私は、手にしていた「禅の意義について」を下におろし、猫の方へ目をやった。
猫は、丁寧に毛づくろいをしながら、柔らかな毛皮の中から微笑んだ。
「猫よ、この本を貸してやろうか?勉強になるよ。
あ、でも、お前、この本は、もう読んだようだね。」
猫は頭を上げ、私の方へ向き直って言った。
「馬鹿を言うんじゃないよ。その本は、ワタシが書いたのさ。」
12月29日は、チョビヒゲのチョビさんの一周忌です。
「猫、物思う」のスターだったチョビさんは、糖尿病と闘って虹の橋を渡りました。この禅猫は、きっとチョビさんだと思います。それで「猫、物思う」から画像をお借りしました。ちゃーちゃんさん、チョビさん、それにココアちゃん、小梅ちゃん、フフフと笑って頂ければ幸いです。
上の禅猫小話は、この本から引用したものです。猫の白黒写真を集め、夫々に小話や詩がつけられています。しかし、この本も、禅猫小話を別の本から引用しています。いずれも、もう古い本ですが、ネットの古本屋さんには有りそうです。
それぞれの本のデータです。
上の画像の本
Helga und Victor von Brauchitsch: Auf leisen Pfoten, Herder Freiburg 1984
禅猫小話の出典
Dilys Laiing: The Literary Cat, Push Pin Press, New York, Berkley Windover Books 1977