集が「黒海沿岸」だったからで
毎号、動物に関する記事が必ずひとつあります。
この雑誌は、NZZの定期購読者に届けられる「別冊」です
上記記事の筆者は、極めて独創的な(狂気の!)科学実験を収集。そのHPは
こちら(英語)